【受験と部活の両立】志望校合格のために、部活を辞めるべき?
こんにちは、郷中塾の本藏です。
突然ですが皆さんに質問です。
『志望校に合格するために、部活動や習い事を制限した方がいいのではないか』
このように思ったことはありませんか?
実際に入塾面談の際に、
早めに辞めた方が良いでしょうか?

とか、
やっぱり辞めた方がいいですよね?

というような質問をされることは少なくありません。
おそらく多くの方が同様の悩みを抱えていることだろうと思います。
これに対する郷中塾としての回答は

というもので全講師が一致しています。
(実際に毎年郷中塾の塾生は平均して9割前後の生徒が部活動に取り組んでいます。)
上記のような回答に対して、多くの保護者の方ががっかりしたようなリアクションをされます。
なかには

とはっきりと仰る方もいらっしゃいます。
今回は『志望校に合格するために、部活動や習い事は辞めた方が良いのか』という悩みについて、真正面から回答させていただきます。
鶴丸高校や甲南高校などの県立トップ校への進学を希望していながら、定期試験や模試の成績が悪く、部活動や習い事を辞めようか迷っているという方は是非、最後までご覧ください!
1.部活動や習い事辞める≠勉強時間が増える
そもそもなぜ『志望校合格のために部活動や習い事を辞めよう』という発想になるのでしょうか。
それは以下のような流れを期待してのことだと思います。
①「部活動や習い事を辞める」
↓
②「空き時間が増え、体力的にも余力がある状態になる」
↓
③「学習時間が増え、勉強に集中して取り組めるようになる」
↓
④「成績が上がる」
↓
⑤「志望校に合格できる」
しかし実際にはそのようには中々なりません。
上記の図のどの部分で引っかかるのか。
多くの生徒さんは②から③の矢印が成り立たないことでしょう。
皆さんは『パーキンソンの法則』というものをご存じでしょうか?
簡単に言うと「人間は与えられた時間をいっぱいに使って、与えられた仕事を終わらせようとする」というものです。
皆さんにも以下のような経験がありませんか?
夏休みなどの長期休暇に出された課題を一目見て
意外に少ないなぁ。
これなら前半で全部終わりそうだ!

と思ったものの、

と日々を過ごすうちに、なんだかんだで休み明けが迫ってきてから大慌てで課題に取り組むことになってしまった…。
これぞまさしく『パーキンソンの法則』によるものです。
この例では「長期休暇の期間で終わらせるべき宿題」を「長期休暇の期間全てをかけて終わらせてしまう」ということになってしまっています。
さて、今回の「部活動や習い事を辞める」という事例では、このパーキンソンの法則はどのように作用すると考えられるでしょうか。
部活動や習い事をやっていた頃は、
お風呂入ってご飯食べてたら、もうこんな時間だ!
早く宿題終わらせなきゃ!!

と、帰宅後にバタバタしながらも機敏に動いていたのが、
少しくらいゆっくりしていても、まだまだ時間はあるから大丈夫でしょ。

と帰宅してからのロスタイムが非常に長くなり、『結局勉強時間は以前とさほど変わらない』ということになってしまうことでしょう。
というのも、実際に私が中学生の時にまさしく上記のような状態になりました。
部活動を辞めたことでできた時間は、私の場合は大半がYoutube鑑賞に消えました。

2.本人が不本意な形で辞めさせるのはデメリットの方が大きい
デメリットその1)反発心からのサボタージュの可能性
以下のような話を私はこれまで何件も耳にしたことがあります。
所属している部活動がなかなかハードで、チームとしても結構強い。
県大会進出は濃厚で、場合によっては九州大会も…。
もしも九州大会までとなったら引退時期は8月半ば。
貴重な夏休みの時間を部活動に多く割かなければならなくなる…。
中3の4月現在、鶴丸高校も甲南高校もE判定。
偏差値も50前後で上がる気配もない。
ダメ!!絶対辞めなさい!!

返却された模試の成績を囲んでの家族会議でお母さんから正論で詰められ、
最後までみんなとやりたかったなぁ…
まぁでも、お母さんの言う通りだしなぁ…

というような葛藤をしながらも、半ばお母さんに押し切られるような形で早期の引退に合意させられて、他の子たちよりも一足先に『受験勉強』を始めることに。
しかし、そもそも本人が

というような決意を自ら持って部活動早期引退ではありませんので、モヤモヤを抱えたままの受験勉強になる可能性が高いです。
気分も乗っていないわけですから集中力もなかなか続かず、先に挙げた理由から勉強時間も思うように増えず…。
そのような状態で迎えた5月の実力テストや模試の結果が思わしくなかったときに、
勉強時間もそう増えてないみたいだし、これなら部活動やってた方がまだよかったわね…。

などと口にしようものなら、
今更なに言ってんの!?

と親子喧嘩に発展していきます。
そんなんだったら、もう勉強なんてしない。

とお母さんへの反発から、勉強をサボってしまうようになった…。
結果、当初希望していたような高校へ進学することはできず、不本意な形で高校へ進学。
大学受験では高校受験と同じ轍を踏みたくなくて…

お子さんが高校生になってから当時を振り返ってお話ししてくださる保護者の方々は、皆さんお子さんのことを思えばこその判断でした。
しかし本人の意に沿わない形での部活動引退は、得てして上記のような望まない結果となることが多いように思います。
デメリットその2)他責思考が成績向上を妨げる
「志望校まで学力的に差がある」から「勉強時間確保のために部活動を辞めよう」と考えて、自ら部活動を辞めたのであれば、その決断を間違いとしたくないために「勉強に集中して取り組む」ということもあるでしょう。
集中して勉強に取り組めれば、それだけ成績が上がる可能性は高まりますので、希望の進路に進める可能性も当然高まります。
仮に部活動を辞めた後、思うように成績が伸びなかったとしても、「あの時部活動を辞めなければよかった」とはなりにくく、「なぜ成績が伸びなかったのだろう」と学習内容を精査し直したり、学習法を振り返ったり、勉強の中身の改善に目が向くことと思います。
ところが「部活動を辞める」という決断を本人ではなく保護者の方が下してしまった場合、本人は「辞めさせられた」という認識となり被害者意識をもってしまいます。
このような被害者意識を抱えている人は、受験勉強に限らず物事がなかなかうまくいきません。
「誰かのせい」や「何かのせい」だという他責思考は、問題の根本原因の解明を妨げ、問題解決の邪魔をします。
物事がうまくいかない時の原因を自分以外に求めている限り、問題は解決できません。
受験勉強において成績を上げていくには、小さな問題解決の積み重ねが必要です。
「英語のリスニングの得点率が低い」という問題があったときに、「隣の人の鼻水をすする音がうるさかった」とか「リスニングの音声の音質が悪かった」というようなことを理由として挙げているようではダメだということは誰でも分かることと思います。
今回の部活動の件においては、「集中力が続かない」という問題の理由として、「部活動を早くに辞めさせられたことで、体力と集中力が他の人よりもないからだ」というような結論を持ってしまう子が出来上がってしまう可能性があるということです。
そんな考えになる子なんていないでしょう。

このように思われるかもしれません。
この他責思考の厄介なところは、周囲の人から見れば完全に破綻している論理でも、当の本人は本当にそう信じているということです。
—
このような経験はありませんか?
『そろそろ勉強をやらなきゃな…』と思っていたら、お母さんから「そろそろ宿題やりなさいよ!」と言われて、「今やろうと思っていたのに!お母さんのせいでやる気が失せた!」と思ったり、実際に言い返したり…。
—
少なくとも小学生当時の私は『やろうと思っていたのに、お母さんのせいでやる気が削がれた。自分が宿題に取り組まないのは、お母さんのせいだ!』と、本気でそう思っていました。
しかし、精神年齢が上がるにつれて「そんなのは言い訳だった」と多くの人は分かるようになりますよね。
部活動を辞める辞めないの決断に限らず、物事を自分で決めずに来なかった子は他責思考が強い傾向にあります。
保護者の方が無理やり辞めさせたりしてしまうことは、成績向上だけでなく、本人の精神的な成長の機会を奪ってしまうことにもなりかねないのです。
デメリットその3)心理的に不安定になる可能性がある
学校内での部活動、とくに団体競技をしている場合は、辞めてしまうことで他の部員に迷惑をかけてしまうということもあるでしょう。
そうでなかったとしても、これまで多くの時間を共有してきた部活動での友達と疎遠になってしまうかもしれません。
休み時間の会話の中で部活動の話が出るたびに「うっ…」とモヤモヤした気持ちになってしまったり、自分の知らない話題で盛り上がられたりして仲間外れになっているような感覚に陥ってしまったり…。
かつて私が直接目にした実例をお話させていただきます。
中1の4月から大手進学塾に通いながら、小学校から吹奏楽部に所属していたという子がいました。
志望校は鶴丸高校で、中1~中2の夏頃まではそれなりの高偏差値で推移していたものの、中2の秋以降から偏差値が下がり始めてしまい、中3の春の模試では塾内のクラス編成において希望のクラスに入れなかったといいます。
その結果に本人以上にお母さまが動揺してしまい、

と半ば強引に吹奏楽部を退部させ、受験勉強に専念させようとしたそうです。
郷中塾に受験相談にいらっしゃったのは中3の4月の半ばでしたので、まさに部活動を辞めた直後でした。

今からでも退部を取り消した方が良いのではないでしょうか?
とご提案させていただきましたが、

とのことでした。
お母さまのおっしゃられていた『こんな成績』というのも、鶴丸高校E判定であるものの偏差値54程度で、これまで鶴丸高校へ進学していった郷中塾の塾生たちと比べて、そんなに低いものではありませんでした。
なので、本人に「続けた方がいいんじゃないの?退部を望んでるの?」と確認をしましたが、明らかに納得していない様子で「退部に納得しています」と頷いていました。
結局、郷中塾ではなく別の塾で高校受験を終えたそうですが、
あの後、本当に大変でした…

とその子が高校3年生になってから、当時を振り返ってお話くださいました。
なんでも吹奏楽部を辞めた後、

と自責の念にかられ、放課後や行事の際に吹奏楽の音を聞くたびに憂鬱な気持ちになり、心の不調をきたすようになってしまい学校も休みがちになってしまったとのことでした。
当然、受験勉強どころではありませんので、当初望んでいた高校とは違う進路に進むことになりました。
上記は私がこれまで見聞きした中で、最も悲しい例ではあります。
しかし、「仲間外れにされるようになった」とか「友達から嫌なことを言われるようになった」などのケースは他にも複数知っています。
自分の目標を達成することだけに集中しろ!

このような大人の正論は尤もではありますが、大人にとって些末なことも当の本人にしてみれば大問題だったりすることが往々にしてあります。
受験勉強において精神状態が良好であることは非常に重要です。

3.部活動を続けながら志望校合格を勝ち取るには
これまで「部活動を辞めるということが必ずしも志望校合格に資するとは限らない」という話をしてきました。

と疑問に思われる方も多いかと思います。
部活動をしている人はそうでない人よりも、勉強可能な時間が短いです。
なので、時間当たりの勉強効率を上げる必要があります。
今回は『時間当たりの勉強効率をアップさせる』ための具体的な解決策をいくつかご紹介させていただきます。
その1) 勉強を始める前に「制限時間」を設定する!
人間は「近い締め切りを設けられると無駄が減り、集中力が高まる」ということが、イスラエルの国立大学であるヘブライ大学の研究により明らかになっています。
制限時間を意識するだけで、勉強の集中力とスピードは一気に上がります。
これは誰しも経験があることではないでしょうか。

という具合に、ゴールを明確に決めてから勉強を始めましょう。
『制限時間を設けることで学習効率が上がる』ということは『締め切り効果』とも呼ばれているものです。
「制限時間内に終わらせなければ!」というプレッシャーが、集中力のスイッチを入れてくれます。

これを習慣化することで劇的に勉強効率が上がります!
その2)隙間時間にやることを「事前に決めておく」!
「学校での休み時間」や「帰宅してからご飯を待つまでの時間」など、一日の中に隙間時間はたくさんあります。

というアドバイスは誰しも耳にしたことがあると思いますが、あなたは具体的に隙間時間に何に取り組むかを決めていますか?
時間ができてから
何をしようかなぁ?

と考えていたのでは、隙間時間は終わってしまいます。
『隙間時間ができたときにやること』は事前に決めておきましょう。
この『隙間時間ができたときにやること』ですが、何に取り組むのがベストであるのかについては個々人と時期により、それぞれ異なります。
郷中塾ではまず、その子が隙間時間に取り組むべきものが理解できているかを確認するために、始めは具体的な指示を出さずにあえて見守るのですが、7割程度の生徒が「そんなの隙間時間にやっても意味ないよ!」というようなことをやり始めます。
これは現状の成績に関係があまりありません。
模試の偏差値が高い子であっても、頓珍漢な勉強をやり始める子がいるので要注意です。
隙間時間に取り組んでいる内容次第では、全く得点に繋がりませんので気をつけましょう!!

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その3) 勉強中はスマホを遠ざける!
勉強を妨げるものとして、昔からテレビやなどラジオなどがよく挙げられています。
「テレビを見ながら~」や「ラジオを聴きながら~」などのいわゆる『ながら勉強』は、学習効率を下げるということは今更わざわざ特筆すべきことでもないと思います。

そういうことですよね?
別にスマホが特別ってわけじゃないのでは?

このように思われる方が大半でしょうが、違います。
スマートフォンには他の誘惑とは異なる強い負の影響力があります。
スマホが学習効果を低める要因となるということは様々な研究で指摘されていますが、今回はその1つをご紹介させていただきます。
<米テキサス大学オースティン校の心理学者エイドリアン・ウォード氏が行った実験>
800人の被験者に二種類の難しい作業をしてもらうという実験です。
一つ目の課題は、『ランダムに並んだ文字列を暗記しながら、数学の問題を解く』というもの。
もう一つは、『いくつかの選択肢の中から、視覚的な図形を完成させるための画像を選ぶ』というものでした。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
「部活動を辞めたからといって、志望校合格の可能性が高まるわけでは必ずしもない」ということが分かっていただけましたでしょうか。
現状でやれることを全てやり尽くし、そのうえで「どうしても時間的に勉強時間が足りない!」と受験生本人が思い至ったときに初めて『部活動早期引退』という選択肢が有効となります。
やるべきこともやらないままに短絡的に

というような理由で部活動を辞めてはいけません。
『志望校合格のために、今何が必要なのか』ということをしっかりと分析したうえで、今するべきことに全力で取り組みましょう!
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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以下、よくある相談内容をご紹介致します。
Q.「現状の成績で今から鶴丸高校に合格することはできるのか」
→本人のモチベーションや性格、現状の学力を詳細に分析してお答えさせていただきます。
5教科それぞれの本人の答案を基に、どこから手をつけるべきなのかを分析したうえで、鶴丸高校合格のためにどのようなルートで学習をしていくべきなのかを具体的にお話させていただきます。
Q.「勉強時間は十分なはずなのに特定教科の成績が上がらない」
→得意教科における有効な勉強方法は、必ずしも他教科にも通用しません。本人からのヒアリングを通して、学習法や思考の癖を分析し、適切な勉強方法をお話させていただきます。
Q.「鶴丸高校と甲南高校、どちらを志望校とするべきか」
→「将来の夢」や「行きたい大学」、「高校生活においてやりたいこと」などをヒアリングし、お子さんに向いている学校はどちらなのかをお話させていただきます。
もっと早く相談しておけばよかった…

と仰られる方が多いです。
入試本番までまだまだ時間があります。
現状の成績で『受かる高校』ではなく、『本当に行きたい高校』に進学しましょう!

その挑戦、郷中塾が支えます!
学力が足りなくても、熱量さえあれば何とかします!
鶴丸高校・甲南高校への進学を希望している新たな挑戦者をお待ちしております!!
↑昨年度、郷中塾で学んだ先輩たちや保護者の方のお声も是非ご覧ください!↑