【変更締切直前!】私立高校入試の結果から考える受験校【鶴丸?甲南?】
みなさん、こんにちは。
郷中塾の本蔵です。
「私立高校入試まであと1ヶ月!」なんて話をしていたのがついこの間のようですが、あっという間に私立高校入試も終わり、結果も出揃ってしまいました。
なんと、本番である鹿児島県立高校入試まであと27日しかありません!
あと4週間で受験本番です!
そんな差し迫ったなかでも、未だに受験校が定まらず悩んでいる生徒さんも多いのではないでしょうか。
例年この時期になると、
受験校がこのままでいいのかご意見を伺いたいのですが…
というお電話を他塾にお通いの保護者の方から複数頂きます。
(昨年は20件近くありました><)
正直、お子さんの学習状況や答案用紙を見ているわけではないので、ピンポイントなアドバイスは難しいです。
そのため、
とお答えしたうえで、直近の私立高校の入試結果(合格者最低点や志願者数など)から例年の傾向との差異等をお伝えし、ご家庭に対して判断材料を提供してまいりました。
今年も既に数件お問い合わせいただいておりますので、今回は普段お電話いただいている皆様にお伝えしている内容をこのブログ記事でお伝えさせていただきたいと思います。
この記事が受験校決定の一助となれば幸いです!
1.そもそも受験校の変更なんてできるの?
この記事をお読みいただいて、
じゃあ〇〇高校から××高校に受験校を変更します!
と決心いただいても、出願変更の締切を過ぎていては仕方がありません。
ですので、先に出願変更締切日の確認をしておきたいと思います。
令和4年度鹿児島県立高校入試出願締切日
一次出願締切日 | 2月14日(月)正午まで |
出願変更締切 | 2月22日(火)正午まで |
鹿児島県教育委員会のHPによれば、令和4年度の鹿児島県立高校入試の最終的な出願変更締切日は2月22日(火)となっております。
学校の先生からは2月2日って言われました!
え?学校によって締切って違うんですか!?
僕の中学校は締切がもう過ぎちゃってるから変更不可なんだね…
なんか残念だなぁ…
必ずしもそうではありません。
生徒本人が頼んで断られた場合であっても、保護者の方からもお願いされた場合には中学校の締切日を過ぎた後であっても、正式な出願変更締切日前であれば応じてくださることも多いです。
ただし、出願変更の作業は学校の先生の大きな負担となります。
安易な出願変更者が続出すれば、先生の作業量はとんでもないことになります。
2.樟南高校入試結果から見る今年度の志願者傾向
以前の記事で、
とお勧めいたしました。
こちらの記事でもお話しております通り、鹿児島高校と樟南高校は「県立高校志望校別の得点分布表」を配布してくださいます。
樟南高校に関しては、全受験生の合格通知書類の封筒の中に同封されておりますので、お手元でご覧いただくことが可能です。
こちらが合格通知書とともに同封されている「県立高校志望校別の得点分布表」になります。
令和4年度樟南高校普通科文理コースの合格点
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度(今回) | |
---|---|---|---|---|
普通科文理コース | 405点 | 400点 | 404点 | 386点 |
普通科英数コース | 330点 | 322点 | 338点 | 313点 |
※いずれも500点満点です。 |
過去3年分の合格点と比較すると、今年度は文理コース、英数コースともに合格点が20点ほど下がっていることが分かります。
続いて、昨年度と今年度の鶴丸高校と甲南高校の志願者数を比較してみます。
樟南高校受験者のうち鶴丸・甲南高校を志望している生徒数
昨年度 | 今年度 | |
---|---|---|
鶴丸高校志願者数 | 375人 | 403人(+7.5%) |
甲南高校志願者数 | 353人 | 282人(-20.1%) |
昨年度と比べて今年度は鶴丸高校の志願者が多く、甲南高校の志願者は大きく減少していることが分かります。
次に、「鶴丸高校と甲南高校の志願者のうち何割の生徒が文理コースの合格点を超えているのか」を見ていきます。
鶴丸高校の志願者は約7割が文理コースに合格しているのに対し、甲南高校志願者は3割~4割と不合格者の方が多くなっています。
出願前の時点においては多くの方のイメージ通り、鶴丸高校志願者の方が甲南高校志願者よりも学力的に勝っているといえるでしょう。
それでは、文理コース合格者に占める両校の占有率に変化がないか見ていきます。
ご覧いただければ分かる通り、文理コース合格者のうち約9割は鶴丸・甲南両校の志願者が占めています。
注目すべきは甲南高校志願者の占有率です。
志望者数は昨年度と比べて2割減であるにもかかわらず、その占有率は昨年度と全く変わりがありません。
このことから、「今年度の甲南高校志願者は、昨年度よりも高学力層の割合が高い」と推測することが出来ます。
というような安易な変更は、例年にも増して控えるべきでしょう。
という惨劇を迎えてしまうかもしれないのです。
3.鹿児島高校入試結果から見る今年度の志願者傾向
樟南高校の次は鹿児島高校について見ていきます。
樟南高校と異なり鹿児島高校は先に挙げた「県立高校志望校別の得点分布表」が、各中学校と一部の学習塾にしか配布されておりません。
中学校の先生の中には、この分布表を生徒さんと見ながら、
ちょっと合格するのは難しそうだから、甲南高校に受験校を変えてみたらどうかな?
といったアドバイスをしてくださる先生もいます。
それが分かるって言ったから受験したのに…
<鶴丸高校志願者>
421点以上で上位100名
406点以上で上位200名
391点以上で上位300名
鶴丸高校の上位300位の基準点高っ!
<甲南校志願者>
386点以上で上位100名
366点以上で上位200名
341点以上で上位300名
甲南高校の上位300位って鶴丸よりも50点も低いんだ!
やっぱり甲南高校の方が鶴丸より楽勝なんだね=☆
その説明の前に、まずは今年度の合格点を見ていきましょう。
令和4年度鹿児島高校英数科の合格点
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度(今回) | |
---|---|---|---|---|
英数科特進コース | 389点 | 370点 | 382点 | 394点 |
英数科英数コース | 342点 | 323点 | 330点 | 343点 |
※いずれも500点満点です。 |
今年度の鹿児島高校英数科の合格点は、特進コース・英数コースともに令和元年度を越える高水準となりました。
昨年から比べると15点程合格点が上がっていることから、
と言っていたような生徒さんが、
不合格!?
となったのではないでしょうか。
このことから、
と思われた方も多いようです。
例年よりもやや厳しい戦いとなりました。
続いて、昨年度と今年度の鶴丸高校と甲南高校の志願者数を比較してみます。
鹿児島高校受験者のうち鶴丸・甲南高校を志望している生徒数
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度(今回) | |
---|---|---|---|
鶴丸高校志願者数 | 365人 | 348人 | 448人(+28.7%) |
甲南高校志願者数 | 365人 | 415人 | 362人(-12.8%) |
こちらも樟南高校同様に「鶴丸志望者増」「甲南志望者減」の傾向が見て取れます。
特に鶴丸高校の志望者に関しては前年比3割増近くとなっており、比較的高倍率だった令和2年度と比べてもかなり志願者数が多いといえます。
次に、「鶴丸高校と甲南高校の志願者のうち何割の生徒が特進コースの合格点を超えているのか」を見ていきます。
樟南高校文理コース同様に、鶴丸高校の志願者は約6~7割が特進コースに合格しているのに対し、甲南高校志願者は2割~3割と不合格者の方が多くなっています。
鶴丸・甲南両校の志願者共に合格者の割合が減っているのは、昨年度よりも今年度の特進コースの合格者数が減っていることに影響していると思われます。
それでは、文理コース合格者に占める両校の占有率に変化がないか見ていきます。
昨年度・今年度ともに、加治木高校志願者が鹿児島中央高校志願者よりも占有割合が倍以上高いことにお気づきでしょうか?
先にお示しした樟南高校文理コースにおける志願者別割合においても、両校は拮抗しておりました。
国公立の進学者数では、近年加治木高校が鹿児島中央高校を上回りつつあります。
躍進著しい加治木高校の話は、また別の機会にお話しするとして…
鶴丸高校志願者の割合が増加し、甲南高校志願者の割合が減少していますが、これは志願者数の増減によるものと見てよいかと思います。
さて、ここで先の「甲南高校志願者の上位300位の点数が、鶴丸高校志願者の上位300位以内の点数よりも50点低い」ことから「甲南高校の方が鶴丸高校よりも合格しやすいのではないか」という命題について考えていきたいと思います。
この考えが正しいと言うためには、「鹿児島高校受験日時点の志願校を全員が受験する」という仮定が必要になります。
しかし、そんなことは現実にはあり得ませんよね?
鹿児島高校特進コースに不合格となってしまった鶴丸高校志願者の多くが、志望校を変更することは容易に想像できます。
もし仮に「鹿児島高校特進コースに不合格となってしまった鶴丸高校志願者」が甲南高校に受験校を変更した場合、甲南高校志願者の上位300位以内は371点となり先程と比べて30点もボーダーが上がってしまう事になります。
また、
というのであれば、「全受験生の学力が鹿児島高校受験時と、1ヶ月以上先の県立高校入試当日でも変わらないものとする」という仮定も必要となります。
これもまた有り得ませんよね?
「もう受かったな!」と思い手を抜き始めた瞬間から、不合格へまっしぐらです><
4.まとめ
今回は、私立高校の結果を受けて受験校を迷っている生徒さんや保護者の方へ向けて、「樟南高校と鹿児島高校の入試結果から読み取れる志願者の傾向」についてお話させていただきました。
以下、本記事のまとめです。
①受験校出願変更の最終締切は2/22(火)正午。
②今年は昨年よりも現時点で鶴丸高校志願者が多い。
③今年は昨年よりも甲南高校志願者の学力層が高いかも…
④受験が終わるその日まで全力で勉強に取り組むこと!
悔いのないように全力で駆け抜けましょう!
安易な受験校変更は悔いを残すことになりかねません。
受験校変更の際は、心から納得して行うように心がけてください!
ご不明点あればいつでもご相談に乗らせていただきます。
遠慮なくご連絡ください。
この記事をご覧いただいた全ての生徒さんの合格を願っています!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。