【夏を制して「落ちこぼれ」から「成績上位層」へ!】高1・2生のための爆速巻き返し術

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こんにちは、郷中塾の宮園です。

鶴丸高校や甲南高校など、多くの高校では5月から6月にかけて、実力考査・進研模試・駿台模試とテストといった大きなテストが続きましたね。

さらに、これらのテストに加えて、毎週のように単元テストや小テストがあったので、「気づけばテストに振り回されていた…」という人も多いのではないでしょうか?

ようやくテストも終わり、夏が近づいてきましたが、学校の授業内容はしっかり理解していますか?

予習ができてないから、学校の授業内容がわからないままです…

単元テストに振り回されて、復習がほとんどできていません…

もし、こんな悩みを抱えているとしたら、まさにこの夏が勝負です。

ということで、今回はタイトルにもある通り、「夏休みをフル活用して『落ちこぼれ』の状態から『成績上位者』に急上昇する戦略」についてお話ししていこうと思います。

はじめに:この夏を「後悔」か「逆転」するかは初速で決まる

毎年のように、多くの高校生が「この夏休みに頑張って勉強して、今までの遅れを取り返すんだ!」と意気込みます。

しかし、実際にそれをやり切れる生徒はごく一部。気が付けば、ズルズルと夏休みを過ごしてしまった…となりがちです。

では、なぜうまくいかなかったのでしょうか?

意気込みだけで、具体的に何も考えてなかったからですか?

ずばり、その通りですね。
夏休みを制するためには、夏休み前からしっかり準備をしておくことが大事です。

夏休みがはじまる前に「この夏で何を勉強するべきなのか」事前準備しているかどうかで、夏の過ごし方が大きく変わることを意識しましょう。

【成績の上がらない悪い例】

7月末まで夏季課外があるから、8月から本気を出そう。

と戦略を練っているAさん。

確かに7月は夏休みでありますが、いつものように学校に行かないといけません。なので、学校が休みになる8月から頑張ろうと意気込んでいました。

しかし、Aさんはあることを見落としています。
それは「夏休みの宿題の存在」です。特に、鶴丸高校と甲南高校から課される「数学の演習帳」は夏休みの宿題で一番時間がかかります。

なので、学校が休み期間に入っても宿題に追われて、復習するタイミングが思うように取れず、結局ササっと教科書を1周しただけ…

そして2週間の学校休み期間が終わり、結果的にAさんは

数学の演習帳に時間がかかってしまい、結局今までの復習ができてません…

という状態で学校生活が始まるのでした…

このような状態に心当たりある人はいませんか?

せっかく意気込みを持って勉強するのであれば、夏休み前には夏に勉強する準備ができている、そして、初速をつけて一気に勉強できる状態になっている、この2点が最重要と言っても過言ではありません。

当たり前のことではありますが、今のままズルズルと過ごして後悔しないよう、気持ちを入れ直す機会にしましょう。

第1章:なぜ高校で「落ちこぼれ」てしまったのか

「この夏は絶対に勉強するんだ!」と意気込んだのであれば、「落ちこぼれ」の状態にならないように事前の心構えをしておきましょう。

せっかく頑張ったなら、また「落ちこぼれ」の状態になってしまうのは避けたいですよね。

ということで、学校についていけず「落ちこぼれ」になってしまう根本の原因を徹底的に分析してきましょう。

第1章−1:「落ちこぼれ」は一時的な状態を指す言葉である

まず、最初に伝えておきたいのは、「落ちこぼれ」とは『その人の今の状態』を指す言葉であり、『その人の性格や人格』を指す言葉ではありません。

つまり、どういうことですか?

「落ちこぼれ」ている状態とは、「風邪をひいた」状態と同じで、適切な対応をすれば克服出来るということです。

相談に来る高校生から「周りと比べて自分は落ちこぼれだから、志望校を諦めています」と言われることが多く、まるで自分の人格を否定されて絶望しているような印象さえ持ってしまうほど、深刻かつ完治不可能と考えている人が多いです。

自分の夢を諦める前に、一度郷中塾へご相談ください。

第1章−2:「落ちこぼれ」てしまうメカニズム

ここから「落ちこぼれ」てしまう原因について言及していきますが、みなさんは何が原因だと思いますか?

勉強できないから「落ちこぼれ」になると思います。

確かに間違ってはいませんが、「勉強できない=落ちこぼれ」からもう少し深掘って考えてみましょう。

鶴丸高校や甲南高校などの進学校に通う高校生に再度質問ですが、中学生のときは周りと比べて勉強ができた経験がありませんか?

そして、高校に入ってから徐々に勉強ができなくなったと感じていませんか?

うちの子も中学生の時は勉強が苦手ではなかったですね…

ということは、「勉強できない=落ちこぼれ」というよりは、中学校から高校に進学したときに勉強方法を改善できず、中学校の時のまま続けてしまい、それが原因で「落ちこぼれ」の状態になっているかもしれません。

それでは、中学校と高校の授業内容の違いについて見てみましょう。

1. 学習進度の劇的な加速と内容の難易度上昇

中学校では、比較的ゆったりとしたペースで基礎をじっくりと学び、多くの生徒が理解できるように配慮されています。しかし、高校のカリキュラムは非常にタイトで、中学では1年間かけて学ぶような内容を、高校では数週間で駆け抜けることも珍しくありません。
しかも、公式の丸暗記では太刀打ちできず、限られた勉強時間のなかで「なぜそうなるのか」という原理原則の理解が求められます。

この急激な変化に対応できず、一度つまずくと、次の単元、また次の単元と、「分からないこと」が雪だるま式に増えていく負の連鎖に陥りやすいのです。

2. 授業の受け身では通用しない高校の授業

中学校の授業は、先生が生徒一人ひとりの理解度を確認しながら進めてくれます。しかし、高校では広範なカリキュラムを消化するため、先生が一方的に説明してノートを取るだけの授業や簡単な解説のみで授業で進んでいきます。
しかも、授業の予習が課されているので「内容はある程度理解できてる前提」で先生も指導するため、理解が遅れてしまうことが多々あります。

こうした授業スタイルは、生徒が能動的に学習する姿勢を強く求めます。受け身でいると、あっという間に置いていかれてしまうのです。

これらの理由から、高校の学習システムは、つまづいたときは自分一人でリカバリーする必要があるにも関わらず、一度つまづいた生徒が自力でリカバリーすることが非常に難しい構造になっているということがわかります。

だからこそ、この夏休みは、この負の連鎖を断ち切る絶好のチャンスなのです!

第2章:夏休みが「逆転」のラストチャンス

「落ちこぼれ」という現状に苦しむ状態から起死回生を目指し、夏休みに努力すると決めた人は、今一度、『完全な休みとなる夏休みはたった2週間程度しか無い』という事実と、夏休みは単なる長期休暇ではなく、これまでの遅れを一掃し、一気に成績を逆転させるためのラストチャンスであることを肝に銘じておきましょう。

【なぜ夏休みがラストチャンスなのか?】
数学や英語といった主要科目は、今まで勉強してきたことを応用していく「積み上げ式」の科目です。一度つまずいてしまうと、その上に新しい知識が積み重なり、理解できない部分が「雪だるま式」に膨れ上がっていきます。
春、そして梅雨の時期を乗り越え、夏休みに入るまでに既にその雪だるまはかなり大きくなっているはずです。

この雪だるまを放置して秋以降の授業に突入すると、どうなるでしょうか?


① 授業についていけない状況の悪化
新しく難しい単元に進む度に、理解できない部分が大きくなってなります。

② 学習意欲の完全喪失
「もうどうにもならない」という絶望感から、勉強そのものへのモチベーションが完全に失われてしまいます。

③ 取り返しのつかない差
周りの生徒が着実に学力を伸ばす中で、学力が停滞どころか後退し、埋められないほどの差がついてしまいます。

このように、夏休みはこの「理解できていない雪だるま」の増殖を止めるために、まとまった時間が与えられた最大のチャンスなのです。

ここでやり残したことを精算しないと、秋以降はさらに急加速する学校の授業で、完全に置き去りにされてしまうかもしれません。

もちろん冬休みもありますが、「理解できていない雪だるま」が比較的小さい夏休みで着手する方がラクですよ。

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また、夏休みは当たり前ですが、「まとまった時間」が最大の武器となります。

学校のある期間は、日々の授業や部活動、単元テストに追われ、苦手分野の根本的な克服のために時間を割くのは至難の業です。その上、学校の授業が難しく理解が追いつかなくても、どんどん新しい単元に進んでいき、基本的には止まってくれません。

しかし、夏休みはこの「新しい内容に追われる」プレッシャーから解放され、自分に必要な勉強時間をしっかり確保することができます。

学校の授業進度がストップするのは長期休みかテスト期間のみです。

また、多くの高校生は夏休みになると気が緩んでしまい、学習ペースが落ちたり、遊びに時間を費やしたりしがちです。

しかし、その時こそ、周りと差をつけるチャンスなのです。

「隠れた努力」で周りの友達を出し抜き、夏休み前までの『出来なかった自分』から一気に『出来る自分』に成長する期間が高校生の理想的な夏休みでしょう。

第3章:一気に成績を上げる夏休み限定の勉強術

先述では、「落ちこぼれ」になってしまうメカニズムと、夏休みが「起死回生」のラストチャンスであることがご理解いただけたと思います。

では、具体的にこの貴重な期間をどう使い、どのように学習を進めれば、劇的な成績アップを実現できるのでしょうか?

ひとまず、最初から復習するのがいいのかな?

この夏を制するために必要な戦略は以下の2点です。

【「夏を制する」戦略とは】

1.全科目を満遍なく勉強しない!
夏休みに入ると、確かに勉強時間を確保できますが、夏休みの宿題をこなしながら追加の勉強をすることになります。
その中では、科目を絞って勉強する方が成績の上がり幅が大きく変わります。
・文系なら古典・数学・英語
・理系なら数学・英語・理科1科目のみ
上記科目だけで十分です。

2.勉強する教材は1科目につき1冊!
勉強する時は、たった1冊を仕上げるだけで十分です。どの教材がいいか悩んでしまう人は、下記教材をオススメします。
● 数学
高校1年生:「フォーカスゴールドⅠA」
高校2年生:「文系の数学 重要事項完全習得編」
● 英語なら
高校1年生:「英単語帳」
高校2年生:「英単語帳」もしくは「基礎英文解釈の技術100」

「夏を制する」戦略の核は『範囲を絞って基礎から深掘り』に尽きるでしょう。

また、ただ単に量をこなせばいいのではなく、暗記事項は取りこぼしがないように完璧に暗記する必要がありますし、数学などは公式の使い方や問題への着眼点まで理解して使いこなせるようにすべきです。

郷中塾では、数学だと各分野の解法手順や問題への着眼点を授業したり、英単語を完璧に覚えるための英単語デスマッチなどを開催して、各科目の理解度を一気に上げるタイミングがあります。

第3章−1:学校からの「夏休みの宿題」をどう活用するのか?

勉強方針が理解できたところで、学校から課された「夏休みの宿題」をどのように向き合うべきなのかについて正直にお話ししていこうと思います。

まず、どの高校でも夏休みの宿題で一番大変になるのが「数学の課題帳」でしょう。

鶴丸高校だと大学の過去問や難問だけを集めた演習帳が夏休みの課題となり、甲南高校だと模試の過去問や問題集の演習問題が夏休みの課題として出されています。

この問題集を一人で解くことはできるでしょうか?

昨年の演習帳は半分以上が解けずに赤ペンで答えを写しました。

このような人も多いのではないでしょうか?

私の意見としては、夏休みに課される数学演習帳のレベルは高過ぎるので、一生懸命頑張っても理解度が上がりにくく、結局回答を丸暗記して「理解したつもり」になりやすいと考えています。

確かに、演習帳を解き直しながら理解が深まることが理想ではありますが、自分の学力に見合わない問題を解いてしまうと、解答を見てわかったつもりになり、初見の問題で使いこなせない知識だけが身についてしまう可能性が高いです。

以前の記事でも紹介しましたが、自分の学力に見合わないレベルの勉強をしている人は、

1.「問題が難しくて解けない」

2.「解き方を考えず、すぐに解説を見る」

3.「宿題を終わらせるために赤ペンで解答を写す」

4.「写しながら『なるほど』と理解したつもりになる」

5.「難しいうえに時間がないので復習を惜しんでしまう」

6.「学力が上がることなく授業だけが先に進む」

この悪循環に陥っている陥りやすいです。

この「理解したつもり」勉強の問題点は、「自分の頭で考え抜く訓練が不足し、初見の問題に対応できないので点数が取れない」「解答を見ただけで満足してしまうため、記憶にも定着しにくいので学力が上がらない」などが挙げられます。

詳しくは、下記の記事をご覧ください。

ということで、夏休みの課題についての結論は、自分の学力に見合っている問題や課題はしっかり向き合って取り組む必要があるが、自分の学力以上の課題はパッと済ませてしまう方がいいと私は考えています。

時間をかけずにサッと解答を確認して終わらせ、空いた時間で自分に必要な勉強をする方が成績が向上しやすいでしょう。

学校から課される夏休みの課題は7月中にほとんど終わらせてしまい、8月は自分に必要な勉強をしたり、夏休み明けのテスト対策に向けて勉強したりする方が有意義に過ごせると思います。

第3章−2:数学と英語の具体的アクションプラン

夏休みの課題が終わり、「今から自分の勉強をするぞ!」となったとき、具体的に何をすれば良いのかわからない人はいませんか?

数学と英語をしようと思っていますが、何をしたら良いのかわからず勉強したくても勉強内容が決まってないです…

そんな人のために、今から数学と英語の具体的な勉強方針を立てていこうと思いますので、ぜひ参考にしてください。

【数学と英語の勉強方針】

ステップ①:必要な合計勉強時間を把握しよう

数学と英語の演習時間について、
・数学:フォーカスゴールド 1問あたり15分
・英語:英単語の暗記 50語あたり1時間
が目安時間になります。

ということで、2週間で数学と英語を完成させようとすると、そこに充てられる勉強時間は「14日×5時間=70時間」が一般的な合計勉強時間になります。

単純に計算すると、数学40時間で約160問、英語30時間で約1500語となります。しかしながら、難問の演習や解き直しの復習も含めると、数学は100問、英単語は800語が無理なくできる範囲でしょう。


ステップ②:取り組む問題を細かく選定しよう

数学は100問しか完璧にできないとすると、イチから闇雲に解いても時間と労力の無駄遣いに終わるかもしれません。

フォーカスゴールドに取り組むと想定すると、
・二次関数:59問
・場合の数と確率:57問
・図形と方程式:54問
のように1分野の問題数がそもそも多いので、全問題を解こうとするとたった2分野しか完成できないことを知っておきましょう。

ということで、解くべき問題は星2~3レベルの問題のみに厳選したり、苦手な問題形式のみに絞ったりする必要があります。もし、フォーカスゴールドに拘っていないなら、「文系の数学 重要事項完全習得編」が必須問題のみを厳選しており周回しやすいのでオススメです。

データの分析や整数を除くと、約100問で数学Ⅰ・A・Ⅱを1周できるので、夏休みの教材としてうってつけですよ。

いかがだったでしょうか?

夏休みは普段より勉強時間が確保できますが、取り組むことができる問題数は想像より少なく、量をこなすには時間が少ないことがわかると思います。

夏休みは無限に時間があるように見えてあっという間に過ぎてしまいます。夏休みに何を勉強するのか、何ができるようになるべきなのか、しっかり考えた上で夏休みを過ごしましょう。

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第4章:夏休みの勉強を最大化する生活習慣

第1章から第3章にかけて、夏休みの勉強についてお話ししてきましたが、ここからは夏休みの勉強を最大化させるために必要な生活習慣についてお話ししたいと思います。

毎年、夜の2~3時に寝て昼前に起きてましたが、やっぱりダメですよね?

そうですね。
生活習慣の乱れは日々の勉強の質に直結していますので、出来るだけ規則正しい生活を心がけるべきでしょう。

理想は普段の学校がある時の生活リズムを崩さずに過ごすことが大事ですが、どうしてもうまくいなかい時がありますよね。

私自身も高校生のときに遅寝遅起きになり、夜型の生活リズムだった時がありました。

なので、具体的に1日の生活リズムを考えてきましたので、まずは下記をご覧ください。

ここで特に大事なのは、
・睡眠時間:7時間
・勉強時間:7時間

・食事は朝昼晩の3回とる
の3点です。

たまには、昼間の勉強時間を削って友達と遊んだり、夜は家族と食事に行ったりと、メリハリをつけて夏休みを過ごしましょう。

普段の学校がないので、つい夜更かしをしてしまう人がいますが、だんだんと次の日の朝が起きれなくなって生活リズムが狂ってしまう人がいます。

生活リズムが崩れると何が良くないの?

普段の学校生活と比較して、全体的に1~2時間ズレているだけだと特に問題はありませんが、睡眠時間が少なくなってしまうと集中力の欠如してしまったり、感情のコントロールが難しくなったりと、勉強面だけでなく日常生活でも悪影響が出やすいので注意が必要です。

また、夏休みは勉強面だけでなく、内面を劇的に変えるチャンスでもあります。

今まで「勉強ができない自分は『落ちこぼれ』なんだ…」と悩んでいた人こそ、心の力を最大限に引き出す「セルフコーチング」の技術を身につけましょう。

【「セルフコーチング」とは】

通常のコーチングでは、コーチが生徒の目標達成をサポートするために質問を投げかけたり、気づきを促したりします。セルフコーチングは、そのコーチの役割を自分自身が行うイメージです。

特に、「落ちこぼれ」という現状を打破しようとしている高校生にとって、セルフコーチングは非常に強力な味方になります。

なぜなら、多くの場合、勉強がうまくいかない原因は、単に「勉強量が足りない」だけでなく、「どうせできない」「何から手をつけていいか分からない」といった、心の中にあるネガティブな感情や思考のパターンにあるからです。

「セルフコーチング」のメリットって何ですか?

セルフコーチングが役立つ主な理由は以下の通りです。

メリット①:問題の根本原因を発見できる
セルフコーチングでは、「なぜ数学が苦手だと感じるんだろう?」「どこから分からなくなったんだろう?」と自分に問いかけることで、その根本原因を自分で見つけ出す訓練になります。


メリット③:具体的な行動計画を立てられる
目標設定だけでは、なかなか行動に移せないことがありますが、「目標達成のために、今日から何をするべきか?」と具体的に考えることで、最初の一歩を踏み出すための具体的な行動計画を自己発信できるようになります。


メリット③困難を乗り越える力がつく
勉強は常に順調に進むわけではありません。つまずいた時に、「どうしたら乗り越えられるだろう?」と自分に問いかけ、試行錯誤する過程で、さまざまな問題に対しての解決能力が培われます。

このように、自分自身と対話するように、掘り下げて考えていくのがセルフコーチングです。

夏休みというまとまった時間を使い、このセルフコーチングのスキルを磨くことは、学力向上だけでなく、精神的な成長にも大きく繋がります。

第5章:大学受験を見据えた「情報収集」

最後にお話しするのは、大学受験まで見据えた情報収集についてです。

鹿児島県内の公立高校受験だと、一般的に学力が高い順に「鶴丸高校→甲南高校→鹿児島中央高校」と並び、成績に応じて高校を選ぶ人が大多数でしょう。

しかし、大学受験は学力もさることながら、
「受験方式によって受験を有利に進められないか」
「そもそも大学で何を学びたいのか」
「自分の将来をどのように描いているのか」
など、さまざまな要因を考慮した上で大学を選定していかなくてはいけません。

考えることが多くて大変ですよね…

そうですね。
しかも、大学入試はかつての「一般入試の一発勝負」という時代から大きく変化し、多岐にわたる選抜方式を利用する受験生が増えてきました。

鶴丸高校や甲南高校でも、一昔前までは「推薦入試はオススメしない」というスタンスでしたが、ここ数年、学力以外の部分を評価する大学が増加してきたこともあり、上記2校でも「推薦入試を受けてもいいよ」と寛容なスタンスに変わりつつあります。

だからこそ、高校1・2年生のうちに、これらの多様な道があることを知っておくことは非常に重要です。

一般選抜

学力試験の成績を中心に合否が決まる、従来の入試方式です。
国公立大学であれば、共通テストを受験したあと、大学別の前期試験や後期試験を受験します。私立大学だと、共通テストを利用する受験方式や大学独自の受験方式など多様な受験方式が採用されています。
学校推薦型選抜(旧 推薦入試)

指定校推薦や学校型推薦と呼ばれる受験方式で、面接・小論文・評定平均などで合否が決まります。また、大学によっては共通テストや学力試験を課すところもあります。
例えば、鹿児島大学医学部医学科の学校推薦型選抜なら、評定平均は4.2以上が望ましく、共通テストで8割近く点数を取らないといけません。
総合型選抜(旧 AO入試)

大学のアドミッション・ポリシー(求める学生像)に合致するかどうかを多角的に評価する入試方式です。
志望理由書・小論文・プレゼンテーション・面接・課外活動の実績などが重視されます。学校型選抜と同じく、大学によっては学力試験を課す場合があります。
自分の個性や情熱、探究心を発揮して学力以上の大学に合格することがあります。

大学や学部によって採用している入試内容が異なりますので、志望校のホームページなどで詳しく確認しましょう。

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これらの多様な入試制度によって、今まで以上に大学受験における合格への道筋はより一層複雑になってきました。

自分の学力だけでなく、自身の強み・部活動や校外活動の実績・興味や関心に合わせて、どの入試方式が最も合格に繋がりやすいのか見極める必要があります。

だからこそ、夏休みのまとまった時間を有効に使い、気になる大学や入試制度など情報収集を始めましょう。これは、漠然とした大学受験への不安を具体的に「目標」に変える第一歩となります。

郷中塾では、総合型選抜を視野に入れてボランティア活動などの課外活動に取り組んでいる塾生もいますよ。

また、文部科学省が公開している以下の資料にも記載がありますが、約5割の大学入学者が学校推薦型選抜や総合型選抜を使用した入試で入学していると発表があり、これからますます一般入試以外の選択肢を検討する必要があることがわかると思います。

参考文献:大学入試選抜に関する最新動向

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まとめ:この夏、出来る人間に「進化」しよう

これまで、「学校の授業が理解できない」「落ちこぼれてきた」という苦しい現実と向き合ってきたかもしれません。

今回お話ししてきた内容を参考に、その原因、この夏休みが持つ「逆転」の可能性、さらには具体的な学習戦略や大学受験の情報戦について、理解の一助になりましたでしょうか?

この夏休みは、これまでの「やり残したこと」を清算し、「未来の自分」を自らの手で創り出す最大のチャンスです。

今日から、今から、この夏を最高の学びに変える行動を始めましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。