【高1生向け】化学における理論分野の重要性

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科学者

こんにちは。郷中塾の佐々木です。

今回は化学の理論分野について話していこうと思います。

化学の中でも理論分野というのは、化学を学ぶ上での基礎となる非常に重要な科目です!

まだ化学を習っていないという高校1年生で

化学ってよくわかんない…
化学についてどんな教科か知っておきたい!

という人はぜひ目を通してみてください。

1.化学って何を学ぶの?

中学校との違いを考える女子高生

まず、化学についてまだ何もわからないという人向けに、簡単に化学の大まかな学習内容について紹介します。

一言に化学といっても、その範囲は広く、いくつかの分野に分類されています。

大きく分けると今回メインに話していく『理論分野』、その他に『無機化学』『有機化学』の3つに分けられています。

・理論化学は、「原子の結合」や「化学反応の速さやその時に生じるエネルギー」など、化学全体の基礎となる分野です。

・無機化学は、無機物についてその特徴や性質を詳しく学習する分野です。

・有機化学は、有機物について特徴や特にその構造式について学習する分野です。

また、その中でも今回お話しする理論分野は「原子」や、「化学反応とエネルギー」「物質の状態」「化学平衡」などさらに細かく分類して学習します。

内容は中学の理科で学習したものの応用から、あまり聞き慣れないものまで様々です。

また、多くの高校では初めに『理論分野』を学習し、その次に『無機化学』『有機化学』という順番に勉強していきます。

つまり、これから化学を習うという人は『理論分野』から学習がスタートすることになります!

2.理論分野が重要な理由

迷っているうさぎ

ここからは理論分野がどうして重要なのか、いくつかの視点から紹介していきたいと思います。

2-1.無機化学・有機化学とのつながりが大きい

まず、他の二つの分野(無機化学、有機化学)とのつながりという視点から見ていきます。

理論分野は、化学を学習していくうえでの全てにおける基礎的な内容であり、その単元自体が重要なだけでなく、無機化学や有機化学を学習していくうえでも重要な分野になります。

なぜなら無機化学や有機化学と深い関係があり、理論化学が十分に理解できていないと、後々に学習する分野についてもよくわからなくなってしまいかねないからです。

昨年の共通テストでは、無機化学分野での問題では「電気分解」や「化学反応式」など、理論分野の理解がないと解けない問題が出題されていました。

また、有機化学に関しても同様に「化学平衡」など、理論分野の理解が必要とされる問題が出題されました。

この例を見ても分かるように、理論分野は他の二つの分野とは切っても切り離せないほど密接な関係があります。

2-2.入試問題を理解できなくなってしまうかも!

次に、入試問題という視点から考えていきます。

受験においてしばしば、

化学は暗記科目だ!

という言葉を耳にします。

確かに化学は公式が多く、周期表や元素単位などもたくさんあり、覚えなくてはいけないことが多いのは事実です。

しかし、だからと言って、化学は単純な暗記科目とは限りません。

入試レベルになればなるほど、理論分野での「公式の本質」や「単位の意味の理解」が必要であり、問題を解く上で数学や物理のように考えなければ解くことが出来ません。

例えば、定期テストなどで出題されるような基礎から標準のレベルの問題であれば、丸暗記した「知識」だけで解くこともできてしまうでしょう。

しかし、高校3年生になり、入試に近いレベルの問題になるとそうはいきません。

なぜなら、身に付けた「知識」にくわえ、公式などの理解が必要になってくるからです。

これは難関大学の問題であればあるほど、理解しているかの差が顕著に表れます。

理解していないと計算式が立てられなかったり、問題の意味を理解できなかったりするからです。

そして、その公式や根底にある考えを学ぶのが理論分野です。

そのため、理論分野の理解が十分でないと、入試問題を解く際にも苦労することになります。

難関大学を目指す人ほど、より理論分野の理解が重要になってくるといえるでしょう!

3.なぜ高校1年生の今なのか

先を見るうさぎ

ここまでで理論分野が重要なことはわかったけど、なんで高校1年生の今、理論分野の重要性について知らなくてはいけないの?

と思う人も中にはいるかもしれません。

これに対する私の答えは、『最も重要な理論分野を化学の一番初めに学習するから』です!

先程もお話しした通り、理論分野は化学の全ての基礎となる分野です。

高校2年生から始まる理論分野の授業をおろそかにしてしまうと、その後に学習する内容も理解できなくなってしまい、授業についていけなくなってしまいます。

「化学が苦手!」「化学が嫌い!」という人の多くは、この理論分野が理解できていないことが原因のように感じます。

そうなってから後々、理論分野の重要性に気付いて後悔しないためにはどうすればよいでしょうか?

それは、これから始まる理論分野の授業を特に集中して受けることです。

そして今高校1年生の皆さんは、高校2年生になってから化学の理論分野をおろそかにしないよう、今のうちから理論分野の重要性を理解しておくことが重要です。

4.理論分野の理解を深めるために

深く理解しようとする柴犬

理論分野を理解するためには、ただなんとなく授業を聞いているだけではいけません。

では、どんなことに注意すればよいのでしょうか?

1.用語や単位を理解する

まず重要なのは、『問題や教科書に出てくる用語や単位を、人に説明できるくらい理解する』ということです。

例えば、英語の文章を読むときに文章に出てくる単語の意味がよくわからないと、その文章を理解することは難しいですし、ましてやその文章を読んで問題を解くなんてできないですよね?

化学も同じです。

用語や単位を理解していないと、文章を読んだ時の理解度が半減してしまいます。

授業中や授業後にわからない用語や単語は確認するようにしましょう。

 

2.「なぜ」「どうして」という疑問を常に持つこと

公式を学習する際もただ覚えるだけではなく、「なぜその公式が成り立つのか」を考えて理解することが重要です。

また、自分が既に持っている知識と関連付けることで、より理解が深まります。

例えば、「ドライアイスを常温で放置すると、二酸化炭素に変わる」ということは皆さん知っていると思います。

しかし、なぜ水のように『氷→水→水蒸気といった個体→液体→気体のような順番』ではなく『個体→気体』と変化するのでしょう?

このように自分の持っている知識と関連付けながら、疑問をもって勉強することで、より理解が深まっていくと思います。

まとめ

まとめ
・高校化学は大きく分けて『理論化学』『無機化学』『有機化学』の3つ。

・理論化学は高校化学の学習における基礎となる。

・理論化学を理解していないと「化学が苦手」になってしまう可能性大。

・単純暗記ではなく、意味を理解するように努めよう。

今回は高1生向けに、少し先回りして記事を書きました。

理論化学を学習中の高2生は、その重要性を理解したうえで学習に取り組んでください!

「理科は受験学年になってから…」というような考えは大学受験では通用しません!
1年生のうちから、きちんと定期考査にも力をいれましょうね!!

最後までお読みいただきありがとうございました。