【文理選択】「文転すればいいや」で安易に理系を選択してはいけない5つの理由

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容易な選択ダメ!絶対!

こんにちは。郷中塾の佐々木です。

近頃は、気温が高い日も増えてきましたね。

体調を崩さないよう、体調管理には十分気を付けてください!

 

さて、今回は高校1年生へ向けて、文理選択についてお話していきます。

文理選択って言われても、よく分からない…

という人や、
あとから文転(理系から文系に途中から進路変更すること)出来るから、とりあえず理系にしよう…

なんて思っている人は、今回の記事は必読です!

1.文理選択とは?

文理選択って何?

はじめに文理選択について簡単に説明していきます。

文理選択とは文系か理系かを決める進路選択です。

一般的に公立高校では、高校1年生のうちに決定することが多いです。

文理の選択によって、2年生から学習する内容が変化します。

理系では「数学Ⅲ」や「化学」「物理」「生物」など、1年生で学習した基礎内容からより専門的なことを学習します。

内容も1年生に比べ難易度が上がり、より高い理解度が求められます。

文系では「古典」や「漢文」、「日本史」や「世界史」「公民」などのより深い知識を学習していきます。

覚える範囲や内容の深さが1年生より増すため、より多くの暗記が必要とされます。

2.文転について

文転の説明

文転とは『途中で理系から文系に進路変更すること』であり、「文系から理系に変更する理転」に比べて変更しやすいといわれています。

そのため、

今は進路が決められないから、とりあえず理系を選択して、場合によっては後から文転しよう!

と考える人もいます。

しかし、このような文理選択はあまりお勧めできません!

ここからは「なぜ文理選択について安易に理系を選択してはいけないのか」という理由を、5つの観点から紹介していきます。

理由その1.受験に必要のない勉強をしてしまう

この科目は必要なのか

これは、主に理系科目に当てはまることです。

文系の場合は、数学の学習範囲は「ⅠA」「ⅡB」まで。
理科に関しても、基礎科目しか入試には出題されませんし、2次試験では試験科目にすらなりません。

 

一方の理系では、数学は「ⅠA」「ⅡB」に加えて「Ⅲ」まで学習範囲が広がります。

理科に関しても基礎科目としてではなく、より専門的な内容を学習することになります。

 

理系科目においては、文系選択者よりも理系選択者の方が学習範囲が広く深くなっています。

途中から文転をしてしまうと

一生懸命学習してきた理系の内容が、入試では使えない…

という悲しい結果になってしまいます。

 

理由その2.文転のタイミングは難しい

あぶはちとらず

よく、文転は早い時期からすれば、入試にも影響はないといわれます。

しかし、そんな簡単に文転が出来るわけではありません。

私が通っていた高校では、2年生の進級後まもなく文転を決めた人であっても、2年生の1年間はクラスはそのまま理系クラスで、3年生の進級のタイミングまでは他の人と同じように理系の授業に参加していました。

大学受験のために文系の勉強をしつつ、定期テストのために理系科目の勉強もしなければならなかったので、非常に大変そうでした。

また、クラス替えなどの理由から3年生の進級時に文転する人も多かったです。

しかし、この時期からだと志望校によっては非常に努力しないと現役合格が難しい大学もあります。

このように、一言に文転といっても簡単に文転できるわけではないのです…

理由その3.受験で使えない科目があるかも?

衝撃を受けるひよこ

これは社会の選択科目についてです。

理系を選択した生徒の多くは、暗記量が比較的少ないとされている「地理B」を選択します。

理系ではほとんどの大学で「地理B」で受験が可能なのですが、文系はそうではありません。

特にMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の略称)や早慶(早稲田大学、慶応義塾大学)など、東京の一部私立大学の学部学科では地理選Bが選択科目に含まれていません。

高校1年生でなんとなく科目選択をしたせいで、高校3年生の大学受験で苦労するということもあるのです。

理由その4.国語のレベルが違う

文系と理系の差

東大・京大などの特殊な大学を除き、多くの大学の理系学部は国語を一次試験でしか使いません。

それに伴って、学校の授業でも理系では基礎的な内容を主に学習します。

しかし、文系学部においては二次試験でも国語が出題されるという大学が多いです。

特に、古文や漢文では、理系の学習内容よりも詳しい時代背景や技法などの知識が必要とされます。

そのため、文転する際にはこれらを新たに学習する必要があり、最初から文系を選択している生徒よりも負担が大きいです。

また、現代文でも数百字の記述問題の演習が必要とされるなど理系の国語とは違う部分があることにも注意が必要です。

理由その5.受験において遠回りである

不必要な労力

これまでに述べてきた話と少し重複するのですが、文転というのは遠回りです。

あなたが理系の勉強をしている間、初めから文系の人は文系の勉強をしているわけで、そこでの差というものはどうしてもついてしまいます。

大学受験というのは、「1点で合否が分かれる」なんてこともあるほどシビアな世界です。

そんな中で文転という選択は、自分から不利な状況に飛び込んでいくようなものなので、学習の遅れを取り戻すことは大変です。

初めから文系の勉強をしていれば、第一志望の大学に行けたかもしれない…

なんてことにならないためにも、高校1年生の文理選択で後悔のない選択をしてほしいです!

おまけ

ここまで理系を安易に選んではいけない理由を紹介しましたが、文系を何となく選ぶというのもまたNGです。

女子の多くが文系を選ぶ傾向にあることから、これは特に女子に多いような気がしますが、友達が多いなどの理由から文系を選ぶことは良くありません。

特に文系は学習内容的に理系に変更しにくいので、途中で

医療系に進みたい!

と思っても変更することが難しいです。

しっかりと将来の進路にあった選択を心掛けましょう!

最後に

成功と失敗

ここまで、文理選択についてお話してきました。

かつての私自身も含め、高校1年生の文理選択は、いまいち進路も決まっておらず「何となく…」で決める人が多いものです。

しかし、文理選択は将来の人生を大きく左右する分岐点の一つです。

将来についてあまり考えたことがない人やまだ迷っている人は、良い機会だと思うので、この際に一度将来の進路について考えてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。