【2022年度】第1回鹿児島市共通テスト分析【中学校別平均点も!】

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2022年度第1回鹿児島市共通テスト難易度

 

こんにちは。郷中塾の栗山です。

夏休みが明けてすぐに、例年通り今年も第1回鹿児島市共通テストが実施されました。

この市共通テストは受験校決定にも役立つ、非常に重要なものです!

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続々と各中学校の成績表が返却されていますが、皆さんの結果はどうでしたか?

思っていたより難しかったです…
夏休みの演習の成果が出ました!
英語が最後まで終わりませんでした…
それぞれ様々な感想を持っていることと思いますが、いつもお伝えしている通り、順位や偏差値に一喜一憂せずにしっかりと復習をしましょう!

 


 

【2022】第1回鹿児島市共通テスト中学校別平均点一覧

 国語社会数学理科英語合計
城西中62.455.453.259.646.7280.1
西紫原中61.346.951.058.239.1256.8
伊敷台中55.343.243.953.243.2239.3
南中54.146.344.650.838.9238.0
清水中50.141.838.848.934.8214.3

※結果判明次第、随時更新していきます!

こちらにまだ掲載されていない中学校のデータをお持ちの先生、保護者の方は「お問い合わせフォーム」か「お電話」か「公式Line」でご連絡いただけると助かります!
いつもご協力いただいている方々、本当にありがとうございます。

 


ということで、今回は先日行われた第1回市共通テストの内容分析を各教科行っていきます。

「復習のちょっとした参考」や「本番だったらどうすべきだったか」の指標になれればと思います。

 

■国語

国語は全体的に「やや易しめ」の問題でした。

鶴丸志望者であれば85点、甲南志望者は80点、中央志望者は75点は取りたいところです。

論説文・小説文が比較的易しめのため、ここで絶対に失点を重ねてはいけません。

大問1

漢字の読み・書き取り問題です。

読みは易しかったですが、書き取りで「垂れる」「展望台」等の漢字を誤っていた人が散見されました。

漢字はほとんどの人が高得点を取るので、最低でも1ミス以内に抑えておきましょう。

大問2

「感覚の重要性」をテーマに扱った論説文です。

文章自体も読みやすく筆者の主張も汲み取りやすかったのではないでしょうか。

論説文の内容を理解しやすくするためには「デジタル/アナログ」「環境」「比較文化論」など、演習を通じて出題頻度の高いテーマに日ごろから触れておくことも大事です。

問題自体も記号問題や抜き出し問題が多く難易度は高くありません

ここで落としてしまうと一気に周囲と差をつけられてしまうので要注意です。

 

一方で、問題5の記述は指定字数が60字以内と非常に多く最も苦労した問題だったと思います。

しかし同時に指定語句が3つ提示されているため、文章中のどの部分から記述を構成すれば良いのか分かりやすいものでした。

文章がぐちゃぐちゃでない限り部分点は得られたのではないでしょうか。

大問3

説話集からの出題で「朱に交われば赤くなる」をテーマにした文章でした。

理解しやすいように例え話がいくつか提示されていましたが、全体的に分かりづらい文章だったかと思います。

文章を前後の読解から和訳しなければならないところが複数あり、読解が不十分なため失点してしまいました…

総称すると、最低限の古典単語/文法を覚えていることは大前提で、その上でさらに国語力を問われていたと言えるでしょう。

古典の文章は無理に全訳できる必要はないですが、基礎知識(古典単語/文法/古典常識)を身に着けていないと読解する上で話にならないので確実にマスターしておきましょう。

大問4

現代小説からの出題です。文章量が少なく読みやすい文章でした。

問題自体も少なく、かつ易しかったですが、60字指定の記述問題がありました。

小説の記述は論説文と比べて、ただ抜き出して編集すれば良いというものではありません。

心情描写の記述など小説特有の記述対策は施しておくようにしておきましょう。

大問5

小作文の問題でした。

一般的な資料提示型の問題ではなく、会話文を元にした自由記述形式の作文でした。こちらは特に問題なく答えられたかと思います。

作文を作る上でのポイントは、とにかく指定された条件を遵守して書き上げる事です。

条件に反してしまうと、それだけで大幅に減点されてしまうので気を付けましょう。

■理科

全体的な難易度からすると「標準的」といった印象でした。

昨年と比較すると計算を要する問題が減ったのに対し、複数回答を求める問題が増えました。

しかし典型問題が多く出題されたため、どちらかというと昨年よりも易しかったようにも思えました。

大問1

大問1は様々な分野からの問題でした。

この出題形式は鹿児島県の公立入試の出題形式に合わせているものです。

語句単発を聞く問題だけでなく、該当するものを全て選ばせるような複数回答が求められものも出題されました。

この小問集合の中には簡単な計算問題も含まれます。

昨年は電力、今年はマグネシウムの酸化の計算問題が出題されました。

幅広い分野から問われますが基礎知識があれば答えられるものがほとんどなのでどれも答えられるようにしておきましょう!

大問2

大問2はⅠが「天気」、Ⅱが「柱状図、岩石」に関する問題でした。

Ⅰについては乾湿計を用いた湿度測定と気温や湿度の観測結果をみて読み取れる情報を選ぶ問題でした。

昨年は飽和水蒸気量を考える問題が出題され、計算を要するものも数題出題されましたが今年は知識だけで答えられる問題のみとなりました。

 

Ⅱの柱状図、岩石については示準化石を答えさせる問題や、柱状図を書かせる問題が出題されました。

今回の柱状図は傾きもなく非常に考えやすい問題だったと言えます。

解答の際はボーリング資料に実際の標高を記入して高さを揃えて考えるようにしましょう。

また、「正しく述べているものをすべて選べ」という問いが出題されましたが解答は1つだけでした。

そういったパターンの出題があることも念頭に入れておきましょう

大問3

大問3はⅠが「光」、Ⅱが「電気」に関する問題でした。

Ⅰの光は実像の見え方を考えさせる問題や、像ができる際の光の進行方向の作図の問題が出題されました。

Ⅱの電気については電流電圧から抵抗や電力を計算させる問題、並列回路に繋ぎ直した時の抵抗の計算など基本的な計算による解答力が求められました。

与えられたグラフを用いて考えれば簡単に回答できるものだったためしっかり得点源にしたい大問でした。

大問4

大問4はⅠが「植物のはたらき」、Ⅱが「生物の分類」に関する問題でした。

Ⅰでは「気孔」を答えさせる問題が基本的にが多いなか、「孔辺細胞」を答えさせる問題が出題されました。

Ⅱの生物の分類についてはセキツイ動物の基本分類と節足動物という名称を答えさせるものでこの大問も基本をおさえていれば満点を狙える大問でした。

大問5

大問5はⅠが「化学変化」、Ⅱが「酸とアルカリ」に関する問題でした。

硫化鉄の実験問題でしたが計算問題は一切含まれず、知識問題のみの出題でした。

化学変化の問題については発生物質の名称ではなく、物質の特徴や別の発生方法を聞く問題も増えてきています。正答以外の選択肢も復習の際に確認しておきましょう。

Ⅱの酸とアルカリでは酸性やアルカリ性の識別、特徴についての知識確認に加えて、同体積の溶液を中和させる時のイオン数の割合を考えさせる問題や、水溶液内の特定のイオン数を考える問題が出題されました。

モデルを書いて考えることができれば確実に解ける問題でした。

■英語

英語の本

英語は全体的に「やや難しめ」の問題でした。

鶴丸志望者であれば80点、甲南志望者は75点、中央志望者は70点は取りたいところです。

特段、難しい問題は見当たらないのですが、最後の長文読解に十分な時間を確保できずに失点した人が多かった模様です。

英語が得意でない人は「問題を先に読んで解答ポイントを集中的に探す」など時間に工夫を凝らしながら解かなければならないでしょう

大問1

リスニングの問題です。

音源が無いので何とも言えませんが、鶴丸・甲南志望者は80%の得点率を目指したいところです。

「数字」「月・曜日」などリスニングにも高頻度の問題パターンが存在するので、そういった部分は訓練で補強したいところです。

大問2

「空所補充」「自由英作文」の問題になります。

1・2の選択式の空所補充問題は非常に簡単です。選択肢を絞りやすく、決して間違えてはいけない問題と言えます。

1・2は問題ありませんでしたが、3・4で大量失点しました。

3の空所補充問題は与えられた動詞を書き換えなくてはならず、空所前後の読解に加えて文法的知識を問われました。特に「callの第5文型」を「受け身」にする問題は苦労したのではないでしょうか。

また4の自由英作文は資料を元に自分の意見を論述する英作文でした。

資料内にどのような事を書けば良いのかは書かれているのですが、そもそも普段から自由英作文を書き記す機会がない子は失点を重ねてしまったと思います。

つまるところ、一部の空所補充問題・自由英作文ともに英語の文章構造を理解していないと解けません

日頃から英作文の添削を行うことが理想ではありますが、自学で勉強する場合は基本的な英語例文を300文ほど覚えておく事がオススメです。

大問3

中文読解×3の大問でした。資料付きの中文読解が2題あり、最も問題数が多かったです。

次の長文読解に進む前に時間を取られてしまった人も多かったのではないでしょうか。

文量に対して問題数が少ない大問3は、先に問題を読んでおくのが無難です。

問われている内容を絞ってテンポよく読み進めていく訓練を日ごろからしておきましょう。

大問4

長文読解を扱った大問になります。

長文読解ではありますが、「全文を3分ほどで読破し、問題を7分程度で解き終わるのが理想」です。

記号問題を全問正解に持ち込むのは大前提ですが、苦戦するのは日本語の記述問題でしょう。

約40字以内と字数が多く、例え英文を和訳できたとしても問われている内容に対して正確に答えられずに失点するケースが見受けられます。

 

一方で英作文の問題は比較的易しめです。

公立高校入試の長文読解における英作文は、ゼロから文章を作る必要がありません。

基本的に長文内に書かれている内容をアレンジして書き上げれば解く事ができるので、こちらは「長文自体を読むことができ、英文構造を理解する力」さえあれば解答にたどり着けます。

社会

社会は全体的に「標準」レベルの問題でした。

鶴丸志望者であれば85点、甲南志望者は80点、中央志望者は75点が目安点になるでしょう。

一方で記述問題は資料を元にして文章を組み立てなければならず、用語や因果関係を把握しているだけでなく、文章の構成能力も求められました。

社会が得意な人でも記述で落としてしまった人は多かったのではないでしょうか。

大問1

世界地理の大問です。

生活、気候、時差など幅広いジャンルから問題が出題されており、総合力を試されています。

高難度の問題は見当たりませんが、問題6・10などの記述問題は慣れていなければ失点部分になるでしょう。

今回の記述問題に知識はいりませんが、資料の内容を抜け漏れなく要点を押さえて解答する国語力が求められています。

大問2

日本地理の問題です。

選択問題の難易度が相対的に高かったように思えます。

例えば、問題5は「工業製品の主要輸出港」、問題9は「各都道府県の産業状況」について問われていました。

資料問題に正答するためには「農業、工業、サービス業」など統計的な知識を持っておく必要があります。

日頃から教科書に載っているグラフなどはチェックし、因果関係まで明らかにしておく癖をつけましょう。

大問3

古代/中世/近代に関する歴史の問題です。

大問2と同じく全体的に用語を覚えているだけでは解けない問題がほとんどでした。

また「分割相続」「鎌倉公方」の記述など馴染みがないワードが全体的に散りばめられていたように思えます。

しかし馴染みのないワードであっても、消去法や資料からの読解で正答することは可能です。
丸っきり難解とは言い切れないでしょう。

大問4

近現代/現代に関する歴史の問題です。

全体的に基本用語を押さえておけば解ける問題が大半を占めていました。

また並べ替え問題なども直近の「ウクライナ問題」や「東日本大震災」を取り扱うなど比較的時代の近い問題が多かったです。

基本的な学習・時事への精通があれば、まず失点することは無いでしょう。

大問5

公民に関する問題です。

問題自体は非常に簡単ですが、如何せん公民を習い始めたばかりなので、「どう答えて良いか分からない」「本当にこの答えで合っているのか」と戸惑う人も多かったのではないでしょうか。

公民は現代社会をテーマにした学習ですので、時事や一般常識が非常に重要になってきます。

朝準備の最中に流れるニュース番組で構いません。

日頃から取り上げられているトピックに問題意識を持ち、学ぶ癖をつけておきましょう。

数学

関数

全体的な難易度からすると「やや難」といった印象でした。

基礎知識があれば解ける問題が大問1〜3に集中していましたが、それらの配点が増加したことにより、正確性が求められたと言えます。

また、後半の単元別の大問については典型問題のようなものより、思考力が試される問題が出題されたため、得点源にはしづらかったと思います。

大問1

大問1はいつも通り「計算・小問集合」でした。

昨年が3点×9問で27点分だったのに対し、今年は3点×5問、4点×4問の計31点分の出題で、問題数は変わりませんでしたが、配点が少し増えました。

ルートの計算や因数分解など3年生になってから学習した単元も出題されています。

複雑な問題は含まれていませんのでこの大問は確実に満点を狙っていきましょう。

大問2

大問2は証明や計算過程の記述を含む問題でした。

この大問は昨年は連立方程式の1題のみ記述問題扱いでしたが、今年は平面図形の証明問題も追加されました。

大問全体の問題数は2題減少していますが配点は1点増加しているため、回答の正確性が求められたと言えます。

1次関数の増加量を考える問題や平方根の大小関係から範囲を満たす自然数を答えさせる問題など基本的な問題が目立ちました。

大問1と大問2だけで100点中53点を占めます。

配点バランスと設問難易度を考えると、ここまでで落としてしまうとかなり痛手になります。

大問3

大問3はデータの問題でした。

度数や階級を問うものに加えて、相対度数を計算させる問題が出題されました。

鹿児島県の公立入試では一昨年まで、大問3が毎年「資料の活用」で固定ですのでその形を踏襲していると言えます。

ただ、昨年の入試では大問3が「1次関数」に変わりましたので今後どういった出題形式に変わるかは未だわかりません

語句の意味を理解した上でミスのない計算ができれば答えられる問題がほとんどですので、この大問も満点を狙いましょう。

■大問4

大問4は「図形」を用いた問題でした。

先年と同様、会話分の流れに沿って問題を解く形ではあったため、多少読解に時間がとられたことと思います。

初めに合同条件を答えさせる問題が出題され、台形の面積や回転移動させた図形の作る角度、面積が問われました。

最後の面積を考える問題は公立入試ではあまり見ることのない、図形の一部を切り取って扇型を作って面積を考えるものでした。

解き方を知っていれば計算も容易でサービス問題に近かったと言えます。

■大問5

大問5は「反比例」と「関数」の複合問題でした。

関数の比例定数を求めさせる問題から、等積変形で同一面積を考える問題、図形上と内部の格子点(x座標とy座標共に整数となる座標)の数を考えさせる問題など、入試で定番のものがバランス良く出題されました。

昨年の大問4、5の配点が18点+21点で計39点だったのに対し、今年は16点+14点で計30点と大きく配点が変わりました。

特定的の単元の難問に回答するより、様々な単元の小問を確実にとれたほうが総点に大きくつながると言えました。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

点数が良かった人は、油断してはいけません!

点数が悪かった人も、諦める必要はありません!

 

鹿児島市共通テストが非常に大切なテストであることは間違いありませんが、あくまで入試本番ではありません。

自分の苦手分野をこれを機に洗い出し、本番で少しでも良い点が取れるように残り半年弱を全力で頑張りましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。