【How much 九州大学?】バイトと奨学金で学生生活は可能なのか?【収支公開】

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こんにちは、郷中塾の宮園です。

6月に入り、部活動をしていた高校3年生は引退して本格的な受験勉強が始まっているかと思います。

 

今まで学業に関連するお話しが多かったと思いますが、今回は毛色を変えて、みなさんが気になる「大学のお金事情」についてお話ししたいと思います。

正直とっても気になります。

九州圏内最難関の大学である『九州大学』に関する支出と収入の2つを軸に、お金事情についてお話ししますので、ぜひ最後までお読みください!

1.学費と必要経費

まずは学費から確認していきましょう。

さて、国公立大学の学費はいくらかご存じでしょうか?

ネットで検索するとすぐにわかると思いますが、

入学金   282,000円
・前期授業料 267,900円
・初回納入額 549,900円

では、それ以外に何がかかるでしょうか?

え?学費以外に何か費用がかかるんですか?

大学生になると必須なのがパソコンですね。
単位取得に必要なレポート提出はネット経由が大半となり、感染症蔓延後はリモート授業も本格化しました。

ちなみに、大学側から入学時に、いわゆる『生協パソコン』と呼ばれる各大学仕様のパソコンが15〜25万円で販売しています。

「市販のパソコンだと大学で使えない」ということはありませんが、レポート提出や卒論のデータ集計などではOfficeが必須だったり、リモート授業ではインカメが必要だったりしますので、市販のパソコンを購入する際は注意しましょう。

生協パソコンは、市販のパソコンよりも値段が高い代わりにサポートが充実しています。
私は学生時代に市販のパソコンを購入しましたが、PC内蔵カメラが付いてなかったので外部取付できるカメラを使っていました。

あとは教科書代ですね。
学部学科や使用期間によって異なりますが、だいたい1冊2,000〜4,000円程度です。

1週間のコマ数などで必要な教材量が変わりますが、およそ2〜4万円を想定しておきましょう。

私は教科書を手に入れるときは、サークルやバイト先の先輩から教科書を譲ってもらう、またはフリマアプリで購入するなど、できるだけ安く手に入れていました。

結果、学費含めた必要経費を算出してみましょう。

・入学金   282,000円
・前期授業料 267,900円
・パソコン代 150,000円
・教科書代  30,000円
・合計支出額  729,900円

パソコン代や教科書代など削れる部分はありますが、入学する際にはだいたい70万近くかかることがわかりました。

大学側と国側から、世帯収入やその他経済的状況によって初回納入額を全額・半額・1/4の3段階で減額する措置もあります。
合格したら一度申請してみるのも視野に入れておきましょう。

2.生活基盤の家賃

学費や必要経費以外にも、一人暮らしでは家賃が固定費としてかかってきます。

家賃は大きく分けると「学生寮」「アパート・マンション」の2つに分類することができますので、それぞれについてお話ししたいと思います。

2−1.学生寮の場合

学生寮というと何をイメージしますか?

古かったり汚かったり、正直いいイメージはないです…汗

学生寮=古臭いイメージ

を持たれている方もいらっしゃると思います。

 

しかしながら、九州大学の学生寮は清潔感があり、有人管理でセキュリティーが整っています。
その中でも一番ありがたいのは、敷金礼金がなく低家賃、そして家具家電付きという、費用面が挙げられます。

大学周辺アパートの家賃情報や家具家電などの情報は後述しますが、初期費用やランニングコストが抑えられるメリットは大きいですよね。

ただ、大学からちょっと遠い田舎にあるので、都会生活に憧れる人にとっては「ん?」となるかもしれません。

最後に、学生寮に入寮するときの費用を確認しましょう。

・預かり金 30,000円
・寄宿料  18,500〜25,500円
・共益費  4,500円

入寮時の倍率は1.5〜2.0倍ですので、必ず入寮できるとは限りません。必ずアパートやマンションへの入居パターンも想定しておきましょう。

2−2.アパート・マンションの場合

学生寮との大きな違いは、家賃・場所・間取りの3点が挙げられます。

まず、九州大学周辺の平均家賃は35,000~50,000円です。
家賃とあわせて敷金礼金や保険料など初期費用がかかりますので、入居検討時は確認しておきたいですね。

一般的には初期費用は家賃5〜6ヶ月分といわれています。
敷金礼金が0円だったり手数料が発生しなかったりなど、費用を抑える手段はありますので、いろんな不動産屋を見て確認するのが得策だと思います。

家賃は、築年数や大学との距離によって金額は大きく変わりますが、学生寮と比べると総じて高いのがデメリットです。

逆に、学生寮とは違って自由に場所を決められたり、間取りも細かい要望まで選べたりと、一人暮らしの醍醐味ともいえる物件選びは大きな魅力といえるでしょう。

 

アパート・マンションの場合は、家具家電の購入も必要になるので、追加の出費も確認しておきたいですね。

よく家電量販店などで販売されている一人暮らしセットは80,000円が相場となっています。
それ以外に細かい家具を購入すると10万近くするケースが多いです。

中古でもよければ安価で購入できますので、全て新品がいいという人以外は、中古品の購入も検討してもいいかもしれません。

自分の好きな家具に囲まれる生活とか楽しそう!

最後に、アパートやマンションに一人暮らしする場合の費用を確認しましょう。

・家賃   35,000〜50,000円
・初期費用 200,000〜300,000円
・家具家電 50,000〜100,000円

学生寮と比較すると金額が張りますが、

・緊急時の交通の便を確保するため
・兄弟が同じ大学に進学なる際に一緒に住むため
・学校外でのプライベートを守るため

など、色んなことを加味した上でアパートやマンションを選択する方もいらっしゃいます。

最低でも4年間を過ごす場所になりますので、学生寮とアパートを見比べながら後悔の無いよう決定していきたいですね。

3.食費などを含む生活費

さて、支出の最後は生活費ですね。
高校生はイメージしにくいと思いますが、いくらが妥当だと思いますか?

うーん、3万円ぐらいですか?

今回は一般的にいわれている金額として

・食費  25,000円
・光熱費 10,000円
・娯楽費 15,000円
・雑費  10,000円

余裕を持って過ごすには、およそ60,000円がかかります。

中には切り詰めて5万円以下で生活する猛者や、反対に10万円近くかかっている人もいるので、自分のライフスタイルと収入をうまく擦り合わせていくことが大事です。

生活費は一番節約しやすい費用になりますので、後述する奨学金やバイト代を鑑みて生活費を決めていきましょう。

4.支出まとめ

 

バイトや奨学金などの収入のお話をする前に、支出についてまとめましょう。

初回納入額(学生寮・アパート)は下記の通りとなりました。

 学生寮アパート
マンション
学費549,900円549,900円
必要経費
(パソコン等)
180,000円180,000円
初期費用250,000円
家具家電80,000円
家賃
預かり金
55,000円
合計初期費用784,900円1,059,900円

初回納入額がわかったところで、次は毎月かかる費用を確認しましょう。

 学生寮アパート
マンション
家賃25,000円45,000円
生活費60,000円60,000円
合計85,000円105,000円

この表から分かる通り、学生寮とアパート・マンションでは毎月2万円の金額差がありますね。
これを4年間で考えると、学生寮の方が96万円お得になることがわかりました。

このまとめで、今までぼんやりとしかイメージできていなかった部分がはっきり見えたと思います。
それでは、ここからは収入面についてお話ししたいと思います。

5.バイト

九州大学の学生はバイトで毎月いくら稼いでいるのでしょうか?

え、3万円とか…?

まさかのドンピシャですね!

令和2年度学生生活調査では、平均3万円ちょいでした。
これは週2〜3日で毎回4〜5時間ぐらい出勤している計算になります。

ただし、大手求人サイトのタウンワークでは平均5万円と記載されているので、3〜5万円程度だと想定しておけばいいでしょう。

 

そしてバイトも千差万別あり、
受験勉強の経験を活かしたいから、塾講師
コミュニケーション能力を鍛えるために、飲食業
土日だけ入る、イベントスタッフ

など、多くの学生が学業との兼ね合いの中、希望の給与に合わせて働いています。

平日3日と土日のどちらか1日をバイトすると毎月5万以上稼げる計算になります。
大体5万円稼ぐことができれば学業・サークル・バイトと多忙ですが、充実した学生生活を送ることができますよ。

6.奨学金

奨学金と聞くと『借金』というフレーズが連想される方も多いと思います。

テレビで奨学金の返済が苦しいって見たことあります。

ここからは奨学金の実情についてお話ししたいと思います。

6−1.適切な貸与金額

日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査」によると、奨学金を借りている人の割合は49.5%と、半数の学生が奨学金を借りながら学生生活を送っているのがわかりますね。

では、平均借入総額はいくらでしょうか?

うーん、100万円ですか?

同じく「令和2年度 学生生活調査」によると正解は約310万円で、4年間で割ると毎月6.5万円ということになります。

ちなみに、奨学金は給付型(返済が不要)貸与型(返済が必要)の2パターンがあり、貸与型には有利子と無利子の2種類があります。
基本的には貸与型有利子の申請が多いらしく、年利は0.5±0.1%と細かく変動しているようです。

 

では奨学金を申請するとして、いくらがベストでしょうか?

平均が6.5万円なので、もっと多いんですか…?

親御さんからの仕送りなどもあれば金額も変わりますが、毎月かかる費用は奨学金とバイト代でやりくりしているケースが多いようです。

なので、九州大学進学してアパート暮らしになることも考えて毎月5万円の奨学金が適正値なのかもしれません。

学費の分もフォローする場合だと、8〜10万円の借入が妥当ともいえるでしょう。ただし、貸与型奨学金は返済する必要があるので計画的に借入しましょう。

6−2.返済期間と返済金額

奨学金を返済するとなった場合、どれくらいの期間で毎月いくら返済する必要があるのでしょうか?

さっそく下の表をみて確認しましょう。

奨学金
(月額)
借入総額
(4年間)
返済額
(月額)
返済期間
20,000円96万円約8,200円10年
30,000円144万円約9,500円13年
50,000円240万円約14,000円15年
60,000円288万円約15,600円16年
80,000円384万円約16,900円20年
100,000円480万円約21,000円20年

奨学金の返済は、毎月だいたい1〜2万円と想定より高額ではありませんが、13〜20年と返済期間が長いのが特徴です。

金銭的余裕ができたタイミングで可能な金額を一気に返済する『繰上返済』で返済期間を短くすることも可能です。
実際に私も奨学金を借りて、繰上返済していました。

将来のための先行投資なのか、足枷となってしまうのか
むやみやたらに大金を借入することはもちろん、現実味のない少額での借入でも学生生活が立ち行かない場合もあるので、無理のない計画が一番だと思います。

 

詳しくは奨学金貸与・返済シミュレーションをご確認ください。

7.まとめ

今回は九州大学進学に関するお金のお話をしてきました。
今まであまり気にしていなかった部分かもしれませんが、どんな進路を取るにしても大きな金額は動いてしまいます。

さて、最後にタイトルにあったバイト代と奨学金だけで学生生活は可能なのかという結論ですが、

① 初期費用は手出しで約70万円が必要
(入学時に国や大学への初期費用控除の申請を試す価値あり)

② 学生生活だけなら、奨学金5万円バイト代5万円で可能
(テスト前や帰省などバイトできない時期は保護者の仕送りが必要になる可能性あり)

③ 保護者の負担は半期ごとの学費27万円程度
(奨学金で学費を賄う場合は、奨学金は8~10万円に設定すべき)

保護者からの仕送りがなくとも、一人暮らしにかかる費用は奨学金とバイトだけで十分に対応できることがわかりましたね!

この記事を見て勘違いして欲しく無いのは、
将来お金がかかるから無理に我慢してほしい訳ではなく、先を見据えて将来設計して欲しいと考えています。

何か我慢して志望大学に届かない・想定外の浪人など苦しい状態になるよりは、
高校生のうちは受験勉強に集中して第一志望に合格し、将来親孝行して恩返しするのが一番賢い選択だと私は思います。

素晴らしい未来を掴むために全力で頑張ってください!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。