【中1・中2向け】学習指導要領の改訂で英語教育はどう変わるか?
皆さんこんにちは。郷中塾の栗山です。
いよいよ2021年度に突入しましたね。今年度は教育業界にとっても変化の年だと言われています。
その大きな理由の1つが約10年ぶりとなる『学習指導要領の改訂』です
これまでも幾度となく改訂は行われてきましたが、大学入学共通テストの導入タイミングと言う事もあり、今回はとりわけ大きな改訂だと言われています。
特にグローバル化の進展に伴い、英語の新・学習指導要領はこれまでとは全く異質なものとなっています。
1.学習指導要領改訂の中身とは?
では、学習指導要領の改定前と改定後ではどのように変わるのでしょうか?
変更点は大きく以下の通りだと言われています。
項目 | 変更点 |
---|---|
単語 | 1600~1800語に増加 |
文法 | 以下が追加 現在完了進行形 原形不定詞 仮定法 直接目的語に節を取る第4文型 |
領域 | 話すことに、[やり取り]と[発表]が追加 |
授業 | 英語で行うことを基本とする |
内容 | 思考力、判断力、表現力等を重視 |
【出典】SAPIX:https://www.sapix.co.jp/articles/90076.htmlより引用
確かに英単語・文法についても学習範囲が大きく増加しています。
しかし、ここでの注目すべきポイントは「領域」「授業」「内容」についてです。
英語授業の導入や英会話でのコミュニケーションなど明らかに「リスニング(聞く)」「スピーキング(話す)」の本格導入を意識した内容になっています。
これまでの「リーディング(読む)」「ライティング(書く)」中心の中学英語とは異なり、今回の改訂で学習難度が大きく上がる事は避けられません。
例えばリーディング(読む)もリスニング(聞く)も、英文を解釈するという点では全く同じです。
しかしリーディングは英文を見て解釈するのに対し、リスニングは音で解釈します。つまり、前者はスペルを理解しなければならないのに対し、後者は発音を覚えなければならないのです。
このぐらいのレベルであれば単純に「英単語を覚える時は発音をセットで覚える」だけで解決が出来ます。
しかし、リスニングはリーディングと違って「英文を聞き直す」事が出来ませんし、単語が組み合わさる事で特殊な発音になったりもします。
※take it easyが(テイキリーズィー)の読み方になるなど。
この様にリスニング・スピーキングの能力はリーディング・ライティングとは捉え方が異なってくるのです。
つまり、これまでの勉強方法で英語の点数を稼げるとは限らないのです。
2.改訂に伴い、英語学習をどう変えるべきか?
ここで矛盾めいた事を言うように聞こえるかもしれませんが、新しい学習指導要領になったからと言って特にこれまでの学習方法が大きく変わる事は無いと思っています。
ただし、これまでの英語学習とは一転し、学習量の比重は意識して変えるべきでしょう。
具体的には「品詞の完全理解」と「音読学習の習慣化」を中学3年6月までを目安に達成するべきだと思っています。
2-1.英語における品詞理解の徹底
品詞の理解はライティング・スピーキング能力アップに最も直結します。
英語の文章には厳密で細かいルールが定められています。
例えば『1つの文章に主語・動詞は原則1つ』『前置詞の後ろは必ず名詞』などのルールは有名でしょう。
そして、そうしたルールの核になっているのが正に「品詞」なのです。
英文には大きく名詞・動詞・形容詞・副詞の4つが使われていますが、「主語になれるのは名詞だけ」「名詞を修飾できるのは形容詞だけ」など品詞ごとに細かいルールが定められています。
なので英文を作る時は
次に動詞を用いて、
後は動詞の後ろに名詞を持って来ないといけないけど、今回はその代わりに動名詞を用いるか!
などの様に品詞を意識しながら単語を組み立てなければなりません。
しかし、この「品詞」という単元は受験に必須のスキルでありながら、学校で取り上げることはほとんどありません。
恐らくこの記事をご覧になっているあなたも「英語における品詞」の授業を受けた記憶はないのではないでしょうか?
しかし、品詞を理解する力が無ければ、英文はすぐにぐちゃぐちゃになってしまいます。
例えば、She looks enjoyという文を作ったとして、
ここではlooksの後は形容詞しか入らないし、そもそも文章において動詞は原則1つだけだよ?
と説明しても、
となってしまいます。
品詞は種類を覚えるだけでなく、単語ごとに品詞を識別する力も同時に問われます。
ですので、品詞を覚えてから今までに学んだ単語の品詞を初めから覚え直すのではあまりに非効率です。中学2年生・3年生の初めから品詞を徹底して学んでおきましょう!
2-2.絶対に外せない音読学習
私は中学・高校・そして大学と色々な先生から英語の授業を受けてきましたが、全員口を揃えて言っていたのが「Read aloud(声に出して読みなさい)!」でした。
そしてそれから10年近く経った今でも古今東西多くの先生が音読学習を進めています。もちろん私もその内の1人です。
ではなぜ音読学習が重要なのでしょうか?
それは「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の英語4技能の力を最も効率的に伸ばす事が出来るからです。
それは音読のやり方を追えば分かります。
① 自分が特に読めなかった英語長文をピックアップ
② 分からなかった単語や文章の和訳を完璧にする
③ CDで英語を1文ずつ流し、アクセントや発音を真似をして音読してみる
④ 慣れてきたらCDなしで全文音読をしてみる
⑤ 音読をする際には構文・意味を意識しながら毎日5回は音読する
⑥ 1つの長文を30回ほど合計して音読出来たら次の長文に移る
※詳しい音読法は気軽にお問い合わせください!!(^^)!
ご覧の通り英語の音読は、「リーディング」、「リスニング」、「スピーキング」を1回の動作で全て行っているのです。
また1つの長文を30回完璧に音読し終えた頃には、多くの単語や英文を覚える事が出来ています。
そして暗記した単語や英文は結果的に「ライティング」でも活用できるのです。
総合すると、音読は和訳力・速読力・英文解釈力など英語の総合的な力を一挙に得ることが出来るのです。
音読は古今東西で培われた言語学習の基本です。
大学受験の時ですら、私は単語帳と音読しかしておりませんでした。
早いうちに音読学習を習慣化し、英語の力を日常的に伸ばしていく事をオススメします。
3.まとめ
以上が学習指導要領の改訂に伴う英語学習の考え方でした!
・品詞の徹底理解&音読学習を優先して取り組むべき
もちろん、ここに挙げた「品詞の徹底理解」「音読学習」以外にも「リスニング」「スピーキング」の対策は必須になってきます。
しかし「リスニング」「スピーキング」の訓練を行う準備として今回挙げた2つのトレーニングは欠かせません。
英語学習は早いうちから始めるほど、結果を出しやすい科目です。
油断せずに今の内から着実に力を付ける準備を始めましょう!(^^)!
※中学1・2年生は受験学年よりも更に少人数制のため、受け入れ可能定員が少なくなっております。
空き状況についてはお気軽にお問い合わせください。