【共通テストの罠】解説はわかるのに解けない人、対策せず放置してると不合格かも…?
こんにちは、郷中塾の宮園です。
7月末に全統共通テスト模試がありましたが、みなさんの手応えはいかがでしたか?
「数学、勉強したのに60点も取れなかった…」
「時間が足りなくて、英語が最後まで読み終わらなかった…」
といった悔しい思いを抱えているかもしれません。
共通テストは今までのテストとは出題傾向がガラッと変わり、自分の思うように解き進めることができないので、受験生よっては強いストレスを感じる人がいます。
今回は、「共通テストで失敗しやすい具体的事例とともに、共通テスト攻略に特化した勉強法や各科目ごとの戦略」についてお話ししていこうと思います。
はじめに:なぜ共通テストの点数は伸びにくいのか?

学校の宿題や追加で自分に必要な勉強をしても、「なんでこんなに頑張ってるのに点数が伸びないんだろう」と悩む高校生は少なくありません。
特に夏休み以降は、共通テスト模試の自己採点や結果を見て不安になり、駆け込むように相談に来る高校3年生が毎年多いです。そして、その面談の中で、「日々の勉強では理解できているはずなのに、模試になると実力が出せない」と苦しんでいる高校生や保護者が多数いらっしゃいます。
そして、そのような人の大半は『努力の方向性』を間違えてしまい、頑張っても結果が出にくい勉強内容や受験戦略に取り組んでいます。
かつてのセンター試験は、どちらかというと「知識の正確な暗記」や「典型問題の解法パターン」を問われる傾向が強かったと言えます。もちろん、共通テストでも基礎知識は不可欠ですが、共通テストでは特に「知識の活用」「情報処理能力」などが問われています。
共通テストが本当に測りたいのは、見慣れない状況や複雑な問題文の中で「適切な情報を把握し」「適切な手法を用いて」「早く正確に解答を求める」という能力です。
数学であれば、単に公式を覚えているだけでは点数はまったく取れず、与えられた条件を正確に把握できているかの思考プロセスを問われており、単純な計算能力はあまり問われていません。
国語や英語でも、単語や文法の知識、古典文法を暗記しているだけでは高得点は望めません。古文は和歌が出題されることで読解の難易度が上がっており、英語は文章量が増加して読み終わらない受験生が続出しています。
これは、日々の授業や基本的な問題集で「知識をインプットする」勉強とは一線を画します。
共通テストでは、そのインプットした知識を、制限時間内に、複雑に絡み合った情報の中から適切な部分だけ引っ張り出し、使いこなす「知の応用力」が試されていると理解しておきましょう。
第1章:失敗しやすい原因:勉強編
このように悩んでいる人は多いと思います。
共通テスト模試で点数が伸び悩む原因は、単に知識が不足しているだけではありません。
この原因は、日々の勉強方法と共通テストが求める能力の「ズレ」、そして試験本番特有の「罠」にはまっている可能性があります。
これから、間違えやすい日々の勉強方法について、その具体的な原因を詳しくお話ししたいと思いますので、さっそく概要を確認しましょう。
1.結果が伴わない「ズレた」勉強内容
知識の暗記や計算問題のみに偏った勉強で、思考力や判断力が身についていない
2.「パターン学習」で思考力の限界
「この問題はこう解く」という型にはまった勉強で新規問題で応用できない
3.時間にルーズな勉強が習慣化された弊害
時間を気にせず勉強することで、試験中に知識を出しきれず問題が解き終わらない
あなたが日々積み重ねている勉強は、決して無駄ではありません。しかし、その勉強内容が「共通テストの出題意図」と合致していなければ、残念ながら努力が点数に結びつきにくいのも事実です。
ここでは、日々の勉強と共通テストとの間に生じやすく、気づきにくい「ズレ」を3つのポイントに絞って深掘りします。このズレを理解し、埋めることが、成績向上のカギとなるでしょう。

なぜ「知っている」が「解ける」に繋がらないのか
多くの高校生は、数学の「フォーカスゴールド」「基礎問題精講」のような網羅系問題集や、単語帳、社会科目の一問一答形式の参考書を完璧にすれば、共通テストでも高得点が取れると信じています。
確かに、これらの教材は「点」としての知識、すなわち個々の公式、単語、文法、歴史的出来事などを体系的にインプットする上では非常に優れています。
しかし、共通テストでは、その「点」の知識を複数の「線」で結び、あるいは「面」として活用できるかという『思考力・判断力・表現力』が問われています。
たとえば、数学や理科のような科目では、お店の売上の予測と絡めたり実際の物体に対して動きを予測させたりと、より実践的な内容と組み合わせた問題が出題されます。
また、国語や英語は単純な文章問題だけでなく、生徒の議論を通して筆者の主張を把握し、文章全体に散りばめられた時系列を読み解く能力が求められています。
要するに、共通テストで問われているのは、個々の知識を暗記しているかではなく、それぞれの知識をどのように組み合わせて、未知の状況で応用して問題を解決できるかという、より高度な能力です。
数学のフォーカスゴールド、理科のセミナーやリードα、社会のチェックリストや要点ノートなど、学校教材だけに注力した勉強をしている人は、共通テストの出題形式に慣れておらず、「共通テストの問題が見たことない問題に見えて、手も足も出ない」という状態に陥りやすいです。
共通テストは、知識を「引き出し、組み立て、適用する」練習が不可欠なのです。

なぜ「見たことのない問題」に弱いのか
学校の教材や今まで取り組んだ問題の復習ではサクサク解けるのに、試験本番で見たことない問題を見たときに手が止まってしまう人は、無意識のうちにパターン学習だけに取り組んでいるかもしれまん。
「パターン学習」は、英単語の暗記と同じく一問一答形式で覚える勉強方法ですので、知識を応用して問題を解く習慣が身につかないという弱点があります。
一昔前のセンター試験や私立大学の一般入試では、「この手の問題はこう解く」という『パターン学習』が非常に有効でした。
多くの過去問を解いて出題パターンと解答プロセスを丸ごと覚え、同じような問題が出たら反射的に解ける状態にすることで、効率的に点数を稼げた時代もありましたが、残念ながら近年の共通テストでは通用しなくなっています。
一見すると「見たことがない」形式の問題の出題が増えてきたことで、今まで解いてきた問題との共通点が見出せず、「二次試験の記述力はあるのに、共通テストで点数が取れないので志望校を下げざるを得ない」という高学力層の受験生もいます。
特に、高度な発想力や記述力があるのに、共通テストでスベっている鶴丸高校や甲南高校の受験生は、「穴埋め形式によって発想力が縛られている」「歴史の史料や地理のグラフを読み込み、知識と関連づける」という感覚を苦痛を感じているという声が多いです。
例えば、国語の現代文で対話形式の問題や長い選択肢に惑わされたり、社会は史料や地図で知識が使いこなせなかったりと、悔しい思いをした経験があると思います。
また、数学の誘導に気づかず大問1つ分まるまる点数を落としたり、化学の知識問題でも各分野の知識を総動員する意識がなく曖昧に回答したりと、歯痒い気持ちになった人もいるでしょう。
このように、これまで慣れ親しんできた「型」にはまらない問題が出た途端、思考が停止してしまうのは、このパターン学習の限界にぶつかっている状態と言えます。
共通テストでは、「初見の問題にどう立ち向かうか」という力が試されているのです。

なぜ試験本番で時間が足りず、ケアレスミスが多いのか
今までお話ししてきたように、共通テストは「応用力・判断力・表現力」を問われていますが、これら高度な力を試験時間内に発揮できるかという「時間との戦い」でもあります。
もし「じっくり考えれば解けるのに、いつも時間が足りない」と感じたり、「焦ってしまって、簡単な計算ミスやマークミスを連発してしまう」と悩んでいるなら、それは『丁寧に解く』と『早く解く』のバランスが崩れているサインかもしれません。
普段の勉強で、時間を気にせず問題にじっくり取り組む習慣がついていると、本番の短い時間の中で膨大な量の問題や情報を処理することに、脳が慣れていません。
確かに、深く理解することは学力の基礎として非常に重要ですが、共通テストでは、その深い理解を「瞬時に」「迷いなく」アウトプットすることを求めており、しかも、1時間以上の試験中は集中力を切らさず保ち続ける『集中する持続力』も必要不可欠です。
共通テスト模試を受けた人は体感したと思いますが、共通テストは今まで経験したことない力を同時に求めています。学校から課された数学の演習帳をじっくり取り組み、国語の問題集は納得いくまで読んでいる姿勢は大事ではありますが、共通テスト模試を本番ぶっつけ勝負で臨んで高点数が取れる人はそう多くありません。
後述しますが、時間に追われるプレッシャーは脳のパフォーマスを著しく下げてしまいます。普段から時間に対する負荷をかけておくことが、共通テストで高得点をとる要因の一つと言えるでしょう。
第2章:失敗しやすい原因:本番編
試験本番は、普段の学習環境とは全く異なる独特の緊張感に包まれます。この緊張感は、思考力や判断力に悪影響を及ぼし、思わぬミスを引き起こす「罠」となることがあります。
ここでは、多くの受験生が陥りやすい本番でのミスついてその具体的な原因を詳しくお話ししたいと思いますので、まずは概要を見てきましょう。
1.「焦り」が引き起こす突然の思考停止
試験中のプレッシャーや焦りから思考停止になり、問題を読んでも目が滑ってしまう
2.「思い込み」で問題文を読み間違える
簡単な問題だからこそ、無意識のうちに問題文を読み飛ばして失点してしまう
3.「時間配分」ミスで問題が解き終わらない
試験中に時計を見る癖がないので、気がつくと残り時間が少なくなってしまう
普段はスムーズに解ける計算問題でも、本番で「この計算、間違えたらどうしよう」「この公式、本当にこれで合ってるかな」と強く意識しすぎると、足し算や引き算の一つ一つ、あるいは公式の適用手順まで意識が向いてしまい、かえって動きがぎこちなくなってしまいます。
これは、脳が普段使わない「意識的な部分」を使い始めることで、自動化されたはずの作業が妨げられるためです。
この状態で試験に臨んでも、作業効率の低下・時間のロス・ミスの誘発という悪循環に陥ります。そして、脳は極度のストレスモードに入り、冷静な判断や深い思考に必要な「前頭前野(思考や計画を司る脳の部位)」の働きが鈍ります。いわば、脳がパニック状態になり、普段通りの機能を発揮できなっています。
このように失敗しないためにも、試験本番で陥りやすいミスを一緒に確認しましょう。

なぜ試験本番になるのと突然パニックになるのか
これは、試験自体のプレッシャーの上に、「時間がない」というプレッシャー、「点数を取らないといけない」というプレッシャーなど、さまざまな角度から与えられた圧力によって潰れてしまってる状態かもしれません。
誰しもが少なからず、試験開始の合図と同時に問題用紙をめくり、見慣れない形式や難解な問題に遭遇した瞬間、心臓がバクバクし、頭が真っ白になる経験があると思います。
この「焦り」は思考力を著しく低下させ、本来持っている実力を発揮できない最大の要因となります。心理学では、これを「チョーキング」と呼びます。
【「チョーキング」とは何か?】
「チョーキング」は直訳すると「息が詰まる」「窒息する」といった意味ですが、心理学では極度のプレッシャーや緊張によって、普段なら当たり前にできるはずのパフォーマンスが急激に低下する現象を指します。
スポーツの世界ではよく知られており、例えば、普段は百発百中のフリースローを本番で外したり、ゴルフでも最後のパットを決めきれなかったりする場面が典型例です。
受験においては、まさに「時間が迫っているのに問題が解けない」「簡単なはずの計算でミスを連発する」「問題文が頭に入ってこない」といった状況がこれに当たります。
試験中にパニックに陥ると、脳は極度のストレスモードに入り、冷静な判断や深い思考に必要な「前頭前野」の働きが鈍ります。
そうなると、注意が「目の前の問題」から「失敗したらどうしよう」「時間が足りない」といった、試験には無関係な不安へと逸れてしまい、結果としてパフォーマンスが劇的に低下していきます。
みなさんも、試験中に「もしこの問題が解けなかったら志望校に落ちるかも」「周りのみんなはもっと早く解いているんじゃないか」といった雑念が頭をよぎり、それが脳のリソースを消費して、必要な集中力が奪われてしまったことはありませんか?

なぜ普段はないのに試験中だけ問題文を読み飛ばしてしまうのか
問題を見た瞬間に「これは前に解いたあの問題と同じパターンだ!」と脳が判断し、詳細な確認を怠ってしまうことがあるかもしれません。
問題文を最後まで読まずに解答したり、自分の都合の良いように解釈してしまったりするミスは、まさにこの「思い込み」が原因です。一度脳が「こうだろう」と決めつけると、その後の情報が無意識のうちにフィルターにかけられ、都合の悪い情報やパターンと異なる情報を見落としてしまうことがあります。
そして、この思い込みや決めつけによる失点は、『全員が確実に点数を取ってくる基本的な問題』で多発してしまうので、一気に周りの人と点数差をつけられてしまう原因でもあるのです。
共通テストは基本的に時間に追われていますので、脳が「これは知ってるパターンだ!」と判断した瞬間に、細部の確認がおろそかになってしまいがちになります。
この「思い込み」の罠から逃れるためには、常に疑いの目を持つこと、そして「思考の停止」を避けることが重要になります。

なぜ事前に決めた時間配分を守れず解き終わらないのか
まず、共通テストを受験する上で必要な考えから共有したいと思います。
共通テストは、そもそも満点を取ることを想定して解いてはいけません。問題の中には、計算が煩雑で時間のかかる問題や、長文を何度も読み返さないといけない問題など、いわゆる「捨て問」と呼ばれる問題も意図的に含まれています。
このような試験で高得点を取るためには、単に多くの問題を解けるようになるだけでなく、いかに効率的に得点を積み上げるかという「戦略的思考」が不可欠なのです。
この取捨選択する力について、特に多い失敗事例を2パターン紹介します。
パターン1.「解けそう」と思って必要以上に粘ってしまう
共通テストという焦りと不安の中で、「何か解けそう!」という問題で必要以上に時間をかけてしまう場合を指します。確かにその問題は正解できるかもしれませんが、その後ろに続く、本来ならもっと短時間で簡単に取れるはずの点数を取りこぼしてしまうので、残念な結果で終わることが多いです。
パターン2.「焦り」「不安」から必要以上に見切ってしまう
「共通テストは時間がないから、難しいと思ったら次の問題に行く!」と決めており、一瞬でも不安がよぎると見切ってしまう場合です。全体を通して見ると解き終わっていますが、少し考えると解けた問題を解いていないので、点数が伸び悩むことになります。
共通テストでは、限られた時間の中で、どの問題を優先的に解くべきか、どの問題にどれくらいの時間をかけるべきか、そしてどこで潔く次の問題に移るべきか、といった「取捨選択の判断力」が試されます。このスキルこそが、自分の学力を最大限に結果に結びつける非常に重要な要素なのです。
普段から共通テスト形式の問題で取捨選択の速度と精度を向上させ、本番で最大限のパフォーマンスができるようにしましょう。
第3章:共通テストに特化した戦略
第1章および第2章では、共通テストで失敗しやすいケースを紹介してきました。
ここからは、各教科において、この「活用力」を鍛えるための戦略的アプローチを具体的に見ていきましょう。
第3章−1. 国語:読解の型と多角的思考力を養う

共通テストの国語は、単に文章の内容を理解するだけでは高得点は望めません。最近の共通テストでは、複数の情報(グラフ、図、対話文、評論文)などもあわせて出題され、それらの意図や問題提起の背景などを正確に捉える力が求められます。
特に現代文では、文学作品のような心情の機微を深く読み取る力よりも、論理的な思考力や客観的な情報処理能力が重視される傾向があります。
これは、現代社会で必要な、多様な情報を整理し、論理的に判断する力を測るためと言えるでしょう。
では、ここから現代文と古文漢文について詳しく見ていきたいと思います。
【現代文の特徴】
共通テストの現代文は、特定のテーマに対する筆者の見解や、その見解に対する複雑な事象の説明が展開されます。ここでの読解は、筆者がなぜそのように主張するのか、その論理的な道筋を正確に追いかけることが肝心です。
ただし、センター試験や定期考査のような問題とは異なり、共通テストは、傍線部の周辺だけ読んでも解答に辿り着くケースは少なく、文章全体の流れの中で傍線部がどのような役割を果たしているかを考えないといけない問題があります。
あくまでもスピード勝負です。
得点率8割の壁:主張(テーマ)と論理構造の把握
現代文は、問題の主張とテーマを確実に抑え、それを支える根拠・具体例・対比関係・接続詞に注目することで、正確かつスピーディーに文章全体の論理構造できるようになっています。
例えば、『しかし・したがって・つまり・例えば・一方』といった接続詞は、論の展開や筆者の主張の方向性を示す重要な目印です。これらを見逃さず、筆者の思考の道筋をトレースするように読み進めることで、文章の骨組みを正確に捉えましょう。
また、設問で問われる傍線部は直前直後だけ読んでも解けない問題が増えてきました。もちろん、傍線部の前後の文脈は大事ですが、さらには文章全体の流れの中で傍線部がどのような役割を果たしているのかを考えましょう。
勉強すべき対策:解答の「根拠」を追求する
問題集や過去問を解いた後、単に丸付けをするだけでなく、「なぜこの選択肢が正しく、他の選択肢が間違っているのか」を論理的に説明できるまで分析してください。
多くの選択肢は、本文の一部を抜き出したり、言葉を入れ替えたりして、もっともらしく作問されています。しかし、必ずどこかに本文の論旨と異なる部分、あるいは本文に書かれていない内容が含まれているので、そこ部分を正確に見つけ出す必要があります。
消去法を用いる際も、「なんとなく」の感覚ではなく明確な根拠を持つことが重要です。感覚のみで解いている人は、試験本番で「簡単すぎるから、逆にこの選択肢が正解かな?」「選択肢が2つまで絞れるけど、あとは運頼みしかない」という不安の中で試験に臨まないといけません。
普段からスピードと正確性を意識した練習が必要不可欠でしょう。
【古文漢文の特徴】
古文漢文は、現代文と異なり、まずは基礎知識(単語・文法・敬語・句形・和歌・漢詩など)の習得が非常に重要ですが、共通テストでは、その基礎知識を「活用」して文章全体を読み解く力が問われます。
また、最近の古文は文章が長くなり、和歌が挿入される問題が増えてきたことで、今まで演習してきた週末課題や学校のテストとは異なった問題形式にも慣れて置く必要が出てきました。
得点率8割の壁:主語の見極めと挿入
古文の場合、助詞と敬語の習熟度が8割を超えるかどうかのラインとなるでしょう。古文には、接続詞『つまり、しかし、したがって』等はほとんど存在せず、基本的に助詞がその役割を担っています。助詞を理解することは文章の起承転結を把握する上で必須のスキルとなります。
また、最重要視すべきは「主語が誰かを常に意識すること」です。共通テストの古文は、登場人物が多い物語文や、複雑な人間関係、状況設定の問題が出やすい傾向にあります。誰が誰に話し、誰が何をしたのかを正確に追うことが、誤読を防ぎ、設問の意図を正確に捉える上で最も重要です。
あわせて漢文では、「指示語の内容把握」と「故事成語への理解」が大事になってきます。指示語の『之・是・子』などは何を指してるのか把握しながら読まないと、最後の結論で読み違えてしまうことがあります。
漢文はよく故事成語に関連した内容が出題されますので、どのような文脈で生まれた故事成語のかを知っていれば、その言葉が使われている文章の深い意味を理解しやすくなります。
勉強すべき対策:現代語訳を照らし合わせた精読
古文漢文は、訂正の方法が成績向上の是非に直結します。
最低限、文法書や単語帳で覚えた知識が、実際に文章中でどのように機能しているかを意識して確認する演習を重ねましょう。例えば、単語の意味を確認するだけでなく、その単語がどんな意味を表しているのかといったニュアンスまで理解するように努める必要があります。
また、問題集の解説文には、背景知識が書かれていることがあります。読み飛ばしている人が多いかもしれませんが、時代背景や中国の文化背景など知ることで、その時代の文章全体が持つ常識や論理展開が掴めるようになってきます。
共通テストの国語は、試験時間が90分と長い割に「時間配分とおりに読み終わらない」「読み飛ばしてケアレスミスが多発しやすい」科目です。
今まで演習した国語の問題集とは異なる出題形式ですので、共通テストで高得点を狙うなら特化した勉強にも取り組み始めましょう。
第3章−2. 数学:問題文に隠れた誘導・条件の把握

前述しましたが、共通テストの数学は、従来のセンター試験と比較して、単に公式を丸暗記したり典型問題の解法パターンを覚えたりするだけでは、高得点を取るのが非常に難しくなっています。問われるのは、複数の分野の知識を統合し、見慣れない問題状況や、現実の事象に関連付けられた問題に応用できる「思考の柔軟性」と「問題解決能力」です。
今からお話しするのは、普段の勉強でできる共通テスト対策について、より具体的にお話ししていこうと思います。
解説に書かれていない部分を理解し言語化する
高得点者とそうでない人の違いは、『問題を見て適切な解答プロセスを瞬時に発想できたかどうか』という、たった1つのみです。
この適切な解法を引き出す力さえ鍛えることができれば、問題が求めている思考プロセスに沿って最後まで解くことができるようになるでしょう。
九九の百マス計算を想起させる計算速度を求める
普段の勉強から、時計を使って取り組む人は多いと思いますが、共通テストに関してはストップウォッチ機能を使い、必ず時間制限を設けて解く習慣をつけましょう。各大問や問題タイプごとに目標時間を設定し、それを守る練習を重ねることが重要です。
最初は時間がオーバーすると思います。訂正のときは、「どの問題に時間がかかったのか」まずはしっかり分析し、時間を浪費した原因を追求しましょう。例えば、「無駄な計算をしてしまった」「すぐ適切な解法を思いつかなかった」「計算ミスをして解き直していた」など、原因はいろいろあると思います。
このように自分のミスを言語化することで、自分の思考の癖や弱点(特定の解法に固執しがち、条件の見落としが多い、行き詰まるとすぐに諦めてしまう、など)を発見し、具体的に改善点を見つけることができます。
第3章-3. 英語:速読・精度・情報処理を極める

共通テストの英語は、単語や文法知識があるだけでは高得点に繋がりません。センター試験と比べて読解量が大幅に増え、さらに複数の異なる情報源(新聞記事、広告、グラフ、図表、メールなど)を読み解く「情報処理能力」が強く求められます。
そしてリーディングは、膨大な英文を限られた時間内に処理する必要があります。そのため、速く読む力(速読力)と、内容を正確に理解する力(精読力)の両方が不可欠です。
どちらか一方が欠けても、安定した高得点には繋がりません。
【「速読力(wpm)」とは何か?】
wpmは「Words Per Minute」の略で、直訳すると「1分間あたりの単語数」という意味です。これは、1分間にどれくらいの単語を読めるかを示す指標であり、主にリーディングスピードを測るために使われます。
一般的に、英語のネイティブスピーカーの平均的な読書速度は200〜250 WPMと言われています。しかし、日本語を母国語とする私たち日本人にとっては、通常80〜150 WPM程度が平均と言われることが多いです。
慣れていない状態で、英文をただ速く流し読みするだけでは、設問の意図を正確に捉えられず、ケアレスミスが増えてしまいます。一方で、一語一句辞書を引きながら丁寧に読みすぎると、時間切れになってしまいます。
重要なのは、「速読」によって文章の大まかな意図や主張をつかみ、「精読」で複雑な構文を正確に理解する、この2つの力をバランスよく使い分ける必要があります。
ここで、よくあるテクニックをご紹介したいと思います。
《パラグラフリーディング》
英文の論理的な流れを正確に理解し、筆者の主張や意図を深く読み解く
英語の段落は通常、「導入・具体例・根拠・反論・結論」など、それぞれ明確な役割を持っています。この役割を意識しながら読むと、文章全体の構造が理解しやすくなります。
それにより、主要な主張(大枠)と、それを補強する具体例や詳細情報(小枠)を区別して読むことが可能となり、重要な情報を見落とさず、かつ不必要な情報に時間をかけすぎないようにするテクニックです。
《スキャニング》
設問で問われている特定のキーワードや情報を、文章全体から素早く探し出す
まず、設問を読み、何に関する情報が求められているのか(「〇〇の理由は何か?」「△△が◇◇◇したのはなぜか?」等)を明確にします。このとき、特定のキーワードや情報をインプットして、目当てのキーワードやその類義語、関連語を探すように、文章を高速でスキャンしていきます。
このテクニックは、具体的な情報(人名、日付、数値、特定の用語の定義など)のように視覚的に目立ちやすく、探している情報を見つけやすい傾向があります。
《スキミング》
文章をほとんど読むことなく短時間でざっくり内容把握する
多くの英文では、段落主題やテーマが最初の文に書かれています。これにより、各段落が何について書かれているのかを効率的に把握できます。また、接続詞や指示語に注目することで、文章の方向性や展開を予測するテクニックです。例えば、”however” (しかし), “therefore” (したがって), “for example” (例えば), “in addition” (加えて) などは、文章の展開を理解する上で非常に重要です。
ただ、文章を細かく読んでいないので、「残り時間の少なく、最後まで読み切らないといけないというピンチの時」に有効なテクニックであり、最終手段のテクニックでもあります。
終わりに:共通テストの是非は努力次第
共通テスト模試の点数が伸び悩むことは、決してあなたの能力が低いことを意味しません。
ただ単に、共通テストに特化した勉強や受験スタイルを確立できていないだけです。共通テストに特化した勉強は習得まで時間がかかりますが、その過程で培われる「考える力」「問題解決能力」「自己管理能力」は、大学に入ってからも、そして社会に出てからも、あなたの大きな財産となります。
ここで諦めず、最後までもがいてみましょう。







