【傾向】全九州模試(昴模試)ってこんな模試!【対策】

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全九州模試を受験しよう!

 

こんにちは。郷中塾の平です。

部活も引退して、「そろそろ本腰入れて受験勉強に臨もうかな…」と考え始めた人も多いと思います。

『現状の学力』と『志望校の合格ライン』とのギャップを把握する手段としては、対外模試のような受験数やデータが豊富なものが有用です。

今回はそういった模試の中で『全九州模試(昴模試)』がどのような模試であるのか、傾向とその対策方法ついてお伝えしたいと思います。


塾長
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1.全九州模試の特徴

全九州模試ってどんな模試?昴主催の全九州模試は、鹿児島県内では教育振興会主催の『統一模試』に次いで、受験者数の多い模試です。

毎年4月頭、5月末、8月末、10月末の計4回行われています。
(※非受験学年は1月頭にもあるので計5回です)

各志望高校ごとに偏差値合格ラインというものが設けられており、その偏差値の点数を1点越えるとB判定(80%合格ライン)という判定が出ます。

模試の総点をもとに偏差値を算出し、鹿児島県立高校の判定も出ていますが、問題傾向や配点バランスを考えると鹿児島県立高校入試に寄せたものではなく、どちらかといえば私立の入試問題に近い形式です。

じゃあ鹿児島県立高校入試に近い形式の模試はないってこと?
鹿児島県立高校入試に寄せたものとしては『鹿児島県模試』という中3生を対象とした模試が、毎年9月と1月に行われています!

(※誤解されている方が多いですが、全九州模試は申し込みを行えばどなたでも受験可能な模試です!)

2.各教科の傾向と対策

全九州模試(昴模試)の出題傾向
全九州模試は出題傾向のある模試なので、しっかり対策をして臨めばある程度の点数の底上げが望めます。

それでは、配点や出題傾向について、各教科ごとに見ていきたいと思います。

2-1.(Ⅰ)国語

出題傾向を掴むべし
全九州模試の国語は、大問ごとの「記号選択問題」と「記述問題」の配点が同じであるところが特徴的です。

鹿児島県内で同じ配点の傾向にあるのは、『鹿児島高校』や『樟南高校』の入試問題で、鹿児島県立高校入試とは記述問題と記号問題の配点が大きく異なります。

鹿児島県立高校入試では、記述の配点は記号問題よりも高くなっています。

また、大問4の文法問題が100点満点のうち18点を占めるのが特徴的です。

こちらも『鹿児島高校』や『樟南高校』が文法問題の配点を20点としているため、傾向としては特定の私立高校の入試問題に似ていると言えるでしょう。

ちなみに鹿児島県立高校入試では、文法問題の配点は90点満点中2点です!
2点!?
全九州模試とは全然配点が違うんですね!

2-1.(Ⅱ)国語の対策

それぞれの特徴は?

大問1の評論問題については鹿児島県立高校入試と異なり、記述問題の配点が他の記号問題と変わらないため、テスト本番の際に記号問題にかける時間を無理に減らしてまで、じっくりと解答作成をする必要はありません。

しかし、問題のレベルとしては記述解答作成の際に必要となる箇所が一箇所に固まっていることが多いので、難易度はそれほど高くありません。
(※鹿児島県立高校入試における記述の難問は、解答作成の根拠が本文中の一部分に留まらないことが多いです。)

直近2回の全九州模試においては、配点27点のうち平均得点率が15.6点、15.3点と、2回とも大問内での得点率が60%を切っているため、他の大問である程度得点することを前提とすると、この大問でどれだけ取れるかが大きく総点に影響を与えます。

穴埋めや選択の語彙問題も出題されましたが、そのためだけに語彙の学習に時間を割くのは効率的とはいえません。

ポイントとしては問題演習で解答を選ぶ際に、根拠となる箇所を明確に示せるようにしましょう。

私は本文中のこの部分を読んで、私ならこうだな~って思いました!

という解答の選び方をする生徒もいますが、基本的に国語の解答作成は主観を排除して本文に根拠を求めましょう。

 

大問2、3については出題範囲が実施回によって異なります。

大問2は1,2,4回は小説文、3回は随筆文が出題されます。

随筆文は文学的文章という扱いにはなりますが、どちらかというと説明文に近い内容になります。

随筆文は評論と比べると読みやすいものが多いですが、小説は難問が出にくいため比較すると若干難易度が上がるように思えるかもしれません。

 

大問3の古文は1,3,4回は古文、2回は漢文となっています。

難易度については他の大問と合わせて調整されますので、過去6回58~66点の幅に収まっています。

古文だから平均点が高く、漢文だと平均点が低いということはないということです。

中学校学習範囲の古文については、古文単語の知識が必須とされていない問題がほとんどであるため、注釈と問題を利用すればある程度話が理解できるように作られています。

特に大事なのは注釈で、それが無いと話が理解できないため、わざわざ載せられているのです。

時間がないんだから、注釈なんて読んでいる暇ないです!

たまにこういう事を言う生徒がいますが、注釈を一切読まずに問題を解こうとすると、本文の内容をよく理解できず、結果的により長い時間を解答に要してしまいます。
古典の注釈は必ず読むようにしましょう!

また、試験終了後や問題演習後には、必ず解答・解説の「全文現代語訳」を読み込むようにしましょう。

古文・漢文を読むたびに、現代語訳と照合を行い、どのようなストーリーで、「その文章を通じて筆者が伝えたいことは何だったのか」を必ず確認するようにしましょう。

 

大問4の文法問題は文節数、単語数、活用の種類、活用形、品詞名などが聞かれます。

他に漢字の画数や助詞の識別も過去2回は出ていますが、上記のものはほぼ毎回と言っていいほど聞かれるものです。

特に「活用の種類」と「活用形」は、確実に答えられるようにしておきましょう。

2-2.(Ⅰ)数学

数学は一問一問の配点が高い!

大問1,2の小問集合だけで、64点分の配点があります。

大問3,4,5は単元別、あるいは複合型のもので、配点はそれぞれ12点ずつです。

1問あたりの解答時間が他の教科に比べ最もかかることもあり、問題数が少なく、1問あたりの配点が一番大きいのが特徴です。

また、鹿児島県における公立入試、私立入試では小問集合や各大問の前半部分が3点、後半の記述問題や難問等が4点という配点であるのに対し、全九州模試は記述問題を含まないこともありますが難易度と配点が逆転しています。

そのため、「難易度の高い問題の正答率を上げること」よりも、「基本問題をいかに落とさずに取りきるか」、というところが重要となってきます。

2-2.(Ⅱ)数学の対策

Be careful
前述の通り、数学は小問集合の配点が非常に大きいため、大問1と大問2の得点率をとにかく100%に近づけることができれば、大きく総点が上がります。

特に大問1は「連立方程式」と「作図」、大問2は「確率」と「データと資料の活用」の固定問題であるため、単元としては確実に押さえておく必要があります。

「円の体積や表面積」「円錐の中心角と表面積の関係」など、公式を覚えていることが前提の問題もありますので、そこも覚えているか不安な人は受験前に確認しておいたほうがよいでしょう。

計算ミスが中々無くならない人は、計算過程をしっかりと残して、どういう部分からミスが生じているのか復習の際に特定できるようにしましょう。

 

また、大問3は平面図形、大問4は1次関数、大問5は空間図形となっています。

中でも得点源になりやすいのは大問4の1次関数で、「直線の式(傾き含む)」「2直線の交点」「直線の作る図形(三角形or四角形)の面積」は、ほぼ毎回出題されています。

難易度が上がる際は、面積を求める部分が軸を中心として回転体であることが多いので、円錐や柱の求め方も確認しておきましょう!

この大問4は小問集合以外の問題の中では、『出題傾向が明確かつ対策が有効』なので、必ず解き方をおさえて全九州模試に臨みましょう。

大問5の空間図形にも切り口問題等、出題頻度の高いものがありますが、難易度が高くなりやすいため、小問集合以外は「1次関数」から手をつけるのが有用でしょう。

2-3.(Ⅰ)英語

英語の本
大問は4つの構成でそれぞれ、リスニング、文法・語彙(対話文、英作文含む)、対話文読解、長文読解となっています。

大問2の英作文は「対話文の中に3箇所、会話が成り立つように英文を入れる」というものです。

この英作文の配点が4点×3の12点分あるのが、かなり大きいです!

2-3.(Ⅱ)英語の対策

勉強のコツ!

他の大問と比較して、大問1のリスニングが毎回正答率が一番高くなるため、平均正答率を下回ってしまう人はリスニングの対策から始めましょう。

問題を解く前に選択肢の絵の違いに印をつけたり、英答の選択問題の動詞の部分に丸をつけるだけでも、判断のしやすさが変わります。

音声に合わせて問題を追っていく方法では間に合わないことを前提に、問題を解く練習をしましょう。

 

大問2の語彙の問題は、入る箇所の品詞を意識するだけでも埋めやすくなります。

常日頃から「文中の単語が名詞なのか動詞なのか(主語なのか動詞なのか)」というように、文型を意識して読むようにしましょう。

英作文については、「助動詞を含む肯定文」「依頼の疑問文」が頻出です。

稀に「疑問文に対する応答」や日本語の訳を見て「接続詞を含む英文を作る問題」も出ますので、基本的な接続詞、助動詞や疑問文の作り方はマスターしておきましょう。

 

長文読解の対策としては、「文法と語彙の知識」に加えて「読解スピードと指示語の理解能力」が求められます。

長文の点数に伸び悩む生徒にありがちなのは、解答根拠になる部分の文章を、日本語に訳さないままに何となくで理解して、解答を作成してしまうことです。

音読がよく推奨されますが、意味をしっかりと理解できていないままに声に出して読んでも理解は深まらないので、まずは日本語訳を作るところからはじめてみましょう!

2-4.(Ⅰ)理科

理科実験

大問7~8題で構成されています。

鹿児島県立高校入試では大問1が小問集合ですが、全九州模試は各大問ごとに単元が分かれています。

そのうち4問程度が「単元の知識を前提とした計算問題」となります。

また、国語と同じく、記述問題の配点が他の記号や語句問題と同じです。

他の科目と比較すると平均点が高く出にくいため、得点源にできる科目とは言い難いですが、逆に言えばその分ライバルと差をつけやすい科目でもあるといえます。

2-4.(Ⅱ)理科の対策

単元ごとに狙い撃ち
理科はとにかく出題範囲が広いので、単元ごとにまとめて復習を行うのが効率的です。

中3の過去6回の大問ごとの正答率を見ると、「火山と岩石(2021年第4回)」「植物のはたらき(2022年第1回)」「光合成(2021年第2回)」「蒸散(2021年第1回)」「物質の性質(2022年第1回)」の5つの大問は、正答率が77%を超えています。

理科が苦手な生徒は、上記の範囲の問題は確実に点を取れるよう復習しておくのがよいでしょう。

また、それに対して正答率が40%代を複数記録しているのが、「電気」「光」「天気」「化学反応(酸化銅)」の4つとなります。

そうそう…
その単元、苦手なんですよね~…

このように、「分かっているけど、対策を後回しにしている」という人は、少しでも早く取り組み始めることをお勧めします!

出題回によっては類似問題の少ない問題や、ややマニアックな知識を問う問題も出たりしますが、「U字型磁石を用いた実験」や「凸レンズを利用した問題」は典型問題ですので、問題集等を使って『解き方』を定着させましょう!

2-5.(Ⅰ)社会

日本地図
第3回までは大問4題構成で、世界地理、日本地理、歴史が時代区分を分けて2題出題されます。
(※第1回は室町までと明治まで、第2回は江戸までと大正まで、第3、4回は近世までと近代以降という形で区分されています。)

そして、第4回のみ大問5問構成となり、公民の日本国憲法までの範囲が大問として1題追加されます。

社会は語句・記号問題が2点、記述問題が3点となっており、国語や理科異なり、「記述問題」の配点が「語句・記号問題」に比べてやや高くなっています。

2-5.(Ⅱ)社会の対策

一問一答集で得点底上げ
世界地理については、頻出なのは時差の問題です。

他にも日本地理を含めて、「気温と降水量のグラフ(雨温図)」を選ぶ問題がよく出ます。

また、世界地理と日本地理に共通しているのは、地名などの語句の問題が一定数出題されるということです。

河川や山脈の名前や重要語句については、知っていればそれだけで得点源になるので惜しまず覚えましょう!

出題された問題の訂正を重ねていくより、用語については一問一答の問題集を用いて、頻出のものをまとめて覚える方が効率は良いです。

語句以外の問題については、「資料の読み取り」が多いです。

前提知識を必要とする問題もありますが、中にはグラフから読み取れることを言葉として書くだけで得点になるものもあるため、必ず演習をして得点源にしましょう。

「これかなぁ…」ってのはあるけど、確信が持てないし、どうせ間違っているもん…

という思考で、解答欄を埋めずに白紙で出す生徒がいますが、記述は必ず何か書くようにしましょう。

練習しないことには書けるようにはなりません。

 

歴史については「文化や人物名」などの基本的な問題や「戦の起こった場所や港」などが問われます。

これらの用語は一問一答のような形式で、時代ごとに一気に確認するのが効率が良いです。

「万葉集」や「古今和歌集」といった作品集の時代や「自治組織」、「農村の様子」を選ばせる選択問題は頻出です。

また、「年表やカードが提示され、特定の期間に起こった出来事を選ぶ問題」や「それらを並び替える問題」も出ます。

時代の流れから考える方法も取れますが、頻出の年号は決まっているので、語呂合わせで覚えてしまうのが良いでしょう。

また、問題によっては漢字指定の問題もあるので、日頃から解答を漢字で書くようにしましょう。

テスト本番の際に自信がないのにもかかわらず、漢字で書いてバツをもらうくらいなら平仮名で書いた方が良いですが、問題で指定された場合は書かざるを得ません。

日々の勉強から漢字で書くことを意識して学習しましょう。

直近の鹿児島県立高校入試でも、漢字指定の問題が出題されています!

3.終わりに

受験勉強を応援!

簡単にではありますが、全九州模試(昴模試)の各科目の傾向や特徴について紹介しました。

対策として、どの教科にも共通していえることは、用語にしても解き方にしても、それらを『覚えなければ、使えるようにはならない』ということです。

せっかく受験するのであれば、しっかりと対策をして臨みましょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。