【体験談】大学受験で有機化学を得点源にする方法
皆さんこんにちは!郷中塾の鼓です。
理系の学生なら必ずと言って良いほど習う科目の1つが化学です。
化学は出題される単元がかなり多く、例えば中学範囲からさらに内容を発展させた「酸化・還元」や「電気分解」、また高校で新しく学習する「無機化学」や「有機化学」といったものなどきちんと時間をかけて勉強しなければいけない単元がたくさんあります。
その中でも多くの学生がつまずいてしまう単元が「有機化学」。
有機化学とはベンゼンやクロロホルムといった有機化合物の反応や生成、性質について学んでいく単元です。化合物の名称や化学反応のルールなど覚えるべきことがたくさんあります。
例えば、『C₄H₈の異性体を書きなさい。』という問題があるとします。有機化学を学んでいないと何を言っているか分からないかもしれませんが、この問題は数学の二次方程式において解の公式を使って解を求めることと同じレベルなのです。「全然楽勝だ」という人も「まったくわからない。」という人もいるでしょう。
「有機は楽勝だ」という人は有機化学をパズルのようなものだと考えていることが多いです。私もコツをつかむまでは「まったくわからない。」のタイプでした。
私は受験の一か月前まで苦手意識を持っていましたが、コツをつかむと難しい問題もすらすら解けるようになり、受験本番では有機化学の問題が得点源になりました。
そこで私が知り合いから教えてもらい、実際に効果を感じることのできた勉強方法について説明していきたいと思います。
1.なぜ有機化学が苦手なのか
「ほかの単元は得意なのに有機化学が苦手だ。」という人は少なくはないと思います。ではなぜ有機化学に苦手意識を持ってしまう人が多いのでしょうか?
私が考える理由は大きく2点です。
- 単純に演習量が足りていないから
- 有機化合物のイメージが出来ていないから
1-1.演習量が足りていない
有機化学は暗記しなければいけないことが化学の単元の中でもかなり多いです。どの反応がどんな化合物を生成するのかを暗記しておかないと計算問題にすらたどり着くことができません。そのため有機化学を得点源にするためには演習量は必須になります。
例えば有機化合物の異性体を調べる際に、問題文から与えられた条件を満たすもの選ぶ必要があります。ベンゼン環がついているのか、生成物に水ができているのかなど多くの情報を整理しながら的確に異性体を導き出さなければ、そのあとに続く計算問題は立式すらできなくなるのです。
有機化学は覚えなければいけないことが山ほどあり、点数が伸びるまでには少し時間がかかりますが、一度要領を得ると一気に点数が伸びる単元であるため、短期集中でめげずに頑張ることが大切です。
また、有機化学は三年生から習い始める学校が多く、高校化学の中で一番学習するのが遅い単元でもあります。三年生になって受験勉強が忙しくなり、模試で苦手になる単元ばかり復習して有機化学に時間を割かないために、後々有機化学が苦手になるというパターンにかなり多くの人が陥りやすいです。
そのパターンにハマってしまうといざ共通テストの問題を解こうとしたら有機化学がボロボロで焦り、有機化学だけに時間を割き、結局全体をうまく演習できずに思うような点数を取ることができないという結果になります。
1-2.有機化合物のイメージができていない
エーテルやヒドロキシンと言われてもそれらがどのような物質なのかがピンとこないと覚えるのに苦労します。
先ほども言った通り有機化学は暗記することが多く、それらの知識を使って計算問題を解くという流れになっています。有機化学は水の電気分解や燃焼のような身近な題材を扱うことが少なく、自分の中で反応のイメージが湧きにくいため覚えにくいと感じることが多いかもしれません。
ほかの単元でも同じことが言えますが、自分の中でのイメージを確立しておかないと難しい問題は解くことができません。どんな反応が起こって、どのような生成物ができるかを頭の中で正確にイメージすることができれば暗記も楽勝です。
例えばドラマが好きな人はクロロホルムと言われたら眠らせる物質だ、とか自分の知識や興味と結びつけながら覚えていくと普通に暗記するよりも簡単に覚えることができるのではないかと思います。
2.苦手を克服する
では、どのようにして有機化学への苦手意識をなくしていけば良いのでしょうか。
以下2点お話していきます。
2-1.夏~秋口にかけた短期演習
有機化学が苦手だと思う人はとにかく一つの問題集を徹底的にやりこんだ方が成績は上がります。
加えて、演習の期間はできれば三年生の夏から秋ぐらいに短期集中でやることがおすすめです。
だらだらとやってしまうとほかの教科や別の単元がおろそかになり、化学の点数が全体的に下がってしまう可能性があるからです。
有機の範囲だけというのはさすがに偏りすぎですが、有機とそのほかの単元を7:3ほどの割合で勉強すると1か月もかからないうちに成果が出てきます。成果を感じ始めたら有機化学にかける時間を減らしていけばいいと思います。
ここで大事なことはもう大丈夫だと慢心して問題を解くことを止めるのではなく、継続して勉強をすることです。苦手な科目にかなりの時間をかけたいのはわかりますが、他のものも同時進行で進めていかないと全体的な学力は下がってしまいます。二兎追うものは一兎も得ず、ではないですが受験勉強に至っては貪欲に結果を求めていく姿勢が大事な時もあります。
2-2.先生や友人を上手く頼る
私が有機化合物のイメージが出来る様になったのは先生や友達に覚え方や解き方を聞いていたからです。自分の力だけで暗記することが得意でない人には特におすすめしたい方法です。
もちろん参考書をやり込むのも1つの手段ではあります。しかし先生たちは難しいことをかみ砕いて説明してくれるため参考書の説明よりも理解しやすく、自分の頭の中で言われたことをイメージしやすくなります。
自分の頭だけで反応や公式を理解しようとすると時間がかかってしまうことがあるため、先生や友達に聞いて時間を節約したほうが効率的です。すべてを人任せにしてしまうと学力の向上は見込めないので、自分でじっくり考えてから助けを求めるようにしましょう。
一度自分の中で定着した知識やイメージは忘れにくく、たとえ忘れてもすぐに思い出すことができるため時間がかかっても自分の中でイメージを作ることをおすすめします。
3.最後に
実際有機化学はパズルのようなものなので反応や法則というピースのはめ方さえ覚えれば、簡単に問題を解くことができます。
有機化学が苦手だという人は適切な演習量をこなし、自分の中で有機化学のイメージを固めていくと、徐々に点数が伸びていくと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。