【実例紹介】大学受験を見据えた英語学習――英検準1級がもたらす学習効果とは
こんにちは、郷中塾の宮園です。
みなさんは英検準1級の合格率をご存知ですか?
残念ながら不正解です。
正解は合格率15%前後と言われており、6人受験して1人合格するかどうかといった実質倍率6倍以上の超難関試験なんですね。
さて、今回その英検準1級に合格し、駿台模試の英語で鶴丸高校校内4位まで急上昇したKさんの勉強法について詳しくお話ししていきましょう。
・英検準1級を取りたい人
・苦手な英語を得意科目にしたい人
そんな英語に悩める高校生が参考になる話がたくさんありましたので、ぜひ最後までお読みください!
はじめに:高校2年生で英検準1級を取得するメリット

大学受験を控える人にとって、『英検®️』とは、どのような意味を持つのでしょう。
英検を受けようと思いながら、気づけば先延ばしになってしまっている人も多いのではないでしょうか?
後述しますが、大学によっては『英語試験の免除』や『加点制度』があるため、一般試験でも有利に働く上、総合型選抜や推薦入試では他の受験生との差をつける武器にもなります。
今回、英検準1級を取得したKさんの志望校は東京外国語大学ですが、この大学の受験を視野に入れると英検の勉強が必須といえる重要な受験戦略だったんですね。
多くの国公立大学の前期試験では、長文読解や英作文などのリーディングとライティング中心の受験ですが、Kさんの志望する東京外国語大学は、リーディングやライティングに加えて、リスニングとスピーキングも試験に含まれる、独特な受験方式を採用しています。
つまり、この大学では英検と同じく「読む・書く・聞く・話す」の4技能が重要視されているのです。
そのため、Kさんにとって英検準1級の取得は、単なる資格ではなく、志望校合格への大きな一歩となりました。
このように、英検を取得することは、大学受験を有利に進めるだけでなく、志望校への確実なステップアップになります。

しかしながら、高校3年生になると、理科科目や社会科目の負担が増えるだけでなく、学校からの宿題も多くなるため、英検対策に十分な時間を確保することが難しくなってきます。
特に、総合型選抜や自己推薦を視野に入れている場合は、高校3年生の9月以降に受験した英検の結果が、出願締切に間に合わない可能性があるので注意が必要です。
せっかく合格しても、「英検のスコアが利用できない」という事態になってしまうのです。
英検で受験を有利に進めるには『どれだけ遅くとも高校3年生の8月には英検準1級をとっておく』ことが必須と覚えておきましょう。
1.英検準1級を取得したKさんの成績

さっそく、Kさんの駿台模試の成績推移を見てみましょう。
まずは高校2年生の6月に受験した駿台模試の結果を分析していきます。

この結果から見てもわかりますが、国語は成績上位ですが、高校1年生の時から苦手だった数学が克服し切れていませんでしたね。
特に、国語は高校1年生の間に、古文の「単語・助動詞・助詞・敬語」と漢文の「頻出句形・重要な語彙」をしっかり暗記したことで、難しい駿台模試でも着実に点数を取ることができるようになっています。
逆にKさんの課題は、得意だった英語が伸び悩んでいるという状態でした。
Kさんは夏休み期間や日々の勉強時間の見直しを図り、以下のような目標を立てました。
・英単語と英文法は隙間時間にコツコツ覚える
・英文解釈は塾の先生と一緒に丁寧に文章構造を理解する
・数学はFocusGoldから厳選した問題だけをひたすら周回する
この3点に絞って毎日コツコツ勉強した結果、高校2年生の2月に実施された駿台模試で成績を急上昇することができました!


苦手な数学は難しい問題を解けるようにするのではなく、基本的な問題を着実に解けるように問題集を周回した結果、点数を落とさない解き方で成績を確実に伸ばしてきました。
そして本人が一番伸ばしたかった英語も、正しい勉強法を続けた結果、鶴丸高校で校内4位まで急上昇することができました。
鶴丸高校でも成績上位層になる学力を身につけたKさんは、高校2年生の秋頃から英検準1級にむけて本格的に対策を始めることができました。
2.郷中塾の英検対策

それでは、ここからKさんの具体的な勉強方法を英語に絞ってお伝えしようと思います。
2−1.英単語は徹底的に暗記

Kさんは英語は得意科目でしたが、英単語の暗記や英文法の暗記をおざなりにしがちでした。
しかし、郷中塾恒例の『英単語デスマッチ』によって、短期間で英単語ターゲット1900を完璧に仕上げることができました。
Kさん曰く
「英単語の暗記は億劫なので今まで見て見ぬ振りしてました。でも、英単語デスマッチのように強制的に覚える機会があった方が私は努力ができるので、大変でしたが英単語が完璧に覚えました!」
とのことでした。
『英単語デスマッチ』について詳しくは、下記記事よりご確認ください!
さて、ここでターゲット1900を使っている高校生に質問です。
Kさんの「ターゲット1900が完璧になった」ってどのレベルのことでしょうか?
実はターゲット1900は1900語が記載されていますが、巻末には「英検準1級によく出る単語200」が特集されているのをご存知でしたか?
Kさんには、この細部まで暗記してもらったため、英語の語彙力が一般的な高校生と比べて格段に向上しました。
2−2.生徒に合わせた教材で勉強速度を加速

突然ですが、鶴丸高校のみなさん!
学校から配られている『英文読解の原則125』(ピンク色の本)と『Scranble英文法』(黒色の本)には、しっかり取り組んでいますか?
ここはKさんに代わって、私が正直にお伝えします。
宿題なので取り組む必要はありますが、「内容が難しぎるので、今は時間をかけて理解を深めることはせず、一旦読み流して宿題を終わらせるのを優先しよう」としています。
私がKさんに「今は無理に理解しなくてもいいよ!」と説明した理由は以下の通りです。
・『英文解釈の原則125』は解説が全体的に薄く、例文1文は説明していますが、それ以外の文構造について説明がないので勉強しにくい
・『Scranble英文法』は問題数が多く、イディオムや熟語に偏っているので、文法知識だけを学ぶには負担が大きすぎる
そこで、Kさんの英語力にあった、新しい『英文解釈』と『英文法』の参考書に取り組んでもらいました。
取り組んでいるのは、「英文解釈の技術基礎100」と「基礎英文法問題精講」のたった2冊だけです。
そうですね。
基礎英文法問題精講はマイナーな参考書ですが、Kさんの場合、文法問題がコンパクトにまとまっており、『Evergreen』を使いながら質問することで、英文法の理解を短期間で深めることを最優先したので、この参考書をお勧めしました。
2−3.スピーキングは頻出例文を極める

英検のスピーキング対策というと、どのようなイメージがありますか?
確かに、たくさん喋ることで会話力が向上するのは理想的ですよね。
しかし、学校の宿題や予習に追われ、まとまった勉強時間を確保するのが難しい高校生にとって、それは現実的ではありません。
そこで郷中塾では、「とっさに出てきてほしい厳選された短文」を覚えることで、その例文を軸に会話ができるように指導しています。
英検準1級ぐらいのレベルであれば、基本的にスムーズに話せるようになります。
例えば、英作文を書くときにも「When〜,〜」や「It’s 〜 for 〜 to〜」の構文を使えば、ある程度言いたいことは表現できますよね?
同じように、英検準1級に特化した表現を覚えることで、ミスの少ない会話が可能になります。
さらにスピーキングを向上させるために、ビジネス・労働・交通・教育・テクノロジーの5分野における頻出表現や専門用語を覚えておくと高得点を狙いに行くことができます。
2−4.難関大対策講座で長文読解力を強化

高校生の多くが口を揃えて「なんとなく英語長文が読めるけど、なぜか解けない」と感じています。
この原因として、以下の3つが挙げられます。
・文章の構造がわからず、少しずつ和訳がズレて意味不明な文章が出来上がっている
・「重要な箇所」と「読み飛ばす箇所」の選別ができず、頭の中が情報過多になっている
・長文の流れを意識せず、和訳することに必死で文章の内容を理解できていない
これらの課題は、長文問題を数多く解くだけでは改善しにくいポイントです。
「学校でたくさん英語長文を読んでいるはずなのに伸び悩む生徒」が多いのは、このためです。
そんな難しい英語長文ですが、郷中塾では新高校3年生を対象にした『難関大対策講座』で英語長文読解を指導しています。
長文演習は解説を読んでわかった気になりやすいので、「Evergreen英文法」や「Ultimate英文法」を使い、文構造を正確に理解しながら、読解時にヒントとなるフレーズや着眼点を覚えていきましょう。
英語を勉強する上で避けては通れない長文読解ですが、正しい学習法を身につければ、演習量に比例して成績が飛躍的に向上しますよ!
3.英検準1級を活用できる大学

英検の取得方法がわかったうえで、ここからは実際に英検準1級を持ってると加点される有名大学を一部紹介します。
| 大学名 | 与えられるメリット |
|---|---|
| 広島大学 | 全学部みなし満点 |
| 千葉大学 | CSEスコア2300以上で国際教養学部は前期試験で40点加点 |
| 鹿児島大学 | 共通テスト80%以上でみなし満点 79%以下は得点の25%を加点 |
| 早稲田大学 | 国際教養学部は英語で14点加点 |
| 東京理科大学 | CSEスコア2300以上で20点加点 2600以上で22点、3300以上で25点加点 |
| 上智大学 | CEFRレベルB2以上で共通テスト利用方式で満点扱い |
| 明治大学 | 全学部統一入学受験で全学部の英語が満点扱い |
| 青山学院大学 | CSEスコア2300以上で国際政治経済学部はみなし満点 |
| 九州大学 | CSEスコア2300以上で共創学部はみなし満点 |
実際にこうやって見てみると、英検準1級を取得していると点数が加点される大学が多く、1点を争う大学受験では圧倒的に有利だと言わざるを得ない状況です。
今回挙げた大学以外にも英検を利用している大学がたくさんありますので、ぜひ下記リンクよりご確認ください!
詳しくはこちら|2025年度入試 英検資格・検定試験を利用する大学(一般入試)
4.英語は正しい努力で必ず伸びる!

今回、Kさんはもともと英語が得意科目ではありましたが、最初は英検準1級のレベルには程遠い状態でした。
しかし、適切な学習法を実践し続けた結果、高校2年生で英検準1級に合格し、駿台模試において鶴丸高校校内4位まで急上昇しました。
英語は数学や理科よりも、一度習得した知識が長く保持される珍しい科目です。
つまり、正確な方法で努力して身につけた英語力は、簡単には落ちません!
と感じている人も、
・「英単語」と「英文法」は繰り返して知識を定着させる
・自分に合った適切な勉強法を実践する
この2つを徹底すれば、学校の成績を大幅に伸ばし、英検準1級取得、さらには難関大学合格への道も切り開くことができます。
6.まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、高校2年生で英検準1級に合格し、駿台模試校内4位まで急上昇したKさんの勉強法についてお話ししてきました。
英語は頑張った分だけ成果が出る科目だからこそ、
・早いうちから正しい勉強法を続ける
・自分に合った教材で勉強する
この2つを意識すれば、鶴丸高校の上位層に入ることも、英検準1級を取得することも、決して難しいことではありません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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