【分析】樟南高校の出題難度&傾向と対策(国語)

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皆さんこんにちは!郷中塾の栗山です。

 

前回、樟南高校の英語について出題難度&傾向のお話をしました。

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今回は樟南高校の国語についてです。傾向やその難度を分析し、どのような対策をとるべきかを考察したのでぜひご覧ください。

出題難度&傾向

樟南高校の国語は大問4つからの構成です。大問1は論説文、大問2は小説文、大問3は古典、大問4は国語常識となっています。

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大問1教育論教育論教育論対話論環境論
大問2哲学・思考歴史小説自著伝物語物語
大問3説話集説話集説話集説話集説話集
大問4国語常識国語常識国語常識国語常識国語常識

論説文・小説文・古典と鹿児島県立高校入試と共通している構成にはなっていますが、その内実は大きく異なっております。

以下に具体的な問題傾向をみていきたいと思います。

大問1(論説文・30点)

  • 文章傾向

テーマは3年連続で「教育論」から出題されており、学校教育や部活動の在り方を論ずる題材がテーマとなっています。他の年度は「教育論」以外から出題されたものの、2016年『子どもと自然』、2017年『LINEで子どもがバカになる』など出典をみると結局は教育関連のものとなっています。

総じて『教育』をテーマとした論説文が出題される傾向である事は間違いないでしょう。

  • 問題傾向

問題数は6~8問程度です。うち2題は必ず国語常識(漢字・慣用句など)に関する問題が出されます。この配点が10点以上もあり確実に取らなければいけない設問となっています。

他は記述問題が中心となっていますが、ほとんどが抜き出し問題のため難易度は低めです。

  • 大問1の対策

問題の難易度は決して高くありませんが、代わりに文章の内容が標準~やや難解よりとなっています。言い換えれば文章さえ理解できていれば、難なく問題は解けるでしょう。

教育論が頻出テーマなので、関連文章を多めに読んでおく事が理想です。また、国語常識・記述の抜き出し問題だけで80%近くの配点があるので基礎的な国語能力があればまず問題ないでしょう。

大問2(小説文・30点)

  • 文章傾向

物語文だけでなく「歴史小説」「自著伝」など普段は目にしないジャンルからも出題されています。また、「物語文」であっても哲学・思考やローカルなどがテーマになっており、論説文同様に幅広い教養が求められます。通常の物語文からの出題はほぼ望めないと思って読んだ方が良いでしょう。

  • 問題傾向

問題数は6~8問程度で論説文と同様に30点の高配点です。しかしこちらも国語常識(四字熟語・慣用句など)に関する問題が10点近く出題されており、小説文としての問題は少なくなっています。問題は記述・記号・抜き出し問題など幅広く出題されていますが、いずれも標準~やや難の難易度となっています。

  • 大問2の対策

樟南高校の国語で最も得点しづらい大問です。これまでの傾向を見るに一般的な小説文が出題される事は期待できないでしょう。

問題もやや難解であるため、時間をかけすぎずに国語常識や穴埋め問題など基本的な問題を取る事に徹しましょう。

大問3(古典・20点)

  • 文章傾向

古典は過去5年間全て「説話集」から出題されています。説話集とは簡単に言うと、古今東西の様々なエピソードを一冊の書物に記したものです。

また、説話集の中でも「宇治拾遺物語」からの出題が多く、ここ5年で3回も出されています。その点では、鹿児島県立高校入試と近しい出題傾向と言えるでしょう。

問題文は比較的有名なエピソードが出題されています。しかし、やや難解で初見であれば大意を掴む事にすら苦戦すると思われます。

  • 問題傾向

問題数は6問程度です。現代仮名遣い・文法関連の問題が必ず1題ずつ出題されており、それ以外は古典の内容理解に関する問題が中心です。

しかし、掛詞の読み取りや古典常識を絡めた問題など比較的難易度は高くなっております。

  • 大問3の対策

古典常識に関する理解は必須です。例えば、「返歌」「仏教の習わし」など古典の背景知識を知っていないと読みにくい問題が多く出題されています。また、係り結びの法則や敬語など古典文法の基礎事項も確実に抑えておきましょう。この辺りは短時間の対策で得点に結びつくので外せない部分です。

大問4(国語常識・20点)

  • 問題傾向

樟南高校の国語の中で最も対策がしやすい大問です。ほとんどの問題が「文法」「敬語」「ことわざ・慣用句」「漢字・熟語」「辞典の活用」から出題されています。特に文法の問題数が多く、品詞の識別・動詞の活用など幅広く出題されています。

ただし、オーソドックスな問題が多く難問・奇問はほとんど見当たりません。基本事項を抑えておけば確実に取れる問題でしょう。

  • 大問4の対策

大問1~4を通して『国語常識』に関する問題が多く、なんと40点以上も出題されています。

まず最優先にやるべきは「漢字」「ことわざ・慣用句」「文法」の総復習です。と言っても標準的なレベルの問題が中心なので、基礎事項の復習だけでも大丈夫です。「文法」を全く覚えていない人にとっては非常に時間がかかると思いますが、頻出問題がほとんどなので問題集のやり込みだけでもある程度得点に繋がるでしょう。

『国語常識』の対策は多くの受験生が後回しにしがちです。なぜなら県立高校入試にほとんど出題されず、普段の学習で優先順位が低いからです。ですので確実に本単元を対策して受験に臨む様にしてください。

まとめ

以上が樟南高校の国語の入試傾向・対策に関するお話でした。

まとめ
・論説文は「教育論」に関する出題テーマが多いが問題難度は低い

・小説文は物語文、歴史小説など幅広いジャンルから出され、設問は難しめ

・古典は説話集から出され、古典常識の背景知識が必須

・全体的に国語常識に関する問題が多く、配点も40点近くを占める

樟南高校の国語に限らず、鹿児島高校・鹿児島実業高校の入試においても国語常識に関する知識は全ての大問に絡んできています。

普段の学習から会得するべき基本事項なのでしっかりと抑えて得点に繋げていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。