【中学受験】鹿大附属中と玉龍中の入試傾向は何が違うの?【面接】
こんにちは。
郷中塾の白男川です。
5月も終わりに入り、次第に日差しがきつくなってきました。
「まだ暑くないから大丈夫だろう」と軽く考えていると、熱中症になってしまうということもあり得ます。
こまめに水分補給を行うように心がけてください!
突然ですが、みなさんは鹿児島市にある、受験をしなければ入学できない国公立の中学校をご存知でしょうか?
鹿大附属中と玉龍中ですよね?
そうです。
鹿児島大学教育学部附属中学校(通称:附属中)と鹿児島市立鹿児島玉龍(通称:玉龍中)の2校です。
鹿大附属中は国立中、玉龍中は鹿児島市立中で、どちらも人気のある中学校です。
と志望校がしっかり定まっている人もいれば、
このような悩みや疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか?
令和3年度(2021年1月実施)までは玉龍中が1月中旬の土曜日、附属中がその翌日の日曜日と、入試がそれぞれ別日に行われていました。
なので、両方とも受験する人が多く、
このように、両方受験して合格したほうに進学するという選択や、どちらに行くかは受験が終わった後に考えるという選択も可能でした。
しかし、令和4年度の入試は2校とも2022年1月16日(日)に行われたため、どちらか一方しか受験できませんでした。
今後も同日入試になる可能性がゼロではないことを踏まえると、鹿大附属中と玉龍中の2校で迷っている人は「自分がどちらの学校に行きたいのか」を願書を出す前にじっくり考える必要があります。
それぞれの学校の「特徴」や「雰囲気」など、受験校を考える際の基準は多数ありますが、入試の問題傾向もしっかり把握しておかなければなりません。
ぜひ受験校選択の参考にしてみてくださいね!
1.鹿大附属中と玉龍中の両方にあてはまること
まず、附属中や玉龍中に限らず、受験しなければ入学できない中学校すべてに共通して言えることですが、受験対策の勉強が必須です。
という人もいるかもしれません。
しかし、小学校の単元テストと入試の問題はまったくの別物です。
入試では小学校6年間分の知識はもちろん、表現力や思考力など様々な能力が問われます。
限られた時間内で小学校のテストよりも難しい問題を正確かつスピーディーに解くには、日頃から受験対策の勉強をして演習を積んだり、塾で模試を受けて場数を踏んだりすることが不可欠です。
「小学校の授業だけを受けてきた生徒」と「塾で受験対策を一生懸命してきた生徒」との間には、大きな差が生まれます。
また、『塾に通わず鹿大附属中や玉龍中に合格した人もいる』という話を耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、そのような人たちも何の対策もしていなかったというわけではありません。
『塾には行っていないけれど』定期的に模試を受けたり、『塾には行っていないけれど』家で過去問や問題集を一生懸命解いていたりと、受験対策をしっかり行っていたから合格できたという場合がほとんどです。
2.鹿大附属中入試の特徴
2-1.教科書準拠の問題が多い
附属中の入試問題は、国語・算数・理科・社会の4教科です。
小学校6年間の学習内容から出題されていて、基本問題7~8割、応用問題2~3割となっています。
国語は「漢字の読み書き」や「文法問題」に始まり、「論説文」と「物語文」の両方が出題されます。
論説文の問題で『100字程度の短い作文』が出題されているのが大きな特徴です。
算数は「計算問題」と「図形問題」がバランスよく出題されています。
2018年までは計算して数字のみ解答用紙に記入する形でしたが、2019年から作図の問題や自分の考えを説明する問題が出題されるようになりました。
理科・社会は記述問題の数が多いのが特徴です。
記述問題に関しては「メダカのオスとメスの区別をする方法は?」や「源頼朝が鎌倉に幕府を置いた理由は?」など、定番かつ頻出のものが多いです。
4教科とも、基本的な問題は正答率が高いため、あまり差がつきません。
むしろ、基本問題で点数を落とすと周りと差がついてしまうため痛手になってしまいます。
2-2.体力検査と抽選がある
学力検査が行われた後に、体力検査があることも鹿大附属中入試の特徴です。
といっても、長距離走のようにハードなものではなく、反復横跳びなどの簡易なものです。
また、小学校の持久走大会で最下位争い常連だった友達も、鹿大附属中に合格していました。
(令和4年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、体力検査は実施されませんでした。)
さらに、鹿大附属中では総合選考を通過した生徒を対象に、最終選考として抽選が行われます。
鹿児島大学附属中学校だけではなく、国立大学の附属中学校の多くで採用されている方法です。
と少々残酷な気もしますが、鹿大附属中学校は鹿児島大学の「教育学部」の管轄であり、教育現場におけるモデルケースとしての役割を果たさなければなりません。
そのため、成績順だけで生徒を取るのではなく、抽選で無作為に選出して、様々な個性の生徒を集めているようです。
鹿大附属中を受験する人は、抽選があるということをしっかり覚えておく必要があります。
3.玉龍中入試の特徴
玉龍中の入試は「適性検査」と呼ばれる特殊な試験で、「適性検査Ⅰ」と「適性検査Ⅱ」に分かれています。
玉龍中のHPにも、
「適性検査は、各教科の内容を直接問うものではなく、本校の教育理念等を踏まえ、 適性等を総合的に判定できる出題を基本とする。」
と書かれているように、適性検査はかなりクセが強いため、学校の勉強とは別に専用の対策をする必要があります。
「適性検査Ⅰ」は国語の問題で、論説文が1つ出題されます。
特徴はなんといっても、160~200字とやや長めの作文が出題されていることです。
作文の内容は「自分の長所」「今までに頑張ってきたこと」など、オーソドックスなものとなっています。
45分間で論説文を読み、小問に答え、最後の作文を書かなくてはならないため、なかなかハードな内容となっています。
「適性検査Ⅱ」は総合問題です。
問題数は全部で10問程度とそこまで多くないものの、問題文が龍太さんと玉美さんという2人の人物の会話形式になっているため、1題1題の問題文が長く、図や表の数も多いため、それらを正確に読み取れるかが重要になってきます。
また、一問一答形式の問題は少なく、思考力を問う問題ばかりです。
鹿大附属中のように4教科+体力検査でなく、適性検査2つだけなので、試験の数自体は少ないですが、適性検査Ⅱは特にクセが強く、慣れるのに時間がかかるため、早めの対策が必須です。
4.面接について
鹿大附属中も玉龍中も、学力試験のあとに1組5、6人の集団面接が行われます。
また、時事問題もよく聞かれるので、日頃から新聞を読んだりニュースを見たりといった習慣をつけておくといいと思います。
さらに、時事問題に対して「自分だったらこうするな」など、自分の意見を持っておくことが重要です。
面接に関しては2校の間に大きな違いはなく、おおよそ同じようなことが聞かれます。
面接では予想がつかないようなことを聞かれることも多々あります。
でした。
そういう突拍子もない質問のときに限って、
と指名され、考える暇もなく発言しなくてはなりません。
当時の私はパニックになって
と答えました。
2番目以降の他の子どもたちの
といった立派な回答を聞いて、とても恥ずかしい思いをしたのを覚えています。
しかし、面接は「独創性のある、個性的な回答ができるかどうか」よりは、むしろ「聞かれたことへの受け答えがしっかりできているか」に重きが置かれます。
あらかじめ学校の先生や塾の先生など、周りの大人と練習しておきましょう。
附属中は2019年度(現在高校一年生の学年が受験した代)より、日本語での面接に加えて、簡単な英語での面接も実施されるようになりました。
11月下旬に附属中で行われる生徒募集に関する説明会で、
と事前に告知があるようです。
これまでだと、「自己紹介」「自分の好きなもの」「冬休みの思い出」などがテーマになっています。
また、新型コロナウイルスの影響で、令和4年度の附属中の入試は面接ではなく、200字の作文となりました。
15分間で200字なのでかなりハードだと思います。
「志望動機」「中学校で頑張りたいこと」など、絶対に質問されると予想できる内容は作文でも表現できるよう、しっかり練習しておきましょう!
ここ2年、附属中は体力検査・面接がいずれも新型コロナウイルスの影響で実施されていません。
5.まとめ
今回は鹿大附属中と玉龍中、それぞれの入試問題の特徴・対策についてお話ししました。
と、入試問題の特徴やそのときの自分の得意・不得意だけで受験校を決めるのではなく、それぞれの学校の特色や校風をしっかり調べたうえで自分の志望校を決定しましょう。
そして、志望校が決まったら
という強い意志を持って、しっかり毎日の学習に取り組んでいくことが最も大切です。
合格を祈っています!!
最後までお読みいただきありがとうございました。