【中3生向け】第3回全九州模試(昴模試)の内容を分析しよう!

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全九州模試の結果はどう?

 


こんにちは。

郷中塾の平です。

今回は8月28日に行われた、第3回全九州模試の内容について見てみたいと思います!

 

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1.第3回全九州模試の平均点

各教科の平均点は以下のようになりました。

 国語数学英語理科社会5教科合計3教科合計
第1回62.755.160.064.056.8298.7177.8
第2回63.458.959.950.753.9286.8182.2
今回
(前回との差)
62.4
(-1.0)
64.7
(+5.8)
56.3
(-3.6)
54.3
(+3.6)
60.6
(+6.7)
298.2
(+11.4)
183.4
(+1.2)

 

前回(第2回)が過去に例を見ない平均点の低さだったこともあり、ある程度難易度が戻ったという印象です。

昨年度は第2回の平均が297.9点、第3回が317.3点と、第2回に比べ第3回は大幅に平均点が上昇したため、各校の合格ラインも大幅に上昇しました。

 

2.各教科の内容分析

 

続いて、各教科の「出題傾向」や「設問」についてみていきたいと思います。

 

2-1.国語

国語

初めに全体の平均得点率を見てみましょう。

 大問1
(評論)
大問2
(随筆)
大問3
(古文)
大問4
(文法・国語常識)
大問5
(漢字)
平均得点率66.6%73.8%46.8%46.7%77.0%
前回は「評論が56.5%」、「古文が62.8%」だったのでその二つの難易度が大きく動いた印象です。

それでは、各大問を見ていきます。

 

大問1の評論文は汐見稔幸の『人生を豊かにする学び方』からの出題でした。

この作品は首都圏の中学受験で頻出で、こちらのページでも紹介されています。

https://www.jukenlab.net/entry/ronsetsu-ranking1

 

設問9題のうち、「本文中からの抜き出し」、「記号選択による解答」、「文中の言葉を用いた記述」がそれぞれ3題ずつの出題でした。

出題内容は『傍線部の言い換え』や『接続語の記号選択』、『内容理解の記述』など、スタンダードなものがほとんどでした。

全九州模試の記述問題は、本文の趣旨が理解できていれば、ほとんどそのまま書き抜くことで丸になるケースが多いです。

しかし、今回の設問4の記述問題においては、少し難しいものが出題されました。

具体的には『学ぶことで〔           〕ができる自由を〜』という設問の文の空欄に、本文中の言葉を用いた文を加えて、理由説明文を作成する問題です。

本文中の抜粋すべき箇所は「選択肢が増え、目的に応じて選べること」という部分ですが、この形のまま回答とすると「選べること」という言葉に「できる」という意味が含まれて意味が重複してしまうので、「選ぶこと」と書き換える必要がありました。

鹿児島県の公立入試では、全九州模試と異なり記述問題の配点が大きいので、対策は必須です。

今のうちから、「しっかりと言葉の意味を捉えるトレーニング」を行いましょう!

 


 

大問2は随筆文、向山昌子の『モンスーンの花嫁』からの出題でした。

設問の出題傾向はいつもと同じですが、設問2の傍線部意味内容の記述が、今回のテスト内容では文法問題を除くと「16.0%」と最も低い正答率でした。

正答率の低い記述問題の特徴は、

①そのまま書き抜いても丸にならない

②回答根拠の場所が二箇所以上に分散している

というものですが、大問1の4は上記の①、大問2の2は上記の②のケースであったといえます。

大問2の他の問いは「抜き出しが3題」、「記号が4題」で、どの問題も正答率が1題を除き(58.5%)、60%以上であったため、前述の記述問題が国語力を大きく問うものだったと言えるでしょう。

大問3の古文は『醒睡笑』からの出題でした。

こちらは『長崎県立高校入試(2019)』に出題された部分と同じものになります。

「現代仮名遣いを問う問題」の箇所など多少の変更はありますが、「同じ主語を選ぶ問題」や「掛詞の問題」など傾向が同じ問題も見られました。

設問4は『ゆかん』の口語訳を問うものでしたが、この「ん」を現代語のように打ち消しの意味だと思って、「行かない」と回答してしまうと話の展開が理解できなくなります。

考え方としては、「ん」が意志の助動詞であるため「行こう」とするのが正答ですが、ある程度古典文法を理解していないと難しい問題だったと思います。

「いきます」という風に敬体で回答してしまうとバツになるようで、口語訳の採点の厳しさが見えました。

中学生の古文では、「助動詞」や「古文単語」などあまり文法事項が重視されませんが、意志の助動詞「む(ん)」はこれを機に覚えましょう!

 


 

大問4の「文法・国語常識」は、今までと少し毛色の違ったものが出題されました。

1では「敬語表現」、5では「漢文の返り点をつける問題」、6では「音訓の読み方の組み合わせを選ぶ問題」、これら3種類の問題は昨年から第2回まで一度も出題がなかった問題でした。

特に、漢文の文法問題については第2回全九州模試の出題範囲に含まれているものではあるため、驚いた方もいたと思います。

最も正答率が低かった問いは、2の「動詞を全て抜き出せ」という問いで「正答率は2.7%」でした。

文法問題については「品詞名」、「活用形」、「活用の種類」の3点をおさえておくことが最低ラインとなります。

公立高校志望の人は「入試における配点の小ささ」を考えると、その3点だけ確実に取れるようにして、それ以外については『テストに出たものの復習』で十分だと言えるでしょう!

2-2.数学

数学

後半の大問において正答率が低いものがいくつかありましたが、大問1において難易度の高い問題がほとんどなかったこともあり、平均点は前回と比べると大きく回復しました。

各大問について見ていきます。

 

大問1の小問集合では、少し変わった問題が出題されました。

(3)で出題されたのが、図形の性質について述べた文を見て適切なものに○、適切でないものには×をつける問題です。

「平面」と「直線」と「点」という3つが指定された条件で、『どのような位置関係になるか』をイメージできないと、答えるのが難しい問題でした。

(4)ではデータが与えられ、四分位範囲を求めさせる問題が出ました。

『データと資料の活用』の範囲から出る問題については、「言葉の意味を覚えていないと答えられない問題」が多いので要注意です。

(3)の正誤判別問題は、「4題各1点」で大きく響かなかったこともあり、大問1の正答率は78.7%でした。

前回の大問1の正答率75.9%と比べると、今回は得点源にしやすかったと言えます。

 


 

大問2の確率の問題が今回は難しく、(1)の②については正答率が4.7%でした。

座標平面上の「直線y=ax+b」の「傾き」と「切片」をサイコロで決めるというもので、実際に数値を代入して考えてみないと分からない問題です。

今までにも、『直線の式』が関係する『確率の問題』が出題されたことがありますが、今回は「y=ax+b」と「y=x+3」と「x軸」の3直線で「三角形ができない確率」を求めよ、というもので、「三角形ができない2パターン」を特定できないと解に辿り着けないものでした。

「データ」の問題については、いつもと同じ出題傾向だったと言えます。

「人数を加えてデータを作り直す問題」は頻出と言えますので、できなかった人は確実にできるようにしておきましょう!

 


 

大問3の「平面図形」は12点中9点が正答率50%を超えていたため、得点源になる大問だったと思います。

(1)が「証明の文章」を埋める記号問題、(2)が「図形内に含まれる角度」を計算する問題です。

(3)は①が「五角形の面積」を求める問題で、こちらは「図形を四角形と三角形に分けて考える」ことができれば、意外と求めやすい問題でした。

ただ、最後の(3)の②については「相似な図形」の知識を用いないと解けない問題であったため、6.9%という低い正答率となりました。

 


 

大問4の「1次関数」は、平均正答率が44.5%と最も低くなりました。

今までは

「直線の式」

→「交点の座標」

→「指定座標とつくる三角形の面積」

→「指定面積をつくるための座標指定」

という大問構成になることが多かったのですが、今回は、

「直線の式」

→「yの増加量」

→「座標平面上にできる正方形の一辺の長さ」

→「凹んだ四角形の面積二等分」

というものでした。

(2)の「増加量」の問題は、「変化の割合」の求め方を知っていても、『それが何を意味するのか』までしっかり理解していないと、得点できない問題でした。

(3)の「正方形の1辺の長さを考える」問題は、『各辺が同じ長さになること』と『一箇所の座標を文字t等を用いて表す』という2点ができれば解ける問題です。

このタイプの問題は、必ずと言っていいほど公立入試で登場する問題なので、必ず解けるようにしておきましょう!

今回の「面積二等分」の問題は、「三角形や通常の四角形の面積を2等分させる問題」の解き方を応用して考えなければ解けない、少し難しいものでした。

図形が「三角形」でも「通常の四角形」でもないため、初見の生徒も多かったと思います。

こちらは正答率が2%という結果でした。

 


 

大問5の「空間図形」は「直方体の切断」の問題でした。

(1)は「直方体のねじれの位置に該当する辺の数」を問う問題、(2)は「直方体の表面積」を求める問題と、前半2題は解きやすいものでした。

(3)は「切り分けた立体の体積」ですが、高さ自体は「直方体の高さ」を利用できるため。「側面積の台形」、あるいは「三角形の面積」を求められれば答えにたどり着けるものでした。

(4)は「(3)で求めた図形」を「さらに切り分けてできた図形の体積」を考える問題ですが、こちらも大問3と同様、『相似な図形』の考え方を用いないと解けない問題であったため、正答率は1.9%とかなり低いものとなりました。

 


 

教科全体としては、「やや従来の傾向と変わった問題」が出てきた印象でした。

小問集合の「出題分野」「形式」が広がりつつあることや、「平面図形」「空間図形」の解答における『新単元の活用』など、局所的にみると難化しているように見えます。

しかし、他の問題のレベルや配点については変わらないため、「解ける問題を解く」という部分にこだわれば、安定して高得点が狙える教科であることには変わりありません!

2-3.英語

英語の本

大問1のリスニングの平均得点率が「48.3%」と、驚くべき結果になっています…

リスニング問題の正答率については、「第1回が70.5%」、「第2回が70.2%」という数値であったため、これらの結果を20%以上大きく下回りました。

最後の “What will~” という未来の行動について問うものについては、『放送内容の文章をそのまま聞き取って書き取るだけ』で回答になる問題でしたが、こちらの正答率は9.2%でした…

リスニングの英問英答については、「疑問詞」と「助動詞」、「時制」を聞き取ることが鍵になりますので、日頃から意識しておきましょう!

 


 

大問2の1の「適文選択」の問題は、(1)~(3)全て正答率が90%をこえていました。

基本的な「疑問文」と「返答の仕方」を押さえていれば、確実に取れる問題でした!

2の「適語補充」の問題は、過去分詞 “sold” 動詞 “arrive”、goodの比較級 “better”の3つを入れる問題でしたが、こちらは正答率がそれぞれ「30.5%」、「41.8%」、「55.4%」とあまり高くない結果となりました。

正答率があまり高くなかった原因としては、

・“sold” については「不規則変化の動詞」であること。

・“arrive” については「到着する」という訳や “arrive at” という形で覚えているため、本文中の「届く」という語句から連想できないこと。

・“better” については本文中に「よりよい」という言葉が出てきているが、『thanを伴わないために比較級であることに気付けなかった』

ということが、それぞれ考えられます。

この設問において求められる、「最低限の語彙力」と「日本語をある程度簡単な形にして知っている英単語に言い換える能力」は、英作文の作成においてもかなり役に立つので、

知らなかった…

で終わらせず、必ず訂正を行い今後に役立てましょう!

 

3の英作文の問題は『群馬県立高校入試(2021)』からの出題でした。

問題内容は「適語補充」から「英作文」に変わっていますが、出題される文章が入試問題とほぼ同じ質になることは知っておいて損にならないでしょう。

作文の出題箇所としても、「絵(ピクトグラム)を見てその内容を記述させる問題」、「英問に対して答えさせる問題」、「続く返答を満たす英問を書かせる問題」と非常にバランスの取れたものでした。

3つ目の英問については、今回『現在完了の(経験)』を問うものでしたが、現在完了の英作文は(結果)・(経験)・(継続)全て頻出です。

「全ての用法」で一文づつ文章が書けるようにしておきましょう!

 


 

大問3の対話文読解は、平均得点率が「54.1%」でした。

こちらの正答率については「第1回が58.4%」、「第2回が49.6%」であったため、さほど難易度の変化はないと言えます。

設問内容については「並べ替え」、「対話文内における適文補充(記号選択)」、「日本語記述」、「抜き出し」、「内容正誤」といったものでした。

こちらの文章自体は『富山県立高校入試(2021)』と同様のもので、設問内容についても「抜き出し」と「内容正誤」はほぼ同じものとなっていました!

一部、選択文の主語の変更や副詞句の場所の変更などがありましたが、実際の入試のものと同じ質の設問が出題されたと言えます。

 

大問4の「長文読解」は平均得点率が「58.9%」でした。

こちらは「第1回が50.0%」、「第2回が58.3%」であったため、大問3と同様あまり難易度の変化はありませんでした。

長文自体は『新潟県立高校入試(2021)』からの出題でした!

1の「日本語記述」、2の「理由選択」の問題は、実際に入試で出題された問題です!

4の英問英答については、今回は語数が指定されていました。

 

2-4.理科

理科実験

前回の平均点が低かったこともあり、今回は大幅に上がる可能性もありましたが、それでも50点台前半に留まりました。

全体の特徴としては、「比例式を用いた計算問題」が非常に多く、7問(21点分)出題されました。

 


 

大問1の『植物の分類』は比較的正答率が高かったのですが、「マツの花の受粉の方法の記述問題」は正答率が13.4%と低くなりました。

多くの場合、「裸子植物」であることを答えさせる問題が多いため、具体的に受粉の方法を問うものは珍しいです。

 


大問2の『消化と吸収』では、設問2で「胆汁とすい液のはたらきの相違を問う問題」が出題されました。

「消化酵素」という語句を用いるよう指定がありましたが、「胆汁は消化酵素を含まない」ということを知らなければ、解答は難しかったと思います…

また、設問5では「肝臓でブドウ糖の一部が合成された時の名称」が問われました。

「デンプンの分解されたものがブドウ糖」、「二つくっついたものをグリコーゲン」呼び、「肝臓でその形になる」ということは教科書にも載っていますので間違えてしまった人は確認をしましょう!

 


 

大問3の『火成岩と堆積岩』では、設問3で「れき岩の判別根拠を書かせる記述問題」が語句指定で出題されました。

設問5では、「地球誕生から現在までを1年とみなすと、人類誕生から今までが何日になるか」という問題が出題され、この問題は全体で最も正答率の低い12.5%という結果になりました。

「比例式でおいて考え、最終的に1を下回るという結果から概算で1日にも満たない」ということを回答するもので、理科というよりは数学よりの問題でした。

 


大問4の『日本の天気』では、「気圧、気団の名称」や「天気図から季節を考える」基本的な問題とは別に、設問5で「気象現象が起こる空気の厚さ」を考える問題が出題されました。

こちらの問題も比例式で済むものですが、計算過程の中で単位変換が求められました。

第2回の天気の大問の正答率が「40%」であったことを考えると、今回は「58.4%」で以前より易しい問題が多かったと思います。

 


 

大問5の『酸化と燃焼』では、設問5題のうち、3題が「比例式を含む計算問題」でした。

中でも4の「同じ酸素と反応する銅とグネシウムの比を求める問題」や「混合物に含まれる銅の質量を考える問題」は、公立入試でも頻出のものでした。

これらの問題は最初から求めるより、「演習を重ねて解き方を覚えてしまった方が早い」ので、今回できなかった人は確実に解けるよう復習しておきましょう!

 

大問6の『力のはたらき』は「フックの法則」がメインのものでした。

設問4の「バネの長さが半分になると伸びはどうなるか」という問題のみ少し珍しいものでしたが、他は基本的な問題が多かったと言えます。

 


 

大問7の『遺伝の規則性』は、「実際に遺伝子の組み合わせを考える問題」が2題出題されました。

実際に遺伝子の組み合わせを書き出すことができなければ解くことができない問題がほとんどですので、必ず書き出せるようにしておきましょう!

 


 

大問8の『酸とアルカリ』では、「中和反応を行ったあとの水溶液中に残るイオンの数を考えさせる問題」が出題されました。

今回は「塩酸と水酸化ナトリウムの中和」でしたが、「硫酸と水酸化ナトリウムの中和」との違いもしっかりと把握しておきましょう。

 

現状選択問題については苦手であればその大問は選ばないという選択もありますが、最終的な入試の時には選ぶことはできません。

テスト後にはどちらも解けるように復習しておきましょう。

 

2-5.社会

日本地図

今回の社会は前回の平均点に比べ平均点が「+6.7点」と上がり、5教科平均の底上げに大きく影響しました。

全体の出題傾向としては、「複数解答を求める問題」が散見された印象です。

 


 

大問1の世界地理の平均得点率は「66.7%」でした。

設問1の(1)では「州の名称を問う問題」、(2)では「該当する大洋の名称」、(3)では「多文化主義についての記述」が出題されました。

(2)の「大洋を問う問題」は、今までであれば「単純に場所と名前を一致させるだけ」でしたが、今回は「いくつの大陸に面しているかを考えなければいけない問題」で、「地図中に南極大陸が載っていなかった」ために迷った生徒も多かったと思います。

 

設問2の(1)は、「イタリアで行われている地中海式農業の特徴を選ぶ問題」でした。

「地中海性気候」や「地中海式農業」は、「日本と差異がはっきりしている」ため頻出です。
必ず押さえておきましょう!

(2)では「時差の問題」が出題されましたが、今回は「東経2地点における問題」でした。

「経度の東西が違う問題」が出題率が高いように思えますが、今回のように東経と東経で聞かれることも当然あります。

時差の問題を解く際は日付変更線(東経180度)を一番右側にとった地図を書いて考えるようにしましょう。

また、今回のような航空機での移動を考える問題では、現地での出発時刻、到着時刻、目的地でのそれぞれの時刻の4つを、下のような表にして書いてみると正答率がぐっと上がります。

地理の時差の問題の解き方

「時差の問題」は必ずと言っていいほど出題されますので、確実に解けるようにして得点源にしましょう。

 

設問3の記述問題は、「パークアンドライド」を導入する利点を、資料を参考にして答える問題でしたが、条件として『環境問題に触れて』ということが指定されていました。

「二酸化炭素排出量の削減」が「地球温暖化防止につながる」ことを書ければ条件を満たせますが、そこを見落とすと採点基準から外れてしまうこともありますので、『見落とさないよう問題文に印をつける』などして解くようにしましょう。

 

設問4は「アメリカに関連する問題」が2題出題されました。

「サンベルト」という語句を問う問題と「都市と工業の組み合わせ」、「NAFTAが失効し、新たに発行されたUSMCAのMが表す国名」、両者とも知識単発の問題でした。

今回の問題では、具体的な場所は問われず名前のみでしたが、地図を見て位置とリンクさせて覚えるようにしましょう。

設問5は「オーストラリア」、「イタリア」、「ドイツ」、「アメリカ」から「日本への輸入上位3品目の割合」を見て、「イタリアに該当するものを選ぶ」というものでした。

「オーストラリア」、「ドイツ」、「アメリカ」の3カ国は頻出であるため、消去法で残った「イタリア」を選ぶ問題だったと言えます。

どこか一箇所でも抜けがあると間違いかねない問題であったため、「各国の主要輸出品目」については頻出の国だけでも良いので覚えておきましょう。

 

設問6は「正距方位図法の地図を見て、与えれられた都市の中から、最も遠い都市の雨温図を選ばせる問題」でした。

回答になったのが「南半球」であったため、「寒暖が日本と反対になるもの」を選べば答えられるものでしたが、その他の選択肢の「エクアドルの高山気候」や「イギリスの西岸海洋性気候」も頻出ですので、他の選択肢の雨温図も答えられるようにしておきましょう。

 


 

大問2の「日本地理」の平均得点率は「71.2%」でした。

歴史の正答率を鑑みると、平均点を底上げしたのがこの大問2だと言えます。

記述問題を含め、大問全体的に正答率が高い問題が多かったのですが、設問5と9においては、「選択肢の中から複数回答を要する問題」が出題されました。

解答となるものを知っていればそれだけで選べますが、ややマニアックな知識が正答となっている場合は、間違っている選択肢を見抜きそれらを消す「消去法」と併用して考えるのが最善です!

 

設問10は「貿易額のグラフから貿易港を判別する問題」でしたが、問われたのが名古屋港であったため、単発の知識で済むものでした。

 


 

大問3の「近世までの歴史」の平均得点率は「48.1%」でした。

全12問のうち、「語句を答えさせる問題」が4題、「記号選択」が6題、「記述問題」が2題でした。

語句の問題については、「応仁」と「化政」の2題は漢字指定でした。

「記号選択」については、2題は「二箇所の括弧を満たす選択肢1つを選ぶ問題」、1題は「適切なものをすべて選ばせる問題」で、単発の知識だけでは解けない問題が見られました。

また、その他の設問の特徴としては、「一箇所に固まった知識が試される問題」が出題されました。

 

設問9の(1)では「寛政の改革を行った人物名」、(2)では「改革の内容」、設問10では「寛政の改革以降に栄えた文化名」と「その文化に適する文章を選ばせる問題」が出題されました。

「江戸時代の改革と文化」は頻出ではありますが、そこがまとめて抜けていた人からすると、かなりの失点になったのではないでしょうか…

記述問題については「座の特権」を書かせるものと、「江戸幕府が田畑の売買を禁止した理由」を書かせるものの二つでしたが、後者については「幕府と藩の収入が年貢によって支えられている」ことを示す資料が与えられていたため、推測で正答までたどり着けた生徒もいたことと思います。

正答率はそれぞれ「34.6%」、「28.3%」と今回のテスト中ではかなり低い結果となりました。

大問全体の正答率を下げている問題としては他に、設問3、4のような「日本の出来事と海外の出来事をリンクさせる問題」がありました。

中学社会における世界史は日本史と比べると量が多くない分、日本の出来事と紐づけられて出題されることが多いため、年号だけでも覚えておきましょう。

 


 

大問4の「近代以降まで歴史」の平均得点率は「56.8%」でした。

「日米和親条約における開港」から「戦後」まで、幅広く問われました。

特異な出題例としては「2つの港の場所を両方とも答えさせる問題」や「サンフランシスコ平和条約を結んだ時の首相の名前を漢字で書かせる問題」がありました。

他の問題については「条約や会議の名称」、「中国での抗議運動」など、間違いやすい語句の選択問題等、定番のものが多かったようです。

正答率が全体として伸びなかった理由としては、1854年(日米和親条約)〜1973年(石油危機)という広い範囲において、頻出事項が何なのかまだ掴めていない生徒が多いことが挙げられます。

ある程度の語句を覚えているのであれば、頻出事項のみまとめていった方が、「近代以降の歴史」は学習効率をあげやすいと言えるでしょう。

 

3.終わりに

 

今回の結果としては、「国数英の3科目は難易度」があまり変わらず、「社会の平均点の上昇」によって結果が大きく変わった印象でした。

今回までは公民を含まない地理と歴史のみのテストではありましたが、次回は公民も入ってくるため、配点バランスを含め異なった印象を受けると思います。

中3生は次回の第4回で全九州模試は最後になりますので、各教科と5教科の目標を決めて学習に取り組みましょう!

 

これから入試が近づいてくると、テストや模試の量がどんどん増えてくると思います。

それと並行して、学校で新しい単元もどんどん進みます。

それでも、「一度間違えたところを次は間違えない」ということをしっかりと実行できれば結果はついてきます。

焦る気持ちもあるとは思いますが、何よりも「復習が大事である」ということを忘れないようにしてください!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。