【国語が苦手な方へ】論説文の初歩的な勉強法
皆さんこんにちは。郷中塾の栗山です。
前回の記事で国語の克服方法について執筆しましたが、今回はその中でも「論説文」に絞ってお伝えしていきます。
「論説文」は国語の中でも特に勉強法が分かりにくい分野だと思います。小説の様に文章が読みやすい訳でも無ければ、古典の様にやればやるだけ上がるものでもないからです。
しかし、論説文が出来るようになれば文章の捉え方が分かり、他教科にも良い影響を及ぼしてくれます。
今回は論説文を特に苦手としている生徒(偏差値55未満を想定)に向けて、3つのポイントをお話していきます。
1.論説文のテーマに読み慣れる
数学に頻出問題が存在する様に、論説文にも頻出テーマが存在します。たとえば「言語論」「文化論」「環境論」「国際論」「科学論」など。
皆さんも論説文を解いていて「なんか、似たような文章を読んだことあるぞ…」と感じた経験があるのではないでしょうか?
日常生活で馴染みが無い事もあり、これらの論説文を初見で解こうとすると大変です。
しかし、あらかじめ同テーマの文章を読み慣れていれば格段と読みやすくなります。
もちろんそれだけでも効果があります。しかし、最初にある程度「背景知識」を理解しておく事は必須です。
「背景知識」とは文章を読む上で事前に知っておかなければいけない知識のこと。
たとえば「言語論」であれば、多くの場合「言語は具体的なものを抽象化・概念化する役割を果たしている」という一説が出てきます。
この情報を知っているだけでも読みやすさが全く違ってきます。
加えて「抽象化」「概念化」の意味をそもそもイメージできなければ、何を言っているのかサッパリ分からないと思います。
このように論説文には最低限知っておいた方が良い知識があるのです。
前提知識はすぐに身に付くものではありませんが、分からない用語は細目に調べたり、先生にテーマ概要を説明してもらう様にしましょう。
2.筆者の主張と「それ以外」を意識して区別する
当たり前ですが、論説文とは筆者の主張(=本当に読み手に伝えたいこと)を読み解く学問です。
著者である経済人、政治家、大学教授などは日ごろから社会に対する不平不満、問題意識を持っており、本を通じて読者に自分の考えを伝えたいと強く思っています。
しかし、自分の考えをひたすら主張しても聞いてくれる可能性は少ないです。自分の考えは相手に聞いてもらわないと意味がありません。
そこで筆者は大きく2つの武器を論説文に持ち出します。それはに前提知識(≒客観的事実)と具体例です。
前提知識とは、文章を読む上での参考知識です。
たとえばこれから「地球温暖化が及ぼす影響」の話をしようとしてるのに、読者が地球温暖化をそもそも知らなければ全く話が通じません。
そういう事態を避けるために、わざわざ背景を書いてくれる場合があるのです。
具体例とは、体験談やエピソードなど「例」の事です。曖昧な表現や文章を相手にイメージしやすくするために用います。
つまり、ざっくり言えば文章は「主張」と「前提知識・具体例」で構成されているのです。
そして問題の中心になるのは言わずもがな「主張」です。
筆者の「主張」部分を把握しなければ、「前提知識・具体例」が何のために用いられているのかも把握できません。
段落ごと、そして文章ごとに筆者の主張とそれ以外に区別して読む癖をつけてください。そうすれば問題の答えが潜んでいる箇所を探しやすくなります。
3.接続詞を細かくチェックする
最後に行って欲しいのが「接続詞」のチェックです。恐らく、に論説文対策で最も簡単に点数が上がるのが「接続詞」です。
「接続詞」とは、「しかし」「つまり」「なぜなら」「だから」「たとえば」など、文章のつなぎ目や冒頭に用いられるキーワードです。
それは接続詞を見れば、前後の文章がどのような役割をしているのか簡単に分かるからです。
たとえば、「私は〇〇だ。しかし、今日は珍しく昼まで寝てしまった。」という文章があったとします。
ここでは接続詞に「しかし」が用いられています。「しかし」の前後は逆説関係になるので、〇〇には「普段は朝起きだ」などが入ることが想定されます。
このように接続詞の役割を知っていれば文章の繋がりを把握しやすくなります。
問題では、下線部やその前後に必ずと言っていいほど接続詞が用いられています。接続詞は必ずチェックし、問題に活かすようにしましょう。
4.まとめ
以上が論説文の考え方のお話でした。
・筆者の主張部分とそれ以外を区別する
・接続詞を細かくチェックする
論説文を皮切りに国語の成績を頑張って上げていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。