【分析】樟南高校の出題難度&傾向と対策(理科)

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皆さんこんにちは!郷中塾の栗山です。

今回は樟南高校の「理科」の対策についてお話していきます。

樟南高校の理科は非常に対策が難しい科目です。なぜなら大問数が非常に多く全分野から幅広く出題されているからです。

百聞は一見に如かず、という事で過去7年間の出題分野をご覧ください。

※分野名は東京書籍出版の「新しい科学」の目次より抜粋しております。

 2020201920182017
大問1動物のからだの作りと働き遺伝の規則性と遺伝子植物の分類動物のからだの作りと働き
大問2自然の中の生物植物のからだの作りと働き植物のからだの作りと働き動物の分類
大問3地球の運動と天体の動き気象の観測地球の運動と天体の動き火をふく大地
大問4地層から読み取る大地の変化地層から読み取る大地の変化動き続ける大地物質の成り立ち
大問5酸、アルカリとイオン酸、アルカリとイオン身の回りの物質とその性質化学変化と物質の質量
大問6化学変化と物質の質量水溶液の性質水溶液の性質化学変化と電池
大問7光の性質電流の性質エネルギーと仕事エネルギーと仕事
大問8電流と磁界物体の運動音の世界光の性質
 201620152014
大問1生物の観察と分類のしかた植物の分類生物の観察と分類の仕方
大問2動物のからだの作りと働き動物のからだの作りと働き動物のからだの作りと働き
大問3気象の観測雲のできかたと前線火をふく大地
大問4動き続ける大地地球の運動と天体の動き気象の観測
大問5化学変化と電池気体の性質水溶液の性質
大問6化学変化と物質の質量化学変化と物質の質量化学変化と物質の質量
大問7力の世界エネルギーと仕事力の性質
大問8静電気と電流電流と磁界電流の性質

見てお分かりの通り、物理・科学・生物・地学、さらには中学1年・中学2年・中学3年の分野から満遍なく出題されています。

加えて問題の傾向もあまり無く、様々な種類の問題が出される傾向があります。特定単元に絞っての対策は意味を成さず、全分野の網羅的な学習が必須でしょう。

一方で問題自体は県立入試レベルの標準的なものがほとんどです。全九州模試・統一模試で80%近い得点を現状取れていればほぼ問題ありません。

以下に過去7年間の傾向について分かる範囲で記しておきます。ただし、サンプル数が少ないためあくまで参考程度に留めておいてください。

中学1年分野

水溶液の性質

過去7年間で3回出題された頻出単元です。特に、溶解度曲線を用いたグラフの問題は毎回出題されています。さらに質量パーセント濃度の計算が必ずと言って良いほど絡んでいるので、苦手な人は必ず復習しておきましょう。

光の世界

円形のアクリル板を利用した光の直進に関する問題が2連続で出題されています。円形板を使用した問題はあまり頻出ではない上に難易度もやや難しめでした。類似問題に1度触れて置く事が無難だと思われます。

動き続ける大地

地震を扱った単元であり、過去7年間で3回出題されています。問題は用語問題と計算問題に分かれます。

用語問題は「初期微動」「主要動」「初期微動継続時間」など基本的な語彙を3問程度答えさせるもので確実に得点を稼ぎたいところ。計算問題は地震発生時刻を導く問題が2連続で出題されています。その他にも初期微動継続時間・震源の深さ等を求める計算問題も出されています。いずれも平易な問題なので確実に得点に繋げたいところです。

地層から読み取る大地の変化

地層の問題ではありますが、今のところ入試頻出の柱状図を使った問題は出されておらず用語問題が中心です。「堆積岩の区分」や「示相・示準化石の確認」など基本事項をしっかりとおさえておきましょう。

中学2年分野

以下に示す単元は過去7年間で5度以上出題されている最頻出単元です。用語問題は元より計算・思考を要する問題が多く、対策の要となるでしょう。

電気の世界

2020・2015年に「磁界」、2016年に「静電気」と電流の分野としてはマイナーな単元からも出題されています。特に磁界の単元は多くの受験生があまり対策をしない単元です。並列・直列回路や電力計算など「電流の性質」の単元ばかりに取り組まず、網羅的に学習しておく事が無難です。

・生物のからだの作りと働き

毎年必ず出されている分野です。特に「動物のからだの作りと働き」は過去7年間で4回も出されています。いずれにせよ当単元は用語問題が中心なので単語を総復習し、抜け漏れがない状態で臨みましょう。

・化学変化と物質の質量

化学反応に関する実験が度々問題として出題されており、計算問題がとにかく多くなっています。問題難度も簡単ではないため、演習による対策は必須。とくに化合・酸化反応に関する計算に取り組む事がおすすめです。

中学3年分野

地球の運動と天体の動き

天体分野の問題は受験期直前に習う単元からか「月と金星の見え方」「宇宙の広がり」からの問題は過去7年間で1度もありません。全て「地球の運動と天体の動き」からの出題となっています。この単元は問題演習を特に重点的に行う事をおススメします。

・自然の中の生物

2020年に突如出題された単元です。これまではほとんど見かける事が無かったため、多くの受験生が対策をしていなかったと思われます。単元としては覚える事が非常に少ないので取り組んでおく事に越した事は無いでしょう。

まとめ

以上が樟南高校の理科の入試傾向・対策に関するお話でした。

一応、対策についての記事になってはいますが、樟南高校の理科はあらゆる範囲・問題から出されています。「磁界」や「生態系」、「実験器具の使い方」なども出題されている事を考えると、参考書に載っている頻出問題を効率よく解いてもあまり意味を成さないと思われます。

特定単元に絞った対策では無く、あらゆる単元の問題を薄く広く学習する事が無難だと思われます。

まとめ
・基本的に全分野・全学年から出題。特定単元の集中的な取り組みは危険。

・問題難度は標準的で奇問難問の類はほとんどない。

・「電気の世界」「生物のからだの作りと働き」「化学変化と物質の質量」は最頻出単元である。

最後までお読みいただきありがとうございました。