【卒業生が語る】鹿児島市立玉龍中学校ってこんなところ!【公立中高一貫校】
こんにちは。郷中塾の白男川です。
9月に入っても、毎日本当に暑いですね…。
室内でも熱中症になるリスクはあります。
クーラーや扇風機を上手に使って暑さ対策をしっかりしながら日々の学習に臨みましょう。
新学期が始まりましたが、すぐに体育祭ですね!
なんてことにならないように気をつけてくださいね!
さて、今回は私の母校である玉龍中学校についてお話ししたいと思います!
みなさんは「玉龍中学校」と聞いてどのようなイメージをするでしょうか?
玉龍高校のほうは今年で82年目と歴史がありますが、中高一貫となってからは17年と歴史はまだまだ浅く、謎も多い学校ですよね。
1.玉龍中学校の生徒はほぼ100%が玉龍高校へ進学
まず、玉龍中に入学した生徒の多くは入学直後、以下のように考えています。
玉龍中学校は鹿児島市にある男女共学の公立中学校で、中高一貫教育校というのが大きな特徴です。
中学卒業後は同じ敷地内にある、鹿児島玉龍高等学校への進学が原則となっています。
なので、高校受験なくエスカレーター式に玉龍高校へ進学していきます。
だから、今の段階で
というような具体的な目標がある小学生は、玉龍中の受験は視野にいれるべきではないと思います。
逆に、私の友人の中にも、
という人が一定数いました。
附属中から鶴丸高校を目指すのもよかったですが、やっぱりもう一度受験するのは不安でした…。
1-1.玉龍中に入学したら鶴丸高校は受験できないの?
玉龍中学校に残ったまま他の高校の受験は不可能なのでしょうか?
これは面談時やお電話でのお問い合わせの際に、非常によくある質問です。
※ただし外部の高校を受験をする場合は、玉龍高校へは進学することが出来なくなります。
1-2.実際どれくらいの生徒が外部受験するの?
これも今までに数回ではあるものの、尋ねられたことがあります。
少なくとも、私の同級生では1人もいませんでした!
何期生ですか?
今も当時と変わらないか、確認したほうが良いのでは?
と、このような指摘を受けて、玉龍中学校を訪問し最新の情報を入手してきました!
3~4年に1人いる程度です。
それだけ玉龍中学校が、生徒たちにとって魅力的だということです!
1-3.外部受験以外の理由で転校する子はどれくらいいるの?
途中で転校してしまう子って、どれくらいいるのでしょうか?
こちらも学校に最新の情報をお聞きしました。
転校者が0人という年も多く、転校者は多くても3人程度です。
1-4.玉龍高校には必ず進学できるの?
知り合いの私立中高一貫校に通うお子さんで、学力を理由に転校を勧められてしまったという方がいます。
うちの子もそうなる可能性がありそうなので、今から心配です…
たしかに私立の中高一貫校だと、「学力が足りない生徒は高校進学をさせない」という学校も存在します。
しかし!
希望者全員が玉龍高校へ進学することが可能です!!
それって進学試験じゃないの!?
「進学できるか否か」を判断するためのテストではないのでご安心を!
2.中高一貫校ならではのメリット
「高校受験がない=楽」という考えはやや安直かもしれません。
しかし高校受験がない分、時間にゆとりが生まれるので学習の先取りができたり、部活に集中できたりとメリットが非常に多いです。
2-1.腰を据えて大学選びが出来る!
中高一貫校全般に言えることですが、中高合わせて6年間大学受験についてじっくり考えることができるのも強みだと思います。
玉龍中学校では、大学について知る機会が多く設けられています。
例えば、中学1年生では鹿児島大学、中学2年生では九州大学を訪問します。
そして中学3年生では、修学旅行を兼ねて東京大学を訪問します。
また、その際に東京大学だけではなく、早稲田大学やお茶の水女子大学などの東京都内にある有名大学も各グループに別れて訪問します。
この大学訪問で刺激を受けて、東京学芸大学が志望校になった友人もいましたよ!
他にも、総合的な学習の時間に自分が興味のある大学について調べて発表したり、OB・OGの大学生の話を聞いたりなど、中学生のうちから、大学について知る機会は本当にたくさんあります。
大学受験まで時間があるので、オープンキャンパスに参加したり、進路指導の先生に相談したりして、じっくりと志望大学を考えることができます。
2-2.高校の先生の授業が受けられる
毎日の授業についても、他の中学校とは違った特色があります。
中学校の先生も高校の先生も、同じ敷地内にいます。
なので、高校の先生が中学生の授業を受け持ったり、中学の先生が高校の授業を受け持ったりすることもあります。
より専門性の高い授業を受けることができ、
と中学生ながらに感動したのを覚えています。
中学生のうちから高校の先生の授業も受けることができたのは、非常に貴重な経験だったと思います。
2-3.特色ある多彩なイベント
また、他の中学校にはない様々なイベントがあるのも玉龍中の魅力のひとつです。
それぞれ簡単に説明すると、「育龍合宿」は4月中旬に行われる、新中学1年生同士が仲良くなるための合宿です。
寝食を共にすることで、友達との距離がグッと縮まります。
また、自宅学習の仕方を教えてもらえるのも育龍合宿のいいところです。
先輩方の宅習ノート(玉龍中では『飛龍』という宅習ノートを利用します)を見て、
と、中学生の『家庭学習のいろは』を会得することができます!
「交龍合宿」は霧島市で行われる合宿で、生徒6~7名と外国人講師の先生1名がグループになって行動します。
レクリエーションの時間にはゲームのルールを英語で説明しなければならないので、自分の英語力を駆使してコミュニケーションをとります。
そして、「昇龍合宿」はいわば勉強合宿で、5教科の応用問題や発展問題に挑戦します。
友達と協力しながら難問が解けたときの爽快感は今でも覚えています。
嫌だなぁ…。
と憂鬱な気持ちで家を出ても、最後には
と満面の笑みで帰宅した記憶があります。
※感染症の影響により、行事等は変更となる可能性もあります。
もしかしたら、これらは全て『楽しく勉強に取り組むようになる』ための仕掛けだったのかも…
と、この記事を書きながら今、気づきました(笑)
とにかく「楽しくも充実していた中学校生活」であったことは間違いないです!!
3.玉龍中学校ってどこにあるの?
次に玉龍中の立地についてお話します。
玉龍中学校・高校は鹿児島市の中心部から少し離れた池之上町というところにあり、島津藩菩提寺『福昌寺』の跡地に建てられています
また、黎明館や仙厳園といった名所旧跡、市立美術館や県立図書館といった文化施設が近くにあるのも大きな特徴です。
とぼやいている友人もいましたが、学校帰りに県立図書館に寄って勉強して帰ったり、南洲神社で歴史の風を感じながら息抜きをしたりする生徒もいました。
そして、最寄り駅は鹿児島駅なので市電でもJRでも通学することができます。
また、「玉龍高校前」「上竜尾町」「清水町」など近くにバス停も複数あるため、バスでのアクセスもいいですよ!
4.進学実績
4-1.玉龍高校の進学実績は?
学校選びの際に気になるのはやはり進学実績だと思います。
しかし、前述の通り玉龍中の生徒は玉龍高校への進学が原則となります。
ですので、今回は玉龍高校の進学実績をご紹介します。
玉龍高校の現役国立合格者の推移(H29~R3)は以下のようになっています。
玉龍高校の国立大学現役合格者数
H29 | 95人 |
H30 | 107人 |
H31 | 97人 |
R2 | 105人 |
R3 | 94人 |
直近5年平均 | 99.6人 |
過去5間年の平均は99.6人で、一学年の人数が240名であることを踏まえると、約40%の生徒が国公立大学に合格しているということが分かります。
あまり高くないような…?
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、平成31年度には京都大学1名・東京工業大学2名、令和2年度には名古屋大学1名・九州大学5名、令和3年度には名古屋大学1名・九州大学3名など、旧帝大・難関大への現役の合格者も毎年コンスタントに輩出しています。
また、鹿児島大学の医学部は令和2年度・3年度にそれぞれ8名合格者を出しています!
令和3年度の医学部を除いた鹿児島大学の合格者も37名となっていて、多数の合格者を輩出しています。
「甲南高校」「鹿児島中央高校」「玉龍高校」ともに現役合格者数を公開している、令和2年度卒の合格実績を比較してみます。
京都大学 | 大阪大学 | 名古屋大学 | 九州大学 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
甲南高校 | 1名 | 3名 | 13名 | 16名 | |
玉龍高校 | 1名 | 5名 | 6名 | ||
鹿児島中央高校 | 2名 | 2名 |
続いて、こちらは現浪合わせての数字にはなりますが、最新の令和4年度入試における鹿児島大学医学部医学科の合格者数を比較してみます。
高校名 | 合格者数 |
---|---|
鶴丸高校 | 15名 |
玉龍高校 | 5名 |
甲南高校 | 3名 |
鹿児島中央高校 | 1名 |
一学年の人数が240名と他の公立高校より120名も少ないことも考慮すれば、皆さんが想像されているよりずっと、玉龍高校の進学実績がいいということがお分かりいただけるかと思います!!
志望校がどのレベルの大学であっても、それぞれにあった対策をしっかりと行ってくれるのが玉龍高校の良いところだと思います。
4-2.現役合格の可能性を上げたいなら中学校から玉龍へ!
玉龍中の生徒の進学先である玉龍高校は、1組から6組の計6クラスあります。
2年生以降は1~3組が文系、4~6組が理系クラスとなります。
1~3年生問わず1、6組が選抜クラス、2~5組が普通クラスとなります。
中学3年生の2月に「昇龍テスト」と呼ばれるテストがあり、昇龍テストの結果を参考にしてクラス分けされます。
と思う方もいるかもしれませんが、昇龍テストの結果だけでクラス分けされるわけではなく、日々の学習態度も考慮されます。
また、かなり難易度の高いテストなので、高校入試同様、本番一発だけいい成績をとるのは間違いなく不可能です。
しかし、中学1年生の頃からコツコツと日々の学習に取り組んでいれば、特に心配はいりません。
実際、例年、玉龍中生120人のうちの半数前後は選抜クラスに配属されます。
(私のときは選抜クラスの約75%は玉龍中生でした!)
前述の難関大学や医学部への現役合格者の大半は、この選抜クラスの生徒です。
中学の頃から高校の学習内容を先取りしたり、多くの演習を積んできたりとアドバンテージがあるため、中入生のほうが高入生よりも学習面では一歩リードしていることが多いです。
大学受験を意識した学習をより早期に始めている中入生が、選抜クラスの多くを占めているのは当然といえば当然ですよね。
4-3.高校受験を経験していないデメリットも…
一方、高校受験を経験しないことによるデメリットもあります。
それは、中入生は高入生に比べてメンタルが弱い傾向があるということです。
中学受験以来、約6年ぶりの受験となるので、緊張感やプレッシャーに耐え切れず、高3の秋から冬にかけて精神的にやられてしまう中入生は多いです。
逆に高入生は高校受験を経験しているため、精神力が強く、最後まで粘り強く受験勉強に打ち込んでいる生徒が多かったです。
毎日のように職員室や進路指導室に行って質問をしたり、愚痴をこぼしたりしてなんとか持ち直したのも、今ではいい思い出です。
弱音を吐かず、コツコツ頑張る高入生の友人を見て、
と心から尊敬したのを覚えています。
同時に、
と自分自身を鼓舞するきっかけにもなりました。
玉龍中・高の先生方はメンタルをやられた中入生の扱い方に慣れていて、すぐに先生に相談することのできる環境を整えてくださっています。
また、外部模試などを受けていくうちに受験の感覚を取り戻し、場慣れしてメンタルも安定してくる生徒がほとんどです。
最後に
鹿児島市立玉龍中学校は、中高一貫校という強みを活かして様々な取り組みを行っている魅力ある中学校です。
6年間という長い時間をかけて、かけがえのない友達と出会うことができたり、勉強や部活に打ち込むことができたりと、なにものにも代えがたい経験をたくさんできます。
最後までお読みいただきありがとうございました。