鹿児島実業の出題難度&傾向と対策(国語)

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皆さんこんにちは!郷中塾の田中です。

前回、鹿児島実業高校の数学について出題難度&傾向のお話をしました。

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今回は鹿児島実業高校の国語についてです。傾向やその難度を分析し、どのような対策をとるべきかを考察したのでぜひご覧ください。

出題難度&傾向

鹿児島実業高校の国語は大問4つからの構成です。大問1は論説文、大問2は小説文、大問3は古典、大問4は国語常識となっています。

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大問1模倣論社会論哲学論現代論社会論
大問2現代小説現代小説現代小説現代小説現代小説
大問3説話集説話集仮名草子物語仮名草子
大問4国語常識国語常識国語常識国語常識国語常識

論説文・小説文・古典と鹿児島県立入試とほぼ共通の構成になっています。

以下に具体的な問題傾向をみていきたいと思います。

大問1(論説文・30点)

  • 文章傾向

テーマは各年幅広い分野から出題されています。特徴は、学生の将来に関するお話やコミュニケーションを扱ったテーマが多い事です。

例えば、2021年『まねる力』では将来の技能習得での心構えを、2019年『高校生のための哲学入門』では思春期ならではの世界との向き合い方を、2018年『希望のつくり方』では将来への希望の向き合い方について論述していました。また、2017年『「サル化」する人間社会』2020年『コミュニティデザインの時代』では社会との関係性を扱っていました。

総じて『社会論』や『将来設計』をテーマとした論説文がよく出題されると言えるでしょう。

  • 問題傾向

問題数は7~8問程度です。毎年、漢字の問題が10点分出題されます。それ以外にもことわざや語句の意味など国語常識を問う問題が1~2題出されます。他は記号問題・抜き出し問題が中心となっており、記述問題はほとんど出題されていません。

  • 大問1の対策

記号問題の難易度が比較的高めです。2択までは容易に絞り込めても、中々決定打が見いだせない問題が多くなっています。特に「文章中に書かれていそうだが、書かれていない」選択肢が際どく紛れ込んでいるので、冷静に文章との整合性を取りましょう。

大問2(小説文・30点)

  • 文章傾向

出題ジャンルは現代小説です。宮下奈都「羊と鋼の森」、重松清「おとうと」など近年発表された有名作品からの出題が多くなっています。最新の作品であるため、内容については中学生でも共感しやすいものとなっています。

  • 問題傾向

問題数は7~8問程度で論説文と同様に30点の高配点です。文法問題が1題、語句説明などの国語常識問題が約2題出題されています。問題はほとんど全てが記号問題となっています。

  • 大問2の対策

標準的な記号問題がほとんどです。心情描写問題が多いため、登場人物の気持ちを原因から遡り冷静に解き進めましょう。

大問3(古典・20点)

  • 文章傾向

古典は「説話集」「仮名草子」「物語文」から出題されています。県立入試の出題ジャンルがほぼ説話集である事を考えれば、珍しい傾向と言えます。文章難易度も高く、難解な古典文法や単語が使われています。

  • 問題傾向

問題数は6問程度です。現代仮名遣いの問題が必ず2題出題されています。それ以外は古典の内容理解に関する問題が中心ですが、近年は長文記述問題も出されており、比較的難易度は高くなっております。

  • 大問3の対策

近年は県立入試と問題構成が非常に類似しています。出題ジャンルとして「説話集」が連続して出されたり、問題構成に対話文が埋め込まれたりしています。

大問4(国語常識・20点)

毎年傾向は微妙に違いますが、資料や対話文を活用した問題が出題されます。「文法」「敬語」「ことわざ・慣用句」「漢字・熟語」「辞典の活用」から幅広く出題されています。特に言葉の使い方に関する問題が多く、標準的な一般国語常識を有していれば解ける問題がほとんどです。

まとめ

以上が鹿児島実業高校の国語の入試傾向・対策に関するお話でした。

まとめ
・論説文は「社会論」に関する出題テーマが多く記号問題の難易度は高め

・小説文は現代小説のジャンルから出され、標準的な難易度

・古典は説話集、仮名草子、物語など幅広いジャンルから出題される

最後までお読みいただきありがとうございました。