意外と見落としがちなインプット・アウトプットの考え方
皆さんこんにちは。郷中塾の矢野です。
突然ですが、皆さんはインプット・アウトプットという言葉をご存じでしょうか?
簡単に言うと、インプットとは「記憶をすること」で、アウトプットは「思い出すこと」です。
受験勉強においても社会や英単語、理科の暗記分野など勉強をする中で覚えなければならないことはたくさんあります。
暗記科目や暗記分野は覚えていなければ試験で何も答えることはできませんし、逆に覚えてさえいれば誰でも得点源にすることができます。
試験で安定した高得点を取りたいのなら、この暗記分野を制する必要があります。
という事で、今回はどうすれば効率よく暗記分野を勉強することができるのかについてお話していきたいと思います。
1.まずはインプット
先ほど言いましたようにインプットは「記憶をすること」です。
そもそも覚えていなければ試験で回答用紙に答えを書くことはできませんから、インプットはアウトプットをするための大前提です。
ですので、まずはインプットの精度が求められます。恐らく多くの人がインプットには反復演習が必要だという事は知っていると思います。
しかし、反復演習と言うのはあくまで量(=時間)の話。教科書や参考書をだらだらと読み進めるなど、1回1回の質が悪ければ不必要に何度も反復する羽目になってしまいます。
そういう方のために簡単に取り組める暗記のコツをご紹介します。
1番手っ取り早い方法は音読して覚える事です。
恐らく多くの人が目で見ながら(視覚)用語を覚えていると思いますが、それに呟きも加えていきます。
たとえば、英単語であればただ目で見て覚えようとするのではなく、発音しながら(余裕があればスペルも書きながら)覚えるようにします。音に出す事で脳の意識が働きますし、自分が発した声を耳で聴きとる事ができます。
恐らく皆さんも日々学習する中で、1度は先生から「音読をやりなさい」と言われてきたと思います。先生たちも多くの生徒の学習事例を見る中で、音読が大きな効果を及ぼすことを公式化しているのです。
大きな負担にはならないので、1度騙されたと思ってやってみてください。
次に、重要なのが関連付けてインプットする事です。
例えば先ほどの英単語であれば単語だけではなく、例文と一緒に覚えることでその単語がどういう場面で使われるのかを知る事ができます。
もしくは歴史であれば、「この出来事が起こったからこの事件が起きた。そしてこの法律が作られた。」というように流れを押さえて読めば要領よく学習できます。
とは言っても難しいと思うので、流れの掴み方が分からない人は1度先生に聞いてみてください。
歴史であれば、学習用漫画を読んで全体像を理解するなど「どうやって流れを掴むべきか」先生ごとに答えを持っていらっしゃいます。
最後に、時間を決めてインプット作業を行うことを意識しましょう。
インプットだけに時間を取られていては、アウトプットの時間を確保することが難しくなりますし、だらだらと暗記をするのはとても効率が悪いです。
しかし、何も知らない状態でいきなり問題を解くことはできませんから、
「この単元を10分で理解する!」
「5分このページを読んだら問題を解いてみる!」というように決められた時間の中で要点を押さえ、集中して取り組みましょう!
2.ここで差がつくアウトプット
インプットで脳に定着させた知識をアウトプットしていくのですが、そもそもアウトプットというのはどうやってすればいいのでしょうか?
一番手っ取り早い方法は「問題集などで演習をする」ことです。なぜなら演習を行うことで実際の試験に近い問題をこなすことが出来るからです。
スポーツで言えばインプットは日々の練習で、アウトプットは試合です。正に問題集はその試合の役割を担ってくれているのです。
私自身の話をすると、高校のときの世界史の試験のときにアウトプットの大切さを知りました。高校生のとき、試験前に世界史の勉強時間は確保しているはずなのに思ったより成績が伸びませんでした。そのときの私の勉強法は教科書の大事なワードを赤ペンで引いて、緑色のシートで隠すというやり方でした。
しかし、あるとき全く使っていなかった問題集を解いて試験に臨んでみたところ、今まで取ったことがないくらいの高得点をとることができたのです。そのときの私は「問題集を解くだけでそんなに点数が上がるのか」と素直に驚きました。
演習では用語だけではなく、出来事の流れや背景、そして考え方を必ずと言って良いほど絡めていました。実際に問題集を解いてみると用語しか暗記していない私は全然解けず、何回もそのページを繰り返して解き、そのおかげで問われ方が変わっても試験で得点につなげることができたのです。
このように問題演習は最適なアウトプット方法なので実践してみてください。
最後に伝えたい最強のアウトプット法は「何も見ずに人に説明をする」ということです。
しっかりとインプットがされていなければ説明をすることはできませんし、ただの丸暗記ではなく頭の中で整理されていなければ人に説明することはできません。
ですから、人に説明ができるということは、脳に知識が定着しており、頭の中で整理をして、自分の言葉でまとめることができるということになるのです。
これができれば、あなたは本当に知識を定着させ、自分のものにできたと言えるでしょう。
3.これで暗記はカンペキ…?
インプットとアウトプットについて説明してきましたが、これで暗記を制することができた!とはいきません。人間は忘れる生き物だからです。
たとえばエビングハウスの忘却曲線というものがあります。これは人間が時間とともにどれくらい忘れていってしまうのかを表したグラフです。
そのグラフによると、人間は覚えた記憶を20分後にはすでに42%も忘れてしまっており、1日経つと67%忘れ、6日後には75%忘れ、1ヶ月後には79%忘れるそうです。
この考えが必ずしも正しいかどうかは検証が必要ですが、時間と共に以前の記憶が薄れていくのは誰しも感じるところだと思います。
ですので、記憶に定着させるためには定期的な復習は必ず行わなければなりません。
たとえば、ある研究結果によると学習後1日以内に10分の復習をすると記憶は100%に戻り、次に1週間以内に5分すればまた100%近くまで記憶は戻り、その次に1ヶ月以内に2~4分復習すればまた復活すると言います。たった10分くらいの時間を何とかして見つけることができれば、頑張って定着させた記憶は自分のものになるということです。
ぜひこのエビングハウスの忘却曲線を意識して復習の時間を確保するようにしてほしいと思います。
4.暗記科目を味方につける!
暗記科目はやったか、やらなかったかです。
そもそも知識として知らないことは試験中どんなに頑張って考えても答えは出てきません。
知っている人が高得点をとることができるのです。
ということは、暗記の仕方さえマスターすれば誰でも高得点をとることができるということでもあります。効率的に暗記をすることができれば暗記科目にかける時間が短くなり、他の教科にあてる時間が増えることになります。
結果的には、総合的に点数も上がっていくので暗記の仕方を見直すのはとても大切です。
皆さんもインプット、アウトプット、復習の時間を意識した暗記方法を探してみてください!