【分析】鹿児島実業高校の出題難度&傾向と対策(理科)

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皆さんこんにちは!郷中塾の田中です。

今回は鹿児島実業高校の「理科」の対策についてお話していきます。

鹿児島実業高校の理科は物理・化学・生物・地学からバランスよく出題されます。例年、約7~8単元から出題されるため、結果的に全範囲を網羅的に学習しなければなりません。

強いて傾向があるとすれば物理分野でしょう。過去5年間で「エネルギーと仕事」「電流の性質」から集中的に出題されています。一方で、「光」「音」からはほとんど出されてはいません。

まずは過去5年間の出題分野をご覧ください。

※分野名は東京書籍出版の「新しい科学」の目次より抜粋しております。

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単元1火をふく大地植物のからだの作りと働き植物の分類動物のからだの作りと働き植物のからだの作りと働き
単元2植物の分類遺伝の規則性と遺伝子動物のからだの作りと働き遺伝の規則性と遺伝子動物のからだの作りと働き
単元3動物のからだの作りと働き動き続ける大地地層から読み取る大地の変化火をふく大地動き続ける大地
単元4気象の観測気象の観測地球の運動と天体の動き気象の観測気象の観測
単元5地層から読み取る大地の変化酸、アルカリとイオン酸、アルカリとイオン化学変化と物質の質量化学変化と物質の質量
単元6化学変化と物質の質量エネルギーと仕事エネルギーと仕事化学変化と物質の質量身の回りの物質
単元7酸、アルカリとイオン電流の性質電流の性質エネルギーと仕事力の世界
単元8音・電流の性質--音・光電流の性質

また、鹿児島実業高校は同タイプであっても毎年違うタイプの問題が出される傾向があります。

例えば、化学変化と物質の質量に関する問題であれば、「鉄と硫黄の化合反応」「酸化銀の熱分解」「炭酸水素ナトリウムの熱分解」など毎回違う実験が問題として出題されています。

化学に限らず、物理・生物・地学においても同様の傾向があります。過去問は問題慣れという意味では有効活用できそうですが、同じ問題が出される事は期待しない方が良いでしょう。

中学1年分野

・植物の分類(中1)

過去5年間で2度出題されています。「被子植物」と「裸子植物」、「単子葉類」と「双子葉類」、「シダ植物」と「コケ植物」など植物の分類表はもちろんのこと、「各ジャンルの代表的な植物」も押さえておきましょう。2020年には合弁花類の植物、2018年にはヒマワリの特徴が出題されています。

中2分野

・電流の性質(中2)

過去5年間で4度出題されている再頻出単元です。2017年に「磁界」の問題が出されましたが、それ以外についてはすべてオームの法則を活用した計算問題が出されています。電圧、電流、抵抗の計算は問題演習を通して幅広く答えられるようにしておきましょう。

・動物のからだの作りと働き(中2)

過去5年間で3回出題された頻出単元です。2021年には「肺のつくり」、2018年「体の血液循環」、2017年「消化器の仕組み」など全体的に満遍なく出題されています。各器官の概説・仕組みを確実に抑えておきましょう。

中3分野

・エネルギーと仕事(中3)

頻出単元でありながら、出題年度によって問題内容が大きく違っております。2020年「傾斜を活用した小球の運動」、2019年「記録タイマーを活用した運動」、2018年「振り子に吊るされたおもりの運動」など。問題演習を通じてどんなタイプの問題が来ても備えられる様にしておきましょう。

酸、アルカリとイオン(中3)

実験の内容は年度によって違いますが、イオン式・中和反応の作図などやや難度の高い問題が出題されています。

遺伝の規則性と遺伝子(中3)

過去に「細胞分裂の仕組み」や「エンドウの種子を使った分離の法則」の問題が出されています。後者に関しては用語だけでなく記述問題や計算問題も複数出題されており、単元の理解力を試すものとなっていました。

まとめ

以上が鹿児島実業高校の理科の入試傾向・対策に関するお話でした。

幅広い単元から出題はされていますが、問題自体は標準的なものがほとんどです。しかし、県立入試同様に記述や計算、作図問題などもふんだんに出されています。私立入試特有の用語や記号問題が中心とは言い難いものとなっています。

まとめ
・問題は物理、化学、生物、地学から幅広く出されており、過去問の類似問題はほとんど出題されていない。

・物理は「エネルギーと仕事」「電流の性質」から集中的に出題される傾向がある

最後までお読みいただきありがとうございました。