鹿児島県立高校入試が変わる!?「デジタル併願制」とは?

皆さんこんにちは!
郷中塾の本蔵です。
突然ですが皆さん、最近「デジタル併願制」という言葉が、高校受験界隈で話題になっている事をご存知でしょうか?
全く聞いたことがありません。
無理もありません。
なぜなら「デジタル併願制」が話題になり出したのは、つい最近だからです。
しかし、この「デジタル併願制」…
実は高校受験の世界を根本から変える可能性のある大きな話題なのです。
これから高校受験を控えているご家庭には無視できないテーマとなっております。
【お知らせ】
鶴丸高校・甲南高校を目指している皆さんへ。
実は、これまでに合格した先輩たちの多くも、夏前の模試ではE判定でした。それでも、夏休みに基礎を徹底し、入試演習に挑み、この夏を境に一気に合格ラインへ近づいていったのです。
今の成績がどうであれ、ここからの努力で結果は変わります。
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そもそもデジタル併願制とは?
これまでの高校受験のデメリット|国が高校受験改革に乗り出す
2025年4月22日、石破茂首相が公立高校入試の「単願制」を見直すよう関係省庁に指示を出し、大きな波紋を呼びました。
「単願制」とは、公立高校の出願は1校のみしかできない原則の事です。
こうした背景を受けて、文部科学省やデジタル庁が検討を進め出したのが「デジタル併願制」という仕組みです。
そもそもデジタル併願制とは?
では、この「デジタル併願制」とはいったい何なのでしょうか?
たとえば鹿児島県立入試を例にすると、ある生徒が
第1志望:鶴丸高校
第2志望:甲南高校
第3志望:鹿児島中央高校
と出願した場合、取った得点が鶴丸高校には届かず、甲南と鹿児島中央は合格圏内だった場合、より志望順位の高い甲南高校に自動的に進学が決まる――という流れになります。
実はこの制度、ニューヨークの公立高校入試制度を参考にしていると言われています。
かつてニューヨークでは公立高校入試が過熱し、受験者が進学する高校が期限内に決まらない状態が続いていました。
そこで生み出された解決策が『受け入れ保留アルゴリズム』という入試制度です。
これは学生が出願した全高校に対して、その生徒が合格最低点をクリアしているかどうかを確認し、合格最低点をクリアしている高校の中で、最も志望度が高い高校を入学を割り当てる仕組みです。
実際にニューヨーク市では同制度を利用したことで、受験事情が大きく改善したそうです。
「デジタル併願制」のメリット

【1】生徒が行きたい高校に挑戦しやすくなる

現在の制度では、たとえ行きたい高校があっても失敗のリスクを恐れて「安全な学校」を選ばざるを得ないという声が多く聞かれます。
現行の県立高校受験の制度がそんな不本意出願の生徒を生み出してしまっていることは否めません
しかし、「デジタル併願制」では、複数校への出願が可能なので、行きたい高校を志望しやすくなります。
たとえば、挑戦校・妥当校・安全校みたいな出願の仕方があるかもしれませんね。
また、受験直前期に倍率等を気にして、勉強に集中できないという事もなくなり、「少しでも良い点を取ること」に集中して学力向上に注力することもできます。
鶴丸高校を志望する、ある生徒は、併願制の導入に期待を寄せています。
このように、制度変更によって“挑戦する受験”が可能になることへの期待は、現場からも大きく広がっています。
【2】公立高校が教育レベルを上げる流れができる

併願制の導入は、生徒の挑戦を後押しするだけでなく、各公立高校が独自の特色を磨くきっかけにもなるとされています。
なぜなら多くの高校が受けられるようになる分、生徒・保護者が今よりも色々な公立高校を真剣に検討するようになるからです。
例えば「部活動の充実度」「学内イベント」「進路指導の強化」など、他校と差別化を図る教育活動が進めば、生徒にとっても学校選びの軸が多様になります。
これは“選ばれる学校”であるために、高校側も教育内容を進化させる好機といえるでしょう。
【3】上位校のレベルが上がり更に切磋琢磨できる環境になる
「デジタル併願制」では学生が本当に行きたい高校を受けられるようになります。
つまり、上位校にはこれまで受験して来なかった優秀な層が挑んでくる事が見込まれるのです。
彼らが鶴丸高校へ進学するとなれば、鶴丸にはより超上位層が集まることになるでしょう。
もちろんその分難易度の上昇は避けられませんが、上位校にはより高レベルの生徒たちが集まり、教育水準が高くなっていく効果が期待できます。
「デジタル併願制」のデメリット

一方で当然制度にはデメリットもあります。
⚠️ デメリット1:評価基準の統一に時間と労力がかかる

最大の課題は、「合格基準のすり合わせ」です。
複数の学校が一斉に受験生を選ぶとなると、内申点や試験得点の扱い方、採点基準をどう統一するのかという問題が発生します。
例えば、鹿児島県立入試において高校によって採点基準が違うというのは有名な話です。
このような状況下で鶴丸・甲南・中央を志望したらどのように評価されるのでしょうか?
特に、志望順位によって割り当てる制度では、「どの点数でどの学校まで届くのか」を公正に判定する必要があり、混乱が懸念されます。
⚠️デメリット2:高校間の競争が“過剰”になるリスクも
高校が「選ばれる」ために特色を出そうとすること自体は良いことですが、行きすぎると、私立並みの競争や宣伝合戦に発展するおそれもあります。
授業料無償化や教育の多様化により、私立高校に進学する生徒が増えるなかで、ただでさえ公立高校は岐路に立たされています。
公立高校は本来、地域の教育機会を平等に保証する役割も担っているため、過度な競争が教育の本質を歪めないかという点には注意が必要です。
「デジタル併願制」は実現するのか?|可能性は十分にある

実現の可能性は大いにあります。
なぜなら国が構想段階にあるなか、すでに制度改革を決定している自治体があるからです。
その代表例が大阪府です。令和10年度(2028年度)から、公立高校の第二志望への出願が可能になる新制度を導入予定です。
大阪府の吉村知事はこう語っています:
生徒一人ひとりが“本当に行きたい高校”に挑戦できるよう、制度がサポートすべきです。
この方針には、「教育を“学校中心”から“生徒中心”へと転換させていく」という明確な意思が表れています
おわりに:制度改革の主語は「学校」ではなく「子ども」
一部では「公立高校の生き残り策」といった報道も見られますが、本質的な議論の中心に置かれるべきは、「生徒のための制度かどうか」という視点です。
進路に挑戦できる環境を整え、その選択肢を広げる改革が求められています!
公立高校の入試制度は今、転換点に立っています。
国・自治体・学校が連携し、「誰もが希望を持って挑戦できる制度」へと変えていけるか――今後の動向に注目です。






