【大学受験】非受験学年のこの冬の過ごし方
こんにちは。郷中塾の宮園です。
ほとんどの高校では今年最後の定期考査も終わり、本格的に冬に入っていきますね。
今年習った勉強でやり残したことはありませんでしょうか?
今回は、この冬にしておくべき復習方法について、特に受験まであと1年しかない高校2年生に向けてお話したいと思います。
来年1/23より、受け入れを再開させていただきます。
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1.高2は浪人できない世代!?
このフレーズはどこかで聞いたことがあるはずです。
では、今の高校2年生が『浪人するのが難しい世代』、もしくは『浪人するのが大変な世代』と言われているのはなぜでしょうか?
その通りですが、それだけではありません。
2025年の大学共通テスト新課程からの変更点を挙げてみましょう。
・国語の試験時間が80分→90分に変更
・数学ⅡB→数学ⅡBCに変更
・数学ⅡBCの試験時間が60→70分に変更
・情報の科目が追加
・地歴公民の科目の大幅変更
実は情報科目の追加だけでなく、詳しい受験情報はまだ開示されていない現時点でも、こんなに変更点が発表されているんですね。
あまり意識していないかもしれませんが、試験時間の延長ということは、大問数の変更なのか、単純に難易度を上げてくるのか、まだ分かりませんが、以前の問題形式と異なる可能性が十分にあるということです。
2.総復習するための準備
さて、ここからは「これまでの復習をどのようにするかについて」お話をしようと思いますが、そもそも自分がどの科目の何が苦手なのか分かっていますでしょうか?
その程度の認識だと復習をしようとしたときに、『全範囲を満遍なく』することになります。
数学だけで考えても、数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bと4分野あるので、最初から始めるとすると、おそらく『二次関数』か『確率』あたりで心が折れる人がいると思います。
時間は無限にあるわけではありません。
まずは『出来ない科目』と『できない分野』を書き出しましょう!
そして、この優先順位で取り組むことをお勧めします。
理系 数学>英語>理科科目>国語=社会科目
文系 英語>数学>国語>社会科目>理科科目
3.部活動と両立しながらの冬の過ごし方
部活動をしている人は勉強時間が限られていますので、効率的に勉強しましょう。
とても素晴らしい意気込みですが、残念ながらそれでは遅いかもしれません。
冬休みは夏休み同様、学校から大量の課題が渡されますので、せっかく頑張ろうとしても課題に追われて思うように進まない可能性があります。
時間がないのであれば、日常動作に紐づけてルーティーン化しましょう!
具体的には、
朝、家を出る前に、10分間以内で数学を2問解き、
部活に行く前にも、10分間以内で数学を2問解き、
寝る前にもダメ押しで、15分間以内で数学を3問解く
これだけで毎日7問の問題演習が出来ます!
4.各科目ごとの復習
4-1.数学
おそらく多くの高校生を悩ませているであろう、『数学』について説明したいと思います。
取り組む参考書は、多くの高校で配布されている青チャートが一番良いでしょう。
確かにぱっと見だと分厚いですし、『勉強しよう』というやる気を削ぐには十分な重量がありますよね(笑)
なにも「全問題を解いてください!」ということではありません。
数学が苦手な人や基本のみ復習したい人は、コンパス1~2だけ、
数学が得意は人や難関大学志望者は、コンパス3~4だけ解きましょう!
青チャートの各分野別の問題数を下にまとめていますので、確認しましょう。
数学Ⅰ
章 | C1-2 | C3-4 |
---|---|---|
1. 数と式 | 29 | 13 |
2. 集合と命題 | 11 | 7 |
3. 2次関数 | 34 | 35 |
4. 図形と計量 | 22 | 18 |
5. データの分析 | 8 | 7 |
合計 | 104 | 80 |
数学A
章 | C1-2 | C3-4 |
---|---|---|
1. 場合の数 | 16 | 19 |
2. 確率 | 14 | 13 |
3. 図形の性質 | 20 | 19 |
4. 整数の性質 | 18 | 24 |
合計 | 68 | 75 |
数学Ⅱ
章 | C1-2 | C3-4 |
---|---|---|
1. 式と証明 | 19 | 14 |
2. 複素数と方程式 | 18 | 16 |
3. 図形と方程式 | 34 | 23 |
4. 三角関数 | 20 | 16 |
5. 指数関数と対数関数 | 16 | 9 |
6. 微分法 | 17 | 19 |
7. 積分法 | 12 | 14 |
合計 | 136 | 111 |
数学B
章 | C1-2 | C3-4 |
---|---|---|
1. 平面上のベクトル | 21 | 20 |
2. 空間のベクトル | 22 | 21 |
3. 数列 | 23 | 33 |
合計 | 66 | 74 |
ちなみに、全分野に手を出そうとすると膨大な数になるので、取り組む分野の優先順位を決めてください。
取り組まない分野があると不安になる人もいるかと思いますが、学校からの冬休みの宿題で嫌でも全分野に触れることになります。
その時に解けなかった分野は追加で取り組めばいいので、今は『確実に出来るようにしたい分野』を決めておくことが大切です。
4-2.英語
早速質問ですが、学校から配布されている、もしくは手元にある英単語帳は何%覚えていますでしょうか?
英語はとにもかくにも単語の暗記から始まります。
単語帳の暗記はどれだけ単語を目にして覚えようとしたかの『接触頻度』が『暗記量』に直結しますので、まずは1日15分から英単語を覚えていきましょう。
さて、英単語がある程度暗記できた人は、英文解釈に取りかかりましょう。
英文解釈とは、文章の中にある品詞や文節を正しくとることで文構造を把握し、どの文節がどこにかかっているのか処理して文章和訳をとることです。
英語が苦手な人は、入門英文解釈の技術70で英語の基礎を固めましょう。
英語がある程度読める人は、基礎英文解釈の技術100からはじめてください。
基礎解釈100は大学入試レベルなので、一気に得意科目にしたい人は取り組んでみましょう!
どちらも短文ですので、1問あたり20~30分もあれば復習まで十分可能です。
取り組むときは「英文の構造」を理解するだけでなく、「日本語訳の書き方」も意識して、直訳し過ぎない言い回しも合わせて勉強しましょう!
4-3.国語
高校2年生の文系ならこの冬でやっておきたいですが、高校1年生は数学・英語、高校2年生の理系なら数学・英語・理科科目を優先的に進めましょう。
古文と漢文は英語同様、暗記からはじまります!
まず、それぞれの暗記して欲しい分野などを確認してみましょう。
古文:古文単語、古典文法(助動詞・助詞・敬語)
漢文:漢文句形、頻出語句
この2つは多くの高校生が後回しにしてしまいがちですが、文章の繋がりを知る上ではとても大事なんです!
古文単語を覚えたはずなのに、文章が読めなくて困ったことはありませんか?
また、漢文句形を覚えたのに何故か読めなかったり、注釈がない漢字の意味を間違えていませんか?
続いて、現代文についてです。
「現代文はセンスだ!」
「やってもあまり伸びない科目だ!」
と言われたことはありませんか?
断言しますが、現代文は正しく訓練すれば他の科目同様、成績が上がる科目です!
しかも、記述力も正しい書き方を学べば書けるようになります!!
なので、現代文で大事な力は、「文章の構造を理解する力」、「設問の意図を理解する力」、「正しい根拠の探す力」です。
文系で志望校に記述問題の出題がある人は、これに加えて、「語彙の意味」、「制限字数内のキーワードの入れ方」も勉強しましょう。
これは評論だろうと小説だろうと基本的な解き方は同じです。
現代文の解き方を学んだことがない人は、入試現代文へのアクセス(基本編)という参考書を解いてみましょう。
たった12問しかありませんが、解説や文章の要点がきれいにまとまっているので、理解するには十分かと思います。
4-4.理科科目
習いはじめたばかりの科目ですので、学習範囲も比較的狭く、数学や英語と比べて総復習しやすい科目ですので、得意科目に伸ばしたいなら、この冬に取り組んでみてはどうでしょうか。
よく高校2年生から
と聞かれることがあります。
これは、半分はイエスで半分はノーです。
学校で習った範囲の中で、リードαやセミナーなどの学校教材の基本問題すら危うい場合は先取りNGです。
生物だと、単語の意味や働きを覚えていないと、そもそも何がどうなっているのか理解ができません。
物理は、基本的に各分野が単独で成立しているので出来なくはないですが、力学分野が出来ないと物理的な思考力が身についていない可能性が高いので注意が必要です。
もし先取りするときは、まず教科書を読んで内容を理解した上で、教科書を横において問題演習してください。
最終的には教科書なしで解けるようにしていきますが、最初は教科書に載ってる計算方法や語彙を正しく理解して、正しく扱う練習を意識しましょう!
4-5.社会科目
社会科目は文系かつ、二次試験で社会科目が問われると決まっている方向けですので、他の科目の進捗次第では、この冬は学校の学習だけで十分かもしれません。
社会科目は理科科目とは異なり、暗記さえできるのであれば先取りしても大丈夫です!
二次試験や私立入試などの大学受験で問われるのは、「何故そういった事件が起きたのか?」「何故この地方ではその植物が繁殖しているのか?」など、単語自体の知識ではなく、時代の流れや地理的要因を理解しているかどうかを聞いてきます。
先取りをするときには、教科書だけでなく、資料集や地図帳も一緒に見ながら勉強しましょう。
5.まとめ
今回は総復習についてお伝えする中で厳しい言葉もありましたが、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
気付いたらあっという間に1年が経とうとしていますね。
この冬を逃すと、復習する次の機会は3月の春になってしまいます。
是非この冬で巻き返しましょう!